遠藤イヅルが自身のイラストともに1980年代以降の趣味車、いわゆる"ヤングタイマー"なクルマを振り返るという、かつて小社WEBサイトでひっそり!? 連載していた伝説の連載、その進化版がこの『ボクらのヤングタイマー列伝』です。今回はなんとリライアント・シミターSS1です!? はい、いつも通りマニア度マックスで行きますヨ!
ボクらのヤングタイマー列伝第11回『トヨタ・セリカ』の記事はコチラから
ボクらのヤングタイマー列伝:第11回『トヨタ・セリカ』ゲレンデを駆け抜けた映画が印象的! “流面型”デザインのST165セリカ
このクルマ、パワーウインドーとかいらないよね。部品が増えれば増えるほど、壊れる率が高くなるもん!
ボクはフランス車のセダンとハッチバックを十数台、それと数台のイタリア車、北欧車を乗り継いでおりますが、実は英国車も大好きなのです。しかも、中でも俗にいう英国車の暗黒期……となる、1970年代後半から1980年代にかけての英国車が好みだったりします。この連載は担当と「次号は何にしましょう~」と話し合ってクルマを決めているのですが、「リライアント・シミターで行きましょう!」と決まったとき、心の中で小さくガッツポーズをしました(笑)。というのも、まさに1980年代英国車ド真ん中なのですもの!
ということで、リライアント・シミターの簡単なアウトラインを説明しましょう。日本にも正規輸入がされていたクルマなので、英国の少量生産スポーツカーにしては知名度が高いクルマだと思います。リライアントは樹脂製ボディのクルマが有名ですが、金型がいらない利点を活かして、1960年以降からトルコやイスラエル、インドやギリシャのメーカーに技術協力や車両開発を行っていたことはあまり知られていないかも。また、リライアントといえば前輪がひとつしかない奇異な小型車ロビン、そしてシューティングブレークの始祖的なモデルである2+2スポーツワゴン、シミターGTEなども思い浮かびます。
そんなリライアントが1984年に発表したスポーツカーが『シミターSS1』です。リライアントの代表的車種というイメージがありますが、実は2シーターの小型オープンカーは同社にとって最初のモデルでした。バックボーンフレームシャシーを持つ伝統的な英国製後輪駆動スポーツカーながら、その上に構築されたいかにも1980年代的カクカクの樹脂製ボディはイタリアのミケロッティがデザインを担当。今見ると現代のクルマよりもむしろ未来的な感じさえします。エンジン、灯火類は英国で手に入りやすい英国フォードなどのパーツを流用していたのも、英国製スポーツカーらしいところです。同じシミターの名を持つGTEはV6エンジンを積んだ高級GTで、SS1は手に入れやすいスモール・スポーツ(=SS)を意図していました。
ちなみに、かなり前の話ですがSS1を持っていた友人がいました。細かなトラブルに悩まされていた彼が言ったひとこと「このクルマ、パワーウインドーとかついてるけど、そういうの、いらないよね。部品が増えれば増えるほど、壊れる率が高くなるんだもん」は、今なお至言だと思っています(笑)。
なお、以前WEBで展開していた『ヤングタイマーもやっと列伝」でもシミターSS1を描いていますが、そちらは日産製CA18ETエンジン(135ps)を搭載した『1800Ti」だったので、今回は登場時の1.3/1.6リッター版にしてみました。ホイールも小さくて好ましいです。きっと、シンプルで壊れにくかったのではないでしょうか……(涙)。
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