乗りだし価格500万円はくだらない高級車にもかかわらず、大ヒットを飛ばしているトヨタ アルファード。だが、いざ買おうとなれば悩むのはグレード選びである。というのもガソリン・ハイブリッドを合わせると全17種類のあるのだった。そこで今回は一番オススメのグレードをご紹介! ちなみに最上級グレードよりも300万円近く安いモデルが買いであった。
筆者:青山尚暉/写真:トヨタ
お得な買い方がわかる!! 購入応援!! 人気車&新型車だけの徹底バイヤーズガイド【SUV編】
現行アルファードはデビューから7年目もランキング上位の常連
現行アルファードは2015年に登場。2018年のマイナーチェンジで内外装をリフレッシュ、とくにエクステリアデザインはオラオラ度が増し大人気に
アルファードの勢いが止まらない。現行型の4代目となるアルファードは、2015年1月の登場から早7年。しかしその存在感はますます高まるばかりだ。国産乗用車販売台数ランキングでも2022年1月9位、2月10位と、依然、ベスト10入りを果たしている。国産ハイエンドミニバンとして一般ユーザーの憧れの存在であるとともに、法人需要、VIP&芸能人御用達車としても絶大なる人気を維持し続けているのだ。
アルファードのキモは2列目にアリ! 中級モデルのS Cパッケージはコスパ最強
とはいえ、実際にアルファードの購入となると、悩ましいのがグレード選び。何しろ価格は最廉価のガソリン車のS 2WD 8人乗りの394.1万円から、最上級のハイブリッドのエグゼクティブラウンジS 7人乗りの775.2万円まで、約381万円ものワイドレンジなのである。ガソリン車とハイブリッドの違いは分かりやすいが、問題は装備、そしてアルファードの場合は2列目席の仕様がポイントとなる。
電動車時代の今ならハイブリッドモデルが候補に挙がりやすいが、しかし高価。ガソリン車とはグレードにもよるが、70万円以上(パワーユニットだけでなく装備の違いを含む)の差がある。で、ズバリ、アルファードをコスパで選ぶとすれば、ベストグレードはS Cパッケージになると断言したい。
現行モデルが大ヒットとなったのはエクステリアデザインにある。これまで高級感を押し出していたがド派手フェイスを手に入れたのだ
そもそも、現在のアルファード人気をさらに加速させたきっかけとなった、顔つきを激変させ、足回りや先進運転支援機能=トヨタセーフティセンスなどをアップデートした、2018年1月のビッグチェンジ時点ですでにもっとも売れ筋だったのが、2・5L NAエンジンを積むガソリン車のエアロ仕様、S Cパッケージだったのである。
現在の価格は2WD 7人乗りで468.16万円。同2・5Lエンジン搭載のアルファード最廉価モデルとなるX 2WD 8人乗りの359.7万円に対して約108万円高、ガソリン車のハイエンドモデルである3・5L V6エンジン搭載のエグゼクティブラウンジS 2WD 7人乗りと比較すれば約274万円安いグレードとなる。
S Cパッケージは装備も最上級グレードと大差なし!
では、アルファードS Cパッケージのどこがお買い得、ハイコスパのポイントなのか。それは装備類を見れば一目瞭然だ。
まず、アルファードの国産ハイエンドミニバンとしての贅沢感を味わうには、2列目席はキャプテンシートが絶対である。しかしXでは8人乗りの2列目ベンチシートしか選べないところに注目だ。
そして装備類に目を向けると、タイヤ&ホイールサイズは3・5L V6エンジンを積むSCと同じサイズ、デザインの235/50R18、18×7J(切削光輝・ブラック塗装)となって足元を引き締める(乗り心地重視ならメーカーオプションとしてインチダウンも可能)。これまたSCと同じ専用エアロパーツも装着されるのである。さらに3眼LEDヘッドランプ(ブラックエクステンション)、LEDシーケンシャルターンランプ、LEDコーナリングライト、UVカット&撥水機能付きウインドー、後席用サンシェード、運転席8ウェイパワーシートなどまで、エグゼクティブラウンジSと変わらないのである。
もっとも、肝心の2列目キャプテンシートはエグゼクティブラウンジのエグゼクティブラウンジシートではなく、アルファードの中で上から2番目となるエグゼクティブパワーシートになるのだが、その下にはリラックスキャプテンシート(新型ノア&ヴォクシーのストレート超ロングスライド機構とは違う、中寄せスライドによるロングスライドタイプ)もあるわけで、その贅沢感と豪華さある見映え、居心地、かけ心地はまさにVIP感覚そのものだ。
2列目シートに注目! S Cパッケージの快適性はピカイチだった
S Cパッケージは差上級グレードのシートとほとんど同じ機能を持っているのだ
細かい話をすれば、筆者の実測では、最上級グレードのエグゼクティブラウンジに備わるエグゼクティブラウンジシートは座面長510×座面幅520×シートバック高620mm。着座、立ち上がり性の良否に関わるフロアからシート座面先端までの高さ=ヒール段差355mm。
一方、S Cパッケージのエグゼクティブパワーシートは座面長525×座面幅505×シートバック高645mm。ヒール段差350mmと負けていない、どころか、差面長とシートバック高ではむしろ幅広く、高いのである。
どちらも自動車のシートとして極上のかけ心地が得られるのは(停止/良路において。路面によっては重量、重心の高さ、取り付け部剛性から、ベンチシート、リラックスキャプテンシートに対してひじ掛け部分の振動が気になる場面もある)もちろん、両シートともに水平から89度のリクライニングも可能で(リラックスキャプテンシートは同83度)、仮眠など、究極のリラックス感が得られる点も変わらない。
快適なうえにウォークスルー機能も! 家族ユースにはS Cパッケージが一番
最上級グレードの2列目はキャプテンシートでありながら、大型アームレストが備わるため、3列目へのウォークスルーができないのだった
だが、ファミリーユースにS Cパッケージの2列目エグゼクティブパワーシートを推すポイントがほかにある。それが、2-3列目席スルーの可否である。最上級グレードのエグゼクティブラウンジは多機能なひじ掛け部分を含め大柄で、2席がぴったり並んでいるため、2-3列目席スルーはできない。
一方、S Cパッケージのエグゼクティブパワーシートは左右のシート間に実測145mmのスルー空間があり、普通の体型、というか足の太さの人であれば、3列目席への車内移動も用意なのである。それができるできないの良否は使い方にもよるが、VIPでも3列目席に置いたコートや大荷物を取りに行く場面もないとは言えず、特にファミリーユースにおける車内移動の自由度、便利さという点では、エグゼクティブパワーシートのほうが上という見方もできるのである。
そもそもエグゼクティブパワーシートでも500mmのロングスライド、電動リクライニング&オットマン、木目調加飾の折り畳みテーブルを備えているから、いつも飛行機のファーストクラスしか乗らないVIPはともかく、一般ユーザーならそれでも贅沢、豪華すぎる、例えば子供やペットを座らせるにはもったいなさすぎるシートと言っていい。というわけで、コスパならガソリン車のS Cパッケージで決まり。どうしてもハイブリッドというなら、同基準の装備にAC100V/1500Wコンセントなどが加わり、2列目エグゼクティブパワーシートとなるSR Cパッケージ(572万円)になるだろうか。
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