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なぜトヨタは「クラウン」のブランド化を始めた? 初の車種専門店を展開の訳… 今後4車種から拡充あるか

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なぜトヨタは「クラウン」のブランド化を始めた? 初の車種専門店を展開の訳… 今後4車種から拡充あるか

■トヨタが初のブランド専門店「THE CROWN」をオープン、なぜ?

 2023年10月6日、トヨタはクラウン専門店を全国で展開すると発表しました。その名は「THE CROWN」。
 
 なぜトヨタは初の車種ブランド専門店を展開するのでしょうか。

【画像】「えっ…!」これがワゴンとSUVを融合した「クラウンエステート」です(50枚以上)

 2022年7月に16代目となったトヨタの「クラウンシリーズ」。

 2022年9月に第一弾の「クラウンクロスオーバー」、そして2023年10月6日に第二弾となる「クラウンスポーツ」が登場し、そのタイミングで驚きの事実が明らかになりました。

 それがクラウン専門店「THE CROWN」の設立と全国展開です。

 そう聞いて、「確かに新しいクラウンは4車系あるが、それで専門店というのはかなり思い切った話ではないか?」とか、「レクサス店と競合することはないのだろうか?」という素朴な疑問を持つ人も少なくないでしょう。

 また、他の日系メーカーでもこれまで、国内市場で高級ブランド専門店導入を模索してきましたが、結局導入に至っていないのが実状ですので、クラウン専門店の将来を案ずる人もいるでしょう。

 例えば、アキュラについてホンダは一時、国内展開を予告したのですが市場状況を精査した結果、それを撤回しています。

 また、インフィニティについて、日産幹部は何度も国内展開の可能性を示唆してきましたが、こうした話が具体化することはありませんでした。

 別の視点では、BEVシフトによって、海外ブランドではオンライン販売を強化する動きも出てきているところです。

 より激化、さらに複雑化する国内高級車市場において、トヨタが同初の車種ブランド専門店を全国展開することは、国内市場全体において極めて大きなインパクトがあると思います。

 そこで「THE CROWN」について、トヨタが2023年10月6日に東京六本木ヒルズで実施した、「クラウンスポーツ」発表に伴う記者会見。

 その後に実施された「THE CROWN 横浜都筑」視察で、トヨタ本社およびトヨタ販売会社の関係者から詳しい話を聞いてみました。

 まず「THE CROWN」の企画が始まったのは2021年秋頃とのこと。

 その時期は、2022年7月15日の新型クラウンのワールドプレミアに向けて「クロスオーバー」「セダン」「スポーツ」そして「エステート」という4車系を国や地域の市場特性に沿った形で展開する方針が、トヨタ社内で最終調整に入っていたものと推測されます。

 その上で、日本ではそれら4車系を時間差で市場投入することになり、トヨタとしては全国のトヨタ販売会社との間で「ブランドとしてのクラウンの在り方」についての協議が段階的に始まったと言えます。

 また、2021年秋といえば、トヨタの「全販売店全車種併売化」がスタートして1年を過ぎた頃でもあります。

 トヨタの「全販売店全車種併売化」とは、全国にあるトヨタのどのお店でも、トヨタフルラインアップの中から好きなクルマを選んで購入できることを指します。

 以前は、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店のそれぞれで、一部車種の除いて販売チャネル毎の専売モデルが数多くありました。

 こうした販売チャネル方式を、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリングなどの新サービス・電動化)の影響を受ける大きな時代変化の中で、販売戦略についても大きく変革するべき時期という決断をトヨタが下したのです。

 そうした中、全国のトヨタ販売会社としては、自社が持つ販売店の統廃合を含めた新たなる店舗展開の必要性が高まりました。

 さらにいえば、2020年からのコロナ禍によって、人々の「ライフスタイルに対する考え方」が大きく変化し、その影響はクルマにも及んだことは、ユーザーの皆さんも肌感覚で理解しているところでしょう。

 このような様々な要因から、「いまこそ、新たなるチャレンジに打って出る時期」という経営判断をしたトヨタの販売会社が現れました。

 その先駆けが今回視察した「The CROWN 横浜都筑(ウエインズトヨタ神奈川)」と「The CROWN福岡天神(福岡トヨタ)」となり、それぞれによる2023年10月6日の新規オープンにつながったと言えるでしょう。

 ウエインズトヨタグループ関係者は、グループ内でレクサスも展開していることも踏まえて「レクサス店とTHE CROWNとのユーザーのすみ分けは可能。これから様々なチャンレンジをしていく」と、トヨタ初となる車種ブランド専門店の可能性にかける前向きな姿勢を示しました。

 トヨタ関係者によると店舗のレイアウトなど「THE CROWN」はレクサス店と比べて「店舗への投資を行っていただく、トヨタ販売会社の独自性に対する自由度が大きい」と表現しています。

 今後、愛知トヨタ、トヨタモビリティ東京、そして千葉トヨタでも2024年前半から2024年度中にかけて「THE CROWN」を展開することが明らかになっています。
 
 なお、トヨタによれば「THE CROWN」はクラウン専門店ですが、クラウン購入者はご家族で他のトヨタ車を購入する場合も少なくないため、基本的にはトヨタ「全販売店全車種併売化」のルールに従い、クラウン以外の車種の購入も可能です。

 そのほか、クラウンのユースドカーも取扱います。

■クルマを売るだけじゃない新たな展開とは? クラウン群は4車種から拡大する?

 さて、「THE CROWN」の特徴として、トヨタでは「クラウンファンコミュニティや開発陣との交流を重視する」としています。

 特別納車プログラム、オーナーイベント、ライフスタイル体験などを企画予定です。
 
 こうした話を聞くと、ポルシェ「エクスペリエンスセンター」や、欧州系超高級車を扱うコーンズ・モータースが手がける会員制サーキット&リゾート施設「THE MAGARIGAWA CLUB」などに見られるような、クラウンによる走行体験を伴うファンミーティングに対する期待も高まります。

「ワクワクする走り」を強調する、クラウン4車系では「思い切って走れる環境」が求められます。

 この点についてトヨタ関係者は「すでに、富士スピードウェイホテルでの宿泊を含めた、富士スピードウェイでの走行体験プログラムの企画を考案中」と明かしてくれました。

 トヨタは「THE CROWN」開業に伴い、「THE CROWN」を拠点とした、クラウンファンコミュニティ「THE CROWN CLUB」の活動を開始します。

クラウンブランドサイトでの活動情報発信も活発に行われることになります。

 さらに気になるのは「クラウン4車系」の先の「さらなるモデル拡張」です。

 今後の製品計画であるため、トヨタ関係者らは明確な回答は控えたものの、トヨタが最近、「ランドクルーザー群」や「センチュリー(新モデル)」を含めた「ショーファーカー群」という観点で、クラウンに対しても「群」という考え方を強調しました。

 つまり、現在明らかになっている4車系の後続として、クラウンブランドの記号性にマッチする「他のクラウン」が登場する可能性は十分にあるものと考えられます。

 そうした「クラウン群の未来」を開拓する意味でも、「THE CROWN」はトヨタにとって、またトヨタ販売会社にとって極めて重要な拠点となることは間違いないでしょう。

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みんなのコメント

9件
  • ********
    良いと思いますけどね。
    買わない人たちが文句言っても無駄だし
    欲しい人はブランド化して選択肢が増えることは良い事。
  • 弾正
    ブランド化っていうか、シリーズ化
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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