「横浜ベイエリアに焼き芋屋のロードスターがいるよ」という情報がもたらされたのは、2週間くらい前のことだった。
早速、アポをとって行ってみると、そこには長い列ができていた。
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驚くなかれ、真っ赤な「マツダロードスター」の荷台には、焼き芋窯が乗せられていた。
※本稿は2019年3月のものです
文・写真:酒井透
初出:『ベストカー』 2019年4月10日号
■3代目ロードスターの荷台に焼き芋窯を載せて
お芋を販売しているのは、横浜市在住の井上昌さん(28歳)だ。
井上さん。民俗調のポンチョなど販売時の服に焼き芋屋の未来を感じる
「今乗っているのはロードスターの3代目でNC型です。焼き芋の移動販売を始めたのは去年の1月のことで、これを始めてからいろいろな人たちと話をすることができました。
そういうのもまた楽しいですね。販売する場所を提供してくれる方も多いです。
最近はクルマ関係のイベントに呼ばれて販売することもありますが、遠いところではみんから(みんなのカーライフ)のオープンミーティングに行きました。
富士山の近くで山梨まで日帰りしましたよ。朝早く起きて気合入れて行きましたけど、帰って来たらクルマのなかで眠り込んでしまいました(笑)。
ちなみにリアバンパーの『えるろこ』とは、スペイン語で『彼のアタマはいかれている』という意味で、自分のあだ名です(笑)。観光旅行でスペインに行っていたことがあるんで」と井上さん。
深みのある赤のボディカラーが焼き芋屋離れしていてまたナイス
日頃の活動範囲は、横浜・みなとみらい(MM)地区が中心だ。
以前はバンパー部に「えるろこロド芋『鬼いちゃん』」と書かれていたため、ファンの間では「鬼いちゃん」として親しまれている。
ちなみに焼き芋窯の設置費用は約50万円。クルマは以前から乗っているものを使っているそうだ。
「焼き芋販売」は飲食業にはならないそうで、「雑貨店」になるという。そのため保健所への届出も、車両の構造変更も必要なかった。
焼き芋窯はかなり重量があるので、後輪部分がグッと沈んでいるが、「この状態がかえって乗りやすいんですよ(笑)」と話す。
1500~2500円のビッグサイズ を売る時もあるというから、値 札は目安程度に考えておこう
■話題だけではない 多くのファンがついた焼き芋
イモは茨城県産の「べにはるか」を使用。 アルミホイルにくるんで、ゆっくりと時間をかけて焼き上げる。
香ばしい焼き芋の香りは、いつも販売をしているみなとみらい駅の地下鉄改札口まで漂ってくる。
通常は1本500円~800円で販売しているが、ネタとして1500~2500円のビッグサイズを販売することもある。2500円のものは 1.5kgもあるとか。
イモは茨城県産の「べにはるか」を使用。蜜が染み 出るほど糖度が高く、食感もスバラシイ
井上さんは毎日、ツイッターに販売する場所と時間をアップしている。そのため足しげく通い詰めている「ロド芋ファン」も多い。
家族連れやカップル、オープンカーマニア、ライダーなどなど。週に2~3回は来ている男性もいるという。
実際に食べてみると本当に美味しい。糖度も高く、蜜が染み出ていてホクホクとしている。 窯からは黒い蜜の塊が染み出して固まっている。井上さんは、“味”にもトコトンこだわっているのだ。
営業時の一コマ。長蛇の列だ
「『鬼いちゃん』のところに通うようになって、1年近く経ちます。週末は必ず来ていますね。『鬼いちゃん』のお芋はとても甘くて美味しいんです。
うちの子はまだ2歳になっていませんが、お芋を見ると“キャッキャ”としています。熱くても平気で食べるんですよ。クルマを見てすぐにわかるんです。
家族で通うのが楽しいです。いつも『鬼いちゃん』の ことを応援しています」(横浜市内から子ども連れで来ていた30代の女性)
「えるろこロド芋『鬼いちゃん』」の移動販売は、暖かくなってからも続く。
毎日、ツイッターアカウント「えるろこロド芋『鬼いちゃん』」(@EL_Loco2018)で販売をする場所や営業時間を告知しているので、要チェックだ(編集部註:リンクをクリックするとTwitterのサイトに飛びます。Twitterのアカウントを持っていなくてもツイートを見ることができます)。
水曜定休なので、そこは要注意!
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