実はいま、北米でパトカー車両のベストセラーの座に君臨するのは、ピックアップトラックのフォード「F-150 ポリス レスポンダー」。日本ではパトカーといえばトヨタ クラウンをはじめとしたセダンが常識で、その感覚からすると「何でパトカーなのにピックアップ?」と首をかしげるのは当然だろう。だが、そこには米国ならではの事情があった。
アメリカといえば、広大な大地。道路網が整備されているとはいえ、一歩市街地を外れれば、そこには未だ未舗装の大地が広がっており、様々な地形で現場に急行できる能力がパトカーには求められる。さらに、悪路や荒野が行手を遮る可能性もあることを考えれば、あらゆる装備を携行するのが当然で、この点でも積載性に優れたピックアップは一日の長があるというわけだ。それゆえ、フォードではメーカーとして唯一、パトカー専用グレードのピックアップをラインナップしている。そして、その最新バージョンがF-150 ポリス レスポンダーなのだ。
アメリカン・ベストセラーの「フォードF150」がフルモデルチェンジ!
しかも、事件現場に1秒でも早く到着し、時にはカーチェイスも繰り広げる警察車両だけに、ピックアップとはいえ、十分な走行性能も求められる。その点においてもフォードは完璧に手を打っている。何しろF-150 ポリス レスポンダーは、公的機関の走行テストで、居並ぶ他のパトカー専用モデルを上回る、最高レベルの成績を残しているのだ。
加速力は、0-60マイル/h(約96km/h)が5.4秒(競合モデル比-0.4秒)、0-100マイル/h(約161km/h)が13.1秒(同-0.8秒)というもの。さらに、最高速度もこれまでのピックアップの記録を15マイル/h(約24km/h)上回り、120マイル/h(約193km/h)に達する。専用チューンを受けた3.5Lエコブーストユニットと、前後トルク配分を自動調整するトルク・オン・デマンドAWDが生み出す瞬足に、追われる犯罪者も真っ青だろう。
走破性、積載性、そしてスポーツカー並の走行性能とあらゆるパフォーマンスを兼ね備えたF-150 ポリス レスポンダー。ピックアップだからといって侮らない方が良さそうだ。
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みんなのコメント
昔は自動車の性能が低かったから、セダンじゃないと高速走行時に安定しなかったかもだけど
今はワゴンでも十分に走るし、覆面パトカーを考えたらハッチバックの方が街に溶け込む