日産最後のコンパクトFR! S15シルビアは何がすごかった?
生産終了から約20年が経過した現在でも高い人気を誇るS15シルビア。ドリフト競技ではいまだに第一線で活躍し、スポーツ走行を楽しむ一般ユーザーを見かけることも多いです。なぜこれほどまでに人気なのか? S15を振り返るとともにその人気の理由を紐解いていきましょう。
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人気を落としたS14の後継として登場
1999年1月にシルビア7代目のモデルとして登場。「S15」と今や多くのクルマ好きに親しまれている呼び名は、車両型式になります。シルビアは当初、スポーツカーというよりかは、GTカー的なキャラクターが強いスペシャリティカーとして開発されました。 しかし、5代目となるS13型で大きな転機を迎えました。バブル期となる1988年に登場したS13は、当時デートカーと呼ばれていたスペシャリティカーとしては珍しく、FRレイアウトを採用。当初のマーケティング上での狙いとしては、FRレイアウトを採用してスポーツ色を全面に押し出す狙いはありませんでした。しかし、当時コンパクトなFRモデルは減少傾向にあっただけに走り屋御用達車種となります。この影響が後のS14、S15へと続きました。 このような流れのなかで登場したS15は、S13やS14に比べるとスポーツ色を全面にアピールしたモデルとなりました。それがもっとも感じられるのがインテリアデザインです。タコメーターをセンターにレイアウトし、ホワイトメーターにオレンジのメーター照明といかにもスポーツカーというメーター周り。
さらにフロントピラーには52Φのブースト計(NAグレードは油圧計)が装備されている点も、走り屋をターゲットにしているのが存分に伝わってくるコクピットとなっていました。 見た目だけではなくメカニズムも進化。熟成が進んだSR20エンジンはターボ仕様で先代S14よりも30psアップの250psを発生。そこにシルビアとしては初の6速MTが組み合わされていました。
コンパクトな5ナンバーサイズで、ほどよいパワー&トルクを持つFRという希少なモデルでしたが、2002年8月に平成12年排出ガス規制の影響から生産終了となりました。なお、この排ガス規制は当時のターボスポーツカーには大きく影響を与えていて、シルビアのほかにもスカイラインGT-Rやスープラ、RX-7などが生産終了となりました。
限定車も数多く登場したS15シリーズ
ノーマルでも魅力的な存在だったS15ですが、さらに魅力的なスペシャルモデルや特別グレードなどが存在していました。
オーテックバージョン
S15の走りのグレードと言えばターボエンジンを搭載したspec-R系ですが、NAグレードであるspec-Sをベースにオーテックが手掛けたチューニンググレード、「オーテックバージョン」が1999年の10月からラインアップされていました。
NAながらノーマル比40psアップの200psを発生するチューニングエンジンを搭載。足まわりも専用サスペンションやspec-Rと同等のブレーキなどが用意され、気持ちよくNAのFRが楽しめる仕様となっていました。
ヴァリエッタ
2000年5月に登場したシルビアコンバーチブルヴァリエッタは、シルビアをベースにしたオープンモデル。
NAエンジンしか用意されませんでしたが、国産初のフルオープンタイプの電動メタルルーフを装備したモデルであり、スタイリッシュなS15のエクステリアデザインと相まって先進的な印象を受けるモデルでした。
Style-A
S13からの流れですっかり走り屋ターゲットのモデルへと進化したS15ですが、本来のシルビアらしいスペシャリティカーな路線に振ったモデルもありました。それが2000年10月に登場したStyle-Aです。
こちらもオーテックが手掛けたモデルで、エレガントな雰囲気の専用エアロパーツなどが装備されていました。インテリアもバリバリスポーツカーな通常グレードとは異なり、キャメルカラーの本革シートやインパネなどが装備されグッと大人な雰囲気の室内空間となっています。
人気の秘密はちょうどいいパッケージ
今日でも多くのスポーツ走行ユーザーから愛されているS15ですが、これほどまでに人気となった理由はその車両特性にあるでしょう。先に述べたようにほどよいパワー&トルクを持つコンパクトなFRという希少なパッケージも人気の理由にありますが、シルビア系は同年代のほかの国産RWDスポーツカーに比べると、リヤの流れ出しがとても穏やかという特徴を持ちます。この点がドリフトマシンのベースとして愛されている最大の理由でしょう。 また、比較的実用性のあるリヤシートを装備しているという点もメリットです。シルビアの原点はスポーツカーではなくスペシャリティカー、そのためリヤシートを備えているのが基本です。このリヤシートは人だけでなく荷物を載せる際も重宝します。自走で行って自走で帰るが基本の一般スポーツ走行ユーザーにとって、タイヤや工具を積むことができるリヤシートの存在はありがたいのです。(余談ですが86/BRZもタイヤの積載性を考慮して開発されました) S15は決して性能を一辺倒に追い求めたスポーツカーではありませんが、いい意味で中途半端なところが一般ユーザーにとって「痒い所に手が届く」という出来になったのです。
日産の庶民派スポーツの復活を願う
S15が生産終了となった時期に比べれば国産スポーツは充実したラインアップになっています。S15を生産していた日産もフラッグシップのGT-Rや、間もなく登場となる新型フェアレディZなどスポーツカーをラインアップし続けています。しかし、GT-RとZがラインアップされ続けているなかで、シルビアの名がないのは寂しいところ。現実問題、厳しいかもしれませんが、S15のような庶民派FRスポーツの復活を願いたいところです。
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みんなのコメント
この時期、もう生活上セダン必須になってしまっていましたが、
もう少し若かったらこれかインテを買っていたと思います。
だって楽しいでしょこのクラスの車は間違いなく。