ご存じの通り、ひとつのモデルにはさまざまなグレードが用意されている。トップグレードならばそりゃなんでも付いて至れり尽くせりだが、当然値段は張る。かといって廉価グレードは、やっぱり不安が残る。
そんな「どっちもなあ…」の末に落ち着く先が「中間グレード」になるわけだが、中間グレードも「中間」というだけあって選択肢が広いのだ。ならばどれがお買い得なのか?
【種類多すぎでも選びたい!!】今こそ復活を!!「数」で勝負した車たちの奮闘
そこで今回はトヨタ車・ホンダ車人気モデル・12車の中間グレードから、『オススメのお買い得グレード』を指南! 指南役は年中カタログとにらめっこしているコスパの鬼・渡辺陽一郎氏だ!
※本稿は2019年3月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年4月10日号
■中級グレードは価格が割安に抑えられる傾向アリ!!
大半の乗用車には、複数の「グレード」が用意される。グレードに応じて、エンジン、装備、価格などが異なり、クルマを買う時は車種の次にグレードを決める。
グレードは、車種と同じように、使い方、好み、予算に応じて選べばよい。車種によってはグレードと併せてメーカーオプションも用意され、上級グレードと同じ装備を中級グレードに装着できたりする。グレードとオプションを使い分けながら、自分に最適な仕様を作るわけだ。
そして中級グレードは、機能や装備に対して、価格を割安に抑える傾向が強い。買い得感をアピールして、大量に売るためだ。中級の買い得グレードに標準装着されるものは、緊急自動ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドランプ、キーを携帯していればスイッチ操作でエンジンの始動や停止が行える機能などが挙げられる。いずれも実用性が高い。
ミニバンのように後席のドアをスライド式にした車種では、左側に電動機能を標準装着して、右側はオプションというパターンも多い。
トップグレードだけに目を奪われてはいけない!
特に軽自動車/コンパクト/ミニバンは、ライバル同士の競争が激しいから、買い得グレードが狭い価格帯に集まる。N-BOXのような全高が1700mmを超える軽自動車は140万~150万円、フィットなど1.3L前後のエンジンを搭載したコンパクトカーは150万~170万円、セレナのようなミドルサイズミニバンは250万~270万円という具合だ(いずれも標準ボディ)。最近はエアロパーツを備えたグレードも人気で、価格帯が広がったが、価格競争は依然激しい。
販売台数が多い車種は、法人が社用車にしたり、レンタカーやカーシェアリングにも使われるから安いグレードも用意する。これらは装備が簡素だから、一般ユーザーには物足りない。そこで買い得グレードは中級に位置する。
またクルマに装着される装備の製造原価は、想像以上に安い。従って装備を省いても、コストと価格はあまり下げられない。最廉価グレードは、安さ以上に装備の貧弱さが目立ってしまう。そうなると大量生産される割安な装備を多く備えたグレードが、高機能で価格も安く買い得になる。これらの買い得グレードは、下から数えて2~3番目に設定されることが多い。
なお最近は、安全装備や環境性能の向上でクルマの価格が高まったが、平均給与は1990年代の終盤をピークに下降したままだ。直近では少し上向いたが、20年前の水準には戻っていない。今のようなクルマの購入が難しい時代には、中級の買い得グレードが、従来以上に大切になる。
■トヨタ クラウンハイブリッド
●オススメグレード/2.5S・Cパッケージ(価格:515万7000円)
トヨタ クラウン
2.5Lと3.5Lのハイブリッド、2Lのターボが用意される。2.5Lハイブリッドを搭載したスポーティなRSが人気だが、機能や装備のわりに価格を抑えた買い得グレードは、2.5LハイブリッドのS・Cパッケージだ。
Cパッケージは17万8200円の価格上昇で、ブラインドスポットモニターなど高機能な装備を充実させた。ハイブリッドはエコカー減税も免税だから購入予算を節約できる。
■ホンダ N-BOX
●オススメグレード/G・Lホンダセンシング(価格:149万9040円)
ホンダ N-BOX
エアロパーツを備えたカスタムもあるが、機能や装備のわりに価格が安いのは標準ボディだ。G・Lホンダセンシングは、Gホンダセンシングに、左側スライドドアの電動機能、ロールサンシェードなど13万円相当の装備を加えて、価格上昇は11万3400円に抑えた。
スペーシアやタントの買い得グレードは140~150万円に集まり、N-BOXのG・Lホンダセンシングも149万9040円とした。
■トヨタ C-HR
●オススメグレード/2WD・S・LEDパッケージ(価格:267万円)
トヨタ C-HR
1.2Lのターボエンジンも選べるが、C-HRではハイブリッドが買い得だ。価格は1.2Lターボに比べて32万4000円高いが、エコカー減税の違いで差額は23万円に縮まる。
さらにハイブリッドは燃料代も半額だから、約4.6万kmを走ると、23万円の実質差額を燃料代の節約で取り戻せる。グレードは特別仕様車を発展させたS・LEDパッケージが、充実装備で割安だ。
■ホンダ ヴェゼル
●オススメグレード/4WDハイブリッドXホンダセンシング(価格:253万9000円)
ホンダ ヴェゼル
