日本でのID.シリーズは現状ID.4のみだが、本国ではID.3から順にラインナップを拡大している。その中でもっとも上級なモデルとなるのが全長5m近くに迫る大型5ドアセダンのID.7である。その走りは意外なほど軽快で、かつフォルクスワーゲンらしい味わいだった。(モーターマガジン2024年2月号より)
空力特性に優れたボディや駆動系の効率を向上
2019年にフォルクスワーゲンがID.3を登場させてから間もなく5年目を迎える。打倒テスラを目標に、電動化に向けて440億ユーロ(およそ5兆8千億円)もの投資を行い、これまでに7機種のID.シリーズを市場に送り込んだが、世界市場ではもちろんお膝元のドイツでもテスラが相変わらず大きな存在感を示している。1月から11月の販売台数を見てもモデルYとモデル3を合わせて計5万2319台、一方フォルクスワーゲンはID.3、4、5を合わせても計3万4077台と大差をつけられている。
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今回登場したID.7はこうしたテスラへの対抗馬で、これまでのID.シリーズの頂点に立つ、力の入ったモデルである。ボディサイズは全長4961×全幅1862×全高1520mm、ホイールベース2971mmの5ドアハッチバックセダンでID.シリーズ中ではもっとも大きく、BMW i5やメルセデス・ベンツ EQEに匹敵する大きさとなる。
今回試乗したグレード「プロ」は後輪駆動(RWD)で最高出力286ps、最大トルク545Nm、車両重量2172kgである。また床下に搭載されるバッテリーの容量は77kWhで航続距離は最大で621kmに達する。この長さを達成した理由のひとつにCd値0.23と空力特性に優れたボディや駆動系の効率向上が上げられる。
エクステリアデザインは横長のヘッドライトやフロントエンドを横切るLEDライトにより、ひと目でID.ファミリーであることがわかる。だがID.3に比べると全長は7cm長いためスタイリッシュで、落ち着いたアッパーミドルクラスの雰囲気を漂わせている。
インテリアは運転席正面に情報を見やすく表示したデジタルディスプレイ、ダッシュボード中央に15インチのインフォテインメントタッチパネルがレイアウトされている。パネル操作は直感的で素早い操作が可能になったり、ARヘッドアップディスプレイが用意されるなど明らかにこれまでのID.シリーズよりもワンランク上の装備が用意されている。さらにエアコンシステムは快適性への配慮が行き届いており、かつての最上級セダン“フェートン”のようにパッセンジャーの顔に風が直接当たらないようになっている。
いかにもフォルクスワーゲンらしいBEVに初めて出会った
いよいよスタート! といつものようにスタートボタンを探すが、見当たらない。実はID.7は運転席に座ってシートベルトをロックするとすでにスタンバイとなり、あとはコラムから伸びたドライブセレクターの先端を前方に回してDポジションにするだけだ。
走り出してすぐに気がついたのは全長5mに近いサイズにもかかわらず小回りがよく利くということだ。スペック上の最小回転直径は10.9mと、ほぼ同じサイズのBMW i5が12.3m、メルセデス・ベンツ EQEが12.5mであることを考えると驚くべき性能である。
これはID.7がRWDであることから、舵角をとるスペースを多く確保することができるためだ。また路面情報を正しくフィードバックするステアフィールによってワインディングロードではまるでミドルクラスのスポーツセダンのように軽快なハンドリングを見せた。一方、高速道路では長いホイールベースのおかげで快適かつ上質な乗り心地を提供してくれた。
ID.7の価格はドイツでは5万6995ユーロ(約935万円)と決して安くはない。だだし、完成度が高いうえ長く付き合えそうな、まさにBEVのパサートのような、いかにもフォルクスワーゲンの品質と使いやすさを持った初めてのBEVであると感じた。
将来的には86kWhの大容量バッテリーを搭載するグレード「プロS」や同社のBEV初となるワゴンバージョン「ツアラー」も登場する予定でこちらも楽しみである。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)
■フォルクスワーゲン ID.7 プロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4961×1862×1520mm
●ホイールベース:2971mm
●車両重量:2172kg
●種類:交流同期電動機
●最高出力:210kW(286ps)
●最大トルク:545Nm(55.6kgm)
●駆動用電池種類:リチウムイオン
●総電圧:350V
●総電力量:77kWh
●一充電走行距離(WLTPモード):621km
●交流電力量消費率(WLTPモード):142Wh/km
●最高速度:180km/h
●0→100km/h加速:6.5sec
●駆動方式:RWD
※EU準拠
[ アルバム : フォルクスワーゲン ID.7 プロ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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