■比較的安価に作られたモデルを振り返る
一般的に自動車メーカーが新型車を開発するには、膨大な時間と労力、そして莫大な費用がかかります。それらの規模は車種によって異なりますが、シャシからエンジンまで新開発するようなケースでは、開発費は数百億円から1千億円規模に達することも珍しくありません。
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一方で、すべてのモデルにそれほど開発費がかけられないため、シャシやエンジンなど主要なコンポーネンツを他のモデルと共有することで、時間と開発費の削減が図られますが、さらに大胆な手法で開発されたモデルも存在。
そこで、斬新な発想でつくられたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●マツダ「ロードスタークーペ」
1989年に発売されたオープンカーのマツダ「ロードスター」は、いまでは日本を代表するスポーツカーの1台です。
このロードスターにはユニークな派生車があり、それが1998年に発売された2代目ロードスターをベースとした「ロードスタークーペ」です。
マツダは初代ロードスターの誕生以来、クーペモデルの検討をおこなっていたといい、2代目にして実現することになりました。
ロードスタークーペは2003年に発売。生産はマツダの関連会社「マツダE&T」が担当し、量産ラインで生産されたシャシや、流用できる部品を抜き取ってマツダE&Tに搬入して組み立てがおこなわれました。
実際の生産では、スタンダードなロードスターのシャシに、専用にプレスしたルーフやリアフェンダーなどを手作業で溶接。
ボディパネルが増えることで懸念された重量増も10kgほどに抑えることができ、ロードスターのコンセプトである「人馬一体」も守られました。
なお、こうした手法でクーペを作ることは珍しくなく、かつての英国車や、近年ではダイハツ「コペン」もオープンカーをベースにしたクーペを限定販売しました。
●スバル「ドミンゴ」
スバルは2018年に「エクシーガ クロスオーバー7」の生産を終えたため、現在、国内市場で3列シート車の販売から撤退していますが、かつて軽自動車ベースの7人乗り1BOXワゴンをつくっていたことがあります。
いまのミニバンが登場する以前は、3列シートの多人数車といえば1BOXタイプが主流で、各メーカーとも商用車である1BOXバンをベースに乗用車化するのが一般的でした。
そこでスバルは、軽1BOXワゴンに手を加えて3列シート車つくろうと考え、1983年に発売したのが「ドミンゴ」です。
4人乗りの軽1BOXワゴン「サンバートライ」の荷室部分に3列目シートを載せ全幅を拡大。フロント部分のデザインを変えて全長を伸ばし、1リッターエンジンをリアに搭載するRRとなっていました。
基本的なコンポーネンツはサンバーと共通とすることで、価格を安価に設定してドミンゴは商業的にも成功し、1994年には2代目が発売。海外にも輸出されていたので、軽自動車をベースとしながらもグローバルカーとなったのです。
また、2代目ではキャンピングカー仕様もつくられるなど、レジャーカーとしても需要がありました。
この手法は他メーカーでもおこなわれ、ダイハツ「アトレー7」、スズキ「エブリイランディ」、三菱「タウンボックスワイド」などがありましたが、現在はどのモデルも販売を終了しています。
■メーカー謹製の顔面スワップ車とは!?
●ホンダ「インテグラSJ」
ホンダは1970年代の終わりから販売チャネルの拡充をおこない、かつては「プリモ店」「クリオ店」「ベルノ店」と、3つのチャネルを展開していました。
プリモ店では「シビック」が主力で、クリオ店では「アコード」、ベルノ店では「プレリュード」や「CR-X」といったスポーティなモデルを中心に販売していて、「インテグラ」もベルノ店で扱っていたモデルです。
インテグラは「タイプR」に代表されるスポーティなモデルとして人気を博していましたが、ユニークな派生車として1996年にセダンの「インテグラSJ」が登場。
インテグラSJは同時期に販売されていた4ドアセダンの「シビックフェリオ」のボディをベースとし、ボディパネルの多くと内装もシビックフェリオと共通でした。
さらにフロントマスクは、ステーションワゴンの「オルティア」から流用するなど、新規で開発するパーツを極力削減しています。
エンジンも既存の1.5リッター直列4気筒のみで、VTECとスタンダードなシリンダーヘッドの2種類をラインナップ。トランスミッションは5速MTとCVT、4速ATが設定されました。
インテグラSJのコンセプトは「フォーマルなセダン」でしたが、内外装からはとくに高級感を感じ取れることはなく、シビックフェリオと比べて存在感が薄かったため販売は低迷し、2001年に販売を終了。
現在、インテグラSJの現存数は非常に少なく、稀代の珍車として記録よりも記憶に残るモデルとなっています。
※ ※ ※
共通のシャシ(プラットフォーム)を利用して異なるボディを架装する手法は、古くから各メーカーが採用してきましたが、現在はさらに進んでモジュール化が一般的になりつつあります。
モジュール化はクルマを各セクションに分け、それを複数用意して組み合わせることで、開発期間とコストの削減をおこなうものです。
こうした取り組みはユーザーには見えない部分でおこなわれていますが、クルマの開発手法は日々進化しているということです。
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