ヴェゼルはハイブリッドを選ぶ。1.5Lの直噴エンジンにモーターを組み合わせ、7速の有段AT(DCT)も併用してスポーティな走りを楽しめる。駆動方式はSUVだから4WDを推奨する。
グレードはハイブリッドXホンダセンシングだ。ハイブリッドホンダセンシングに、サイド&カーテンエアバッグやアルミホイールなど13万円相当の装備を加えて、価格上昇は7万9000円に抑えた。
■トヨタ シエンタ
●オススメグレード/1.5G・7人乗り(価格:202万680円)
2列シートも選べるが、機能と価格のバランスを考えると3列シートが割安だ。そもそもシエンタは低床設計で、3列目を2列目の下側に格納できる。2列よりも3列シートに機能的なメリットが多い。グレードは中級のGを選ぶ。
Xに緊急自動ブレーキのトヨタセーフティセンス、右側スライドドアの電動機能など、ニーズの高い装備を加えて価格上昇は20万4120円とした。
■トヨタ ヴォクシー
●オススメグレード/X・7人乗り(価格:254万160円)
ハイブリッドは動力性能が不足気味だから、2Lのノーマルエンジン車を選ぶ。グレードはXの7人乗りがよい。
2列目がセパレートタイプになって3列目への移動もしやすく、装備では緊急自動ブレーキのトヨタセーフティセンスやオートエアコン&リアクーラーなどを装着する。価格は254万160円だから、2Lエンジンを搭載する背の高いミドルサイズミニバンでは安い部類に入る。
■ホンダ ステップワゴン
●オススメグレード/1.5スパーダホンダセンシング(価格:285万2280円)
ハイブリッドは機能が複雑だから、価格は装備差を補正しても50万円近く高い。そこで割安な1.5Lターボを選ぶ。グレードはエアロパーツを備えたスパーダホンダセンシングがよい。
標準ボディと違って2017年9月に大幅な改良を受け、フロントマスクなどを刷新させた。数年後に売却する時も有利だ。価格は285万2280円で、クルーズコントロールなどの運転支援機能も充実する。
■トヨタ ヴィッツ
●オススメグレード/1.3F(価格:148万1760円)
トヨタ ヴィッツ
エンジンは直列3気筒1L、直列4気筒1.3L、1.5Lハイブリッドがある。1Lは動力性能が低く、エンジンノイズは大きい。しかも燃費は1.3Lよりも悪い。そこで1.3Lの「F」を選ぶ。
1.0Fスマートストップパッケージに比べて7万6680円高いが、後席の分割可倒機能なども備わり、1.3Fは実質6万円で1気筒/300ccが増量される。これは買い得だ。またハイブリッドは燃費数値のわりに価格が高い。
■ホンダ フリード
●オススメグレード/Gホンダセンシング・6人乗り(価格:210万円)
ホンダ フリード
2列シートのフリードプラスもあるが、機能や装備のわりに価格が安いのは3列シートだ。エンジンはノーマルタイプを選ぶ。ハイブリッドと違って直噴式だから動力性能が高い。
グレードはGホンダセンシングだ。Gに比べて12万円高いが、右側スライドドアの電動機能とマルチインフォメーションディスプレイも加わる。従って安全装備のホンダセンシングは実質5万5000円で装着される。
■トヨタ アクア
●オススメグレード/S(価格:188万6760円)
トヨタ アクア
LはJC08モード燃費が38km/Lに達するが、後席側のパワーウィンドウ、リアワイパー、ステアリングのテレスコピック機能などを省いた。ウィンドウガラスの遮音材も一部カットされるからノイズも大きめだ。
買い得グレードはSになる。Lに前述の実用装備を加えて、価格上昇は10万1520円に抑えた。SUV風のクロスオーバーも割安だ。Gに5万円相当の装備を加えて、価格は同額になる。
■トヨタ プリウス
トヨタ プリウス
●オススメグレード/S(価格:256万5000円)
価格が最も安いEは、燃費スペシャル的な低コストのグレードだ。リアスタビライザー、トノカバー、リアワイパーなどを省き、遮音性能も下がる。装備や走りの質に不満があって推奨できない。
買い得グレードはSだ。前述の品目を含めてEに11万円相当の装備が加わり、価格上昇は4万6440円に抑えた。また先ごろの改良で緊急自動ブレーキが標準装着され、さらに割安になった。
■ホンダ フィット
●オススメグレード/13G・Lホンダセンシング(価格:165万3480円)
ホンダ フィット
1.5Lエンジンやハイブリッドも用意するが、1.3Lを搭載する13G・Lホンダセンシングが買い得だ。ボディが軽いから動力性能に余裕があり、JC08モード燃費は24.6km/Lとなる。
ハイブリッドLホンダセンシングが34km/Lだから、比率にすれば1.3Lの数値はハイブリッドの72%に達する。緊急自動ブレーキに加えてLEDヘッドランプなども装着され、価格は165万円少々だ。
■トヨタ ルーミー
●オススメグレード/X “S”(価格:152万8200円)
トヨタ ルーミー
長距離を移動したり登坂路を走る機会が多いならターボを検討したいが、街中を中心に使う場合はノーマルエンジンがよい。価格の割安感が重要な車種でもあるから、グレードはベーシックなX・Sを選ぶ。
緊急自動ブレーキ、左側スライドドアの電動機能、キーフリーシステムなどを標準装着して価格は152万8200円だ。ヴィッツ1.3Fに比べて約5万円の上乗せで、広い室内を得られる。
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