200系最後の改良となるか?
登場は2004年8月とまもなく18年目を迎える200系トヨタ・ハイエース。しかし未だに高い人気を誇り続けているのはご存知のとおりだ。
【画像】300系はセミボンネットスタイルに?【海外版ハイエース/グランエースを比較】 全129枚
すでに日本国外では2019年から300系と呼ばれる新型が販売されているが、200系のようにキャブオーバータイプではなく、セミボンネットを持つスタイルとなったことで日本への導入は現在のところ見送られている(300系ハイエースをベースとしたグランエースのみが日本で販売中)。
そんなハイエースであるが、この4月に何かしらの動きがあるということで、早速首都圏のディーラーに足を運びリサーチをすることにした。
それによると今回の動きはフルモデルチェンジではなく、一部改良であることが判明した。
ライバル関係にある日産キャラバンは、先んじて車名をNV350キャラバンから慣れ親しんだキャラバンへと戻し、トランスミッションを7速ATへと多段化。
さらにディーゼルエンジンは新たにアライアンスを組む三菱製のものに置き換えるといった大型アップデートをおこなっている。
そのためそれに対抗する改良なのかと思いきや、どうやら法規制に対応するための改良が中心となるようだ。
それではどのような改良がなされるのか、今回の聞き取り調査で確認できた範囲でご紹介していこう。
キャラバンよりも小さな改良
今回の改良で比較的大きな部分となるのが、排出ガス規制に適合するためにディーゼルエンジンモデルで燃費の向上と、尿素SCR液(アドブルー)のタンク容量が拡大されたこと。そしてアドブルーの残量表示がマルチインフォメーションディスプレイに表示されるようになったことだろう。
カタログ値での燃費向上は1km/L未満にとどまるようだが、アドブルーの残量表示については従来型は「走行可能距離が2000kmになると警告灯が点灯する」というあいまいなものから変更となるため、使い勝手の向上という意味では歓迎したいところ。
また騒音対策としてはエンジン周りに吸音材が追加されるようで、これは乗車する側にとっても騒音が小さくなるという恩恵があるかもしれない。
どういったパーツ構成になるのかは不明だが、従来型ユーザーには新たな純正流用アップグレードのネタになりそうだ。
今回の法対応に関するハイエースの改良は以上となるようで、先行して改良されたキャラバンに比べると小さな範囲での改良という感は否めないが、裏を返せばそれでもなお圧倒的な人気を誇るハイエースだから、不必要に大きく変更する必要がないということなのかもしれない。
ただ、これ以外にも細かな部分での変更もあるようで、事項では法対応以外の改良についてチェックしてみたい。
新型までのつなぎ?
今回の改良では視認性に関わるフロントフォグランプがLEDへと置き換えられて小型化されるほか、2万8600円のメーカーオプションだった「インテリジェントクリアランスソナー」が標準装備となる。
また寒冷地仕様を選択すると、新たにフロントのワイパーブレードの凍結を解消する「フロントシールドデアイサー」が追加される点もありがたい機能といえる。
従来のハイエースでも寒冷地仕様を選択するとバッテリーやヒーターにPTCヒーターが追加されるほか、スライドドアやバックドアが凍結して開閉できなくならないようにするモールディングや、雪などで滑りにくくするためのステップカバーなどが用意されていたが(仕様毎に異なるが)これでさらに寒冷地仕様の装備が充実したことになる。
そのほかの変更点ではボディカラーの「ダークブルーマイカメタリック」が廃止となり、全6色から全5色へと選択肢が減少する。
ダークブルーマイカメタリックは、改良前のスーパーGLのカタログ表紙にも同色の車両が掲載されるなど、人気色のイメージが強いカラーだっただけに意外な印象だ。
このように法対応の改良が中心となるハイエースだが、一部改良が入ったからといって新型がすぐ出ないという判断をするのは早いかもしれない。
なぜなら登場から18年が経過しようとしているにもかかわらず、売れ続けているハイエースはいわばドル箱で、新法規に対応できないからといって新型が登場するまで販売しないというのはもったいなさ過ぎるからだ。
そのため新型登場までのわずかな期間は、キャラバンとは異なり最小限の変更で対応しようとしているのかもしれない。
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みんなのコメント
そこにはHV、EVも含めて。