※この記事は2007年9月に発売された「VW GOLF FAN Vol.13」から転載されたものです。
ワゴンがこんなにカタくていいの?
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ゴルフ・ヴァリアントに設定されるエンジンは2タイプ。まずは170ps&24.5kg-mを発揮するコンフォートラインの1.4LツインチャージャーTSI。ゴルフGT TSIから始まったお馴染みのエンジンである。もうひとつは200ps&24.6kg-mという、なかなか刺激的なスペックを誇る、スポーツラインの2.0LターボTSIだ。このキャラクターの異なる2つのTSIエンジンの燃費と走りをじっくりと検証するべく、伊勢へのツーリングに旅立った。
先に試乗したのはスポーツライン。早朝の東京駅を出発し、都内を抜けて東名高速へと向かう。いきなり感じたのは2ターボTSIの劇的な速さと、ちょっとまいるくらいの足回りのカタさ。スポーツラインに採用されるスポーツサスと、225/45R17サイズのタイヤによる足回りは思った以上にハード。横断歩道や首都高の道路の継ぎ目を乗り越えるたびにショックがゴツゴツと響き、「ワゴンがこんなにカタくていいのか?」的な印象を持ったまま走り続ける。
そして、箱根に寄り道してワインディングに突入。ここではステーションワゴンとは思えないほどの、かなり飛ばしてコーナーに入っても粘って曲がるスポーツサスの特性をよく体感できたが、「そもそもワゴンってこんなに飛ばさないんじゃ……」と、まだカタさによるネガな要素は拭い切れなかった。まあ、これは後でコンフォートラインと乗り比べて、良い部分として昇華していったのだけれど。
箱根からはコンフォートラインに乗り換え、御殿場ICから東名に入り、高速域での燃費テストを行なった。カタさに「?」を感じていたスポーツラインの後だと、コンフォートラインははるかに快適。ワゴンらしいスマートな乗り心地で、かといって箱根のコーナーでもよく粘ってくれる。
高速走行時の安定感もよく、東名・富士川SAから知多半島道路・半田中央ICまで約220kmの高速走行もほとんど疲れ知らず。また、1.4LツインチャージャーTSIは、約1.5トンの重いボディをレスポンスよく走らせてくれる。100km/h巡航はもちろん、追い越し車線に出て加速しても、鈍いと感じることは一切なかった。
スポーツラインの速さはロングドライブで有利!
愛知県・半田駅近辺のガソリンスタンドで給油すると、満タン法でコンフォートラインが約5km/Lも良い燃費を記録。10.15モード燃費がコンフォートライン:14.0km/L、スポーツライン:11.2km/Lであるように、燃費性能に優れる1.4L TSIを搭載するコンフォートラインの方が良くなるのは当然のことだ。100km/hでの回転数は100rpmほどスポーツラインの方が多く回り、なおかつ高速域からさらに加速する際にターボが効くレスポンスも圧倒的に鋭いからして、スポーツラインの方が(言い方は悪いが)ガソリンを使いそうな走り方をしている。
こうした走りの印象は、知多半島の街中や、ひっそりとした雰囲気の早朝の伊勢神宮周辺、(鳥羽よりフェリーで伊勢湾を渡って)伊良湖岬から東名・豊橋ICへと北上する海沿いののどかな国道などの市街地走行でも、朝熊ヶ岳山頂からの眺めがとにかく素晴らしい伊勢志摩スカイラインのワインディングでも同様。
各シチュエーションでチェックした燃費計数値にも差が顕著に現れていたし、給油すればスポーツラインの方が必ず多くガソリンが入った。 だけどその分、スポーツラインはコンフォートラインよりもすこぶる速い。ストップ&ゴーの多い一般道ではすぐに加速してスイスイ走れ、ワインディングの上りではまだまだ速く走れるマージンをタップリ感じさせながらグイグイと登る。また、この速さは長距離の高速走行でも実に有効だった。
2日目は東名をハイペースで走ったのだが、旅に出たのは8月7日~8日。夏休み旅行のクルマと盆休み前でせわしいトラックとで、東名の流れは良くなかった。走行車線をリードし続けることはあまりできず、トラックで車線がふさがって70km/h近くまで減速し、抜けたら加速、というシーンに何度も遭遇。こうした状況で長い距離を走ると相当に疲れるのだが、スポーツラインは実に俊敏に加速してくれるため、コンフォートラインで走った1日目の高速ロングドライブよりも明らかに走っていてラクだったのである。
もちろん、先述のようにコンフォートラインに高速走行の不満はまるでないが、ことスポーツラインとロングドライブでシビアに乗り比べると、重いワゴンをツインチャージャーで頑張って動かしているという感覚をどうしても覚えてしまう。対してスポーツラインはアクセルを踏み込むと、前から強烈な力でグーンッと引っ張ってくれるような〝軽い速さ?のイメージでゴルフ・ヴァリアントをスピーディに走らせてくれるのだ。ちなみに最初にあれだけカタく感じていた足回りは、最終的にそれほどでもなくなっていた。速さの利点が身に染みた効果もあるだろうが、“慣れ”も早いようだ。
ランニングコストでは断然コンフォートライン
燃費的に見れば、コンフォートラインの方が良いことは一目瞭然。購入後のランニングコストまで考えて選ぶなら、間違いなくこちらだ。1.4L TSIでも特に不足はないどころか、他のステーションワゴンと比べれば十分に速く、快適に走れる実力もある。
そしてスポーツラインが気になる人は、燃費には多少目をつぶろう。2.0Lターボによる軽快で俊敏な走りは、どうしたって1.4L TSIほどには燃費との両立はできないからだ。とはいえ、スポーツラインには他では味わえない速く走れる楽しさ、その速さによってもたらされる“軽さ”がある。それを享受したいなら、スポーツラインは絶好の選択肢だ。
コンフォートラインが全勝いわば順当な結果となった
今回の燃費計測は満タン法を主体に、付加要素としてマルチファンクション・インジゲーターの燃費計数値チェックも行なった。シチュエーションは高速道路(100km/h巡航、ハイペース)、市街地、ワインディングを走り、さらには渋滞(約4kmを30分)まで経験できるなど、実用域に近いものになったと思う。
そして下表の通り、もともと燃費性能に勝るコンフォートラインが全行程で優秀な数値を記録。と、まぁいわば順当な結果となった。両車の燃費差が最も縮まったのは市街地。ストップ&ゴーが頻繁にある状況では、コンフォートラインのツインチャージャーのアシストもよく働くから、燃費が落ちやすいのだろう。
伊勢ロングツーリングの総走行距離は1000kmを軽々とオーバー。両車とも満タン法で11km/Lを超える燃費だったから、単純に計算すれば、今回の距離なら1回の給油でギリギリ乗り切れることになる。1.5トン近い、重いワゴンボディを考えると立派な結果だ。
燃費計測結果 満タン法の総合燃費の差は0.56km/ 。思った以上に差が少なかったが、これは高速道路でハイペース走行が多かったことが影響しているかもしれない。80~100km/h巡航をもっと多くできていれば、コンフォートラインの燃費はさらに良くなったと思われる。
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