この記事をまとめると
■2022年9月の新車販売台数が発表された
いまモデル末期のお得な「たたき売り」は期待できない! 改良直前のカローラやタントが販売ランキング上位にくる異変を分析する
■前年同期比でみると改善傾向にある
■しかしコロナ禍前の台数には及ばない
「バックオーダーを減らすので精一杯」という現場からの声も
登録車は自販連、軽自動車は全軽自協から、2022年9月の新車販売台数が発表された。登録乗用車の販売台数は21万1585台(前年同期比124.7%)、軽四輪乗用車の販売台数は11万3316台(前年同期比129.9%)となった。前年同期比でみると飛躍的な改善傾向にあるともいえるが、2021年9月は日本国内では本格的な生産遅延、それに伴う納期遅延が顕在化してきた時期なので、比較対象としてはあまり適切ではないともいえよう。
登録乗用車の販売台数コロナ禍前の2019年9月と比較すると約70%となった。2019年9月は、2019年10月の消費税率引き上げ直前の駆け込み需要があったので、2018年9月と比較すると約79%。それでもコロナ禍前の勢いにはまだまだ及んでいない。軽四輪乗用車では2019年9月比で約71%、2018年9月比で約81%なので、登録乗用車の状況はとあまり変わっていないといっていいだろう。
9月は例年ならば、事業年度締めでの上半期末となり、半期決算セールが展開され、年間では3月に次いで新車が良く売れる時期なのだが、「半期決算セールなんて言っていられる状況ではありません。バックオーダーをできるだけ減らすので精一杯です」とは現場のセールスマン。
新車購入を検討している場合は「先手必勝」
2021年は8月ごろから生産遅延などの兆候が顕在化してきたが、2022年は1月から生産遅延が続いている。そのため1月からの累計販売台数では、登録乗用車は2019年比で約60万台、軽四輪乗用車で約28万台少なくなっており、暦年締めでの年間販売台数を10、11、12月でできるだけ上乗せしたいところだが、生産遅延の目立った改善傾向が見えないなかでは、このままズルズルと進み前年比マイナスはほぼ確定といっていいかもしれない。
半導体の供給不足などはともかく、日本国内では新型コロナウイルスの感染状況が一時より落ち着きを見せているので、工場稼働率の極端な落ち込みはまずないと見てもいいのだが、依然として楽観できない状況が続いている。これから寒くなると感染再拡大も予測でき、工場の操業停止などに影響を及ぼすことも十分考えられるので、新車を購入して納車を待っている人は注意深く動向をウォッチしていただきたい。
現在、新車購入を検討しているひとが、納期遅延リスクをできるだけ避ける唯一の自衛策は、とにかく先手必勝。新型アルファードもすでに、変則的な予約受注のようなものを受け付けているとも聞くし、新型プリウスも状況は同じようだ。まずは買うという意思表示を行うこと。ウェブサイトや自動車専門誌で気になるモデルの新型車情報が掲載されたら、とにかくディーラーへ行って情報を探り、その後の情報提供をセールスマンに依頼するようにしよう。
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