新型フィアット500 サイズ/航続可能距離
text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
新しいフィアット500が発表された。EVになって、2021年に登場する。
フィアット500は、イタリアのコンパクトカーのアイコンともいえるクルマだ。フィアットにとって信じられないほどの大成功を収めている。
新型のスタイリングに大きな違いは感じられないが、ボディの内側は大きく刷新されている。フィアット・クライスラー・オートモービル(FCA)としては初の純EVとなる。
アーキテクチャは新設計で、新しいフィアット500のボディは、全長と全幅で60mm大きくなった。全長が3630mm、全幅が1690mmとなる。全高は40mm高くなり、1530mmだ。
純EVのパワートレインは、118psの電気モーターと42kWhのリチウムイオン・バッテリーの組み合わせ。重要な航続可能距離は、WLTP値で320kmを主張する。
ちなみにコンパクトEVのライバルとなるミニ・エレクトリックの場合、29kWhのバッテリーで航続距離は231km。プジョーe208は339kmとなっている。
新型フィアット500は0-100km/h加速9.0秒と充分だが、0-50km/h加速でみると3.1秒とかなり鋭い。最高速度は149km/hだ。
新型フィアット500 充電時間
「シェルパ」と呼ばれる最もエコ性能を重視したドライビングモードを選ぶと、最高速度は80km/hに制限がかかる。さらに最高出力やアクセルレスポンスなどを抑制。エアコンなどもオフになり、航続距離を可能な限り伸ばしてくれる。
このシェルパという名前は、ヒマラヤ山脈で登頂を目指す際に、登山者を支援するスタッフにちなんで付けられた。航続距離の不安を減らし、無事に充電ポイントへたどり着くことを担保する。
シェルパの他に、「ノーマル」と「レンジ」と呼ばれるドライビングモードがある。レンジの方は、回生ブレーキの効きを最大化させ、実質的にシングルペダル・ドライブも可能となる。
新しい500は、80kWの急速充電器にも対応。80%までの状態に35分で充電できるほか、50km分の電気を蓄えるのに必要な時間は5分程度。フィアットによれば、多くの人の平均的な自動車での行動範囲を充分にまかなえる距離だという。
フィアット500を購入すると、最も基本的な3kWの家庭用充電器も一緒に付いてくる。7.4kWの大容量充電器にアップグレードも可能だ。
ボディデザインは、現行型の500から細かい部分で進化している。ボディラインはシャープになっているが、オリジナルに通じるヘッドライトやバンパーなど、可愛らしさも健在だ。
側面は、ボディと一体となったドアハンドルが特徴。ヘッドライトとテールライトはともにLEDとなる。
新型フィアット500 内装
インテリアのデザインは大きく変更を受け、発表からの時間経過を感じさせていた弱点を改めている。ダッシュボードは幅が広く見えるようになり、物理的なスイッチ類は減少。全体的にクリーンな見た目となっている。
インフォテインメント・システムにはFCA製のUコネクト5を採用。10.25インチのタッチモニターを介して操作する。ナビやオーディオだけでなく、ワイファイ・ホットスポット、アップル・カープレイなどの機能を実装する。
フィアットによれば、ホイールベースが20mm延び、2320mmとなったことで、車内空間も拡大しているという。バッテリーは床下に搭載され、車内空間には影響を与えていない。
また、新しいフィアット500はコンバーチブルが先にデビューとなるが、通常の固定ルーフ版も追って登場する。フィアットは、この500が世界で初めてのコンバーチブルEVであることを強調する。これまでのフィアット500と同様に、スライディング式のファブリックとなっている。
新型フィアット500 装備/欧州価格
新型では自律運転支援システムも採用している。
アダプティブ・クルーズコントロールにレーンキープアシスト、最高速度制限機能などがドライバーをアシスト。さらに眠気感知機能や、360度の駐車カメラも搭載する。
EV版となった新型500の英国での発売は2021年の前半を予定。製造はイタリアのミラフィオリ工場で行われる。
発表当初には、限定仕様のラ・プリマが設定される。このフィアット500ラ・プリマ・コンバーチブルのイタリア価格は3万7900ユーロ(454万円)~。これは限定グレードの価格で、ベースグレードはより競争力の高い値段に設定されるだろう。
現行型のフィアット500(欧州市場モデル)は、先日マイルド・ハイブリッドとしてアップデートを受けたばかり。今回のEV版フィアット500と並行して、手頃な価格で今後2年程度は販売が続けられる。まだEVを導入できないユーザーも取りこぼさない計画だ。
AUTOCARの取材では、新しいフィアット500には5ドア版も検討中であるとの情報を掴んでいる。小さな2枚のドアをリアヒンジで追加し、3ドアより広い後部座席へのアクセスを容易にするパッケージとなるだろう。
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みんなのコメント
新型チンクエチェントは、デザイン的には上手にトレースしたと思います。内装も素敵。ただ、ぜひ内燃機関モデルも作って欲しいです。ツインエア搭載が希望です。
今回のモデルチェンジ、いいモデルチェンジですね。某ミニみたいに無駄に大きくないのがいい。内装もシンプルだし、デザインも崩れてないし。500ファミリーのように機能、快適性を持たせないのがいいデザインになってるのかなと思っています。流石イタリアメーカーです。
でも、エンジン版は3気筒になるみたいだし、価格も上がるだろうし。現行モデルを買った自分の決断が良かったと思ってます。大切に乗りつぶします。