一部改良を受けたスバル「レヴォーグ」に小川フミオが乗った!
レヴォーグの個性
最近の日本車には、唯一無二のキャラクターを持ったモデルが増えてきたように思う。いちはやく、個性を確立したのはスバル車で、こだわりの1台を探しているひとにはぴったりなのがレヴォーグだ。
レヴォーグの個性といったら、ボディスタイルはステーションワゴンタイプのみ。エンジンは水平対向4気筒のみ。駆動方式は全輪駆動のみ。といった、決め込みにある。
乗ってみれば、その組合せに納得! 完成度の高さが感じられる。そこもまた、ほかに類のない個性といえる。2023年10月に装備が一部変更されたスポーツグレード、レヴォーグSTIスポーツEX乗ったのは、同年12月。ようやくデリバリーが始まったのだ。
追加された装備は新世代を謳う「アイサイト」。従来のステレオカメラ方式に、あらたに広角単眼カメラを追加したのが構造的な特徴だ。そもそもレヴォーグには、カーブ前速度制御や高速道路の料金所前速度制御など高度な制御をおこなう「アイサイトX」が標準搭載されているので、運転支援システムがより強化されたのだ。
もうひとつ、新しい点は、東レが開発したウルトラスエード(人工皮革)のシート表皮を持つ「ブラックインテリアセレクション」の設定。見た目にくわえて、手触りのよさと、滑りにくいという機能性がセリングポイントだ。これも今回の試乗車に装備されていた。
試乗車は、スバルのスポーツ仕様を手がけるSTI(スバルテクニカインターナショナル)のサブネームを持つとおり、専用の電子制御ダンパーや大径テールカッター、それに専用デザインの18インチ・ロードホイールをそなえる。車体色も(試乗車とは違うが)WRブルーパールの設定はSTI仕様のみ。
いちおう書いておくと、STIには今回のスポーツと、より走りスポーツ性が高いスポーツRの設定がある。全輪駆動システムに違いがあり、前者は標準モデルとおなじ電子制御の「アクティブトルクスプリットAWD」で、後者のみ「不等&可変トルク配分VTD-AWD」だ。
4755mmの全長に対して1500mmの全高のボディは、伸びやかな印象で、これに変型ヘッドランプと大きめな開口部を持つフロント部や、ボンネット上のエアスクープ(これは好みの分かれるパーツ)、それに前後輪の存在を強調するフェンダーまわりの強い張りだし感が、一目でわかるレヴォーグの個性だ。
全高を抑えられる水平対向エンジンがセリングポイントのひとつなので、以前だったらもっとボンネットを低くすることもできただろう。いまは歩行者保護のため、ボンネットはある程度の高さをもって、万が一の事故のときは歩行者の身体を受け止めなくてはならないのだ。スバル車には、車体のなかでもっとも硬いAピラーに歩行者が激突して身体の損傷度合いが高くなるのを防ぐ「歩行者保護エアバッグ」もそなわる。レヴォーグも同様だ。
実に気持ちのよいクルマレヴォーグSTIスポーツEXにおいて、なによりも個性的なのは、乗り味だ。ひとことでいうと、楽しい。走り出してまずインパクトがあるのは、操舵感覚。2ピニオン方式でダイレクト感を追求したとメーカーが謳うとおり、実に気持ちよくクルマが動く。
1600rpmから300Nmの最大トルクが出始める設定で、アクセルペダルの重さとのマッチングもとてもよい。つまり、これだけ加速したいと思って、ペダルを踏み込んでいくと、まさに“これだけ”の速度感で加速していく。設定がうまいなぁと感心。
操舵感覚のよさには、専用のZF(メーカー)製ダンパーの働きも大きいはず。それらがうまくひとつにまとめられていて、スポーティな走りが楽しめるクロスオーバータイプのモデル、という独自の個性が成立している。ここが大きな魅力だ。
ドライブモードは「スポーツ」モデル専用で、標準の「S」と「I」(トルクカーブが変わる)に対して、「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ+」それに「インディビデュアル」と5つ。モニター画面で、「パワーユニット」「ステアリング」「サスペンション」「AWD」といった走行に関する設定に加え「エアコン」と「アイサイト」の強弱も選べる。けっこう大きく変わる。
個人的には、市街地ではパワーユニットはもっともマイルドな「I」、ステアリングは「スポーツ」、サスペンションは「ノーマル」、AWD(全輪駆動システム)も「ノーマル」という組合せが好み。個別設定を自分で選んでいくのも楽しいと思う。
2023年に追加された姉妹車ともいうべき「レヴォーグレイバック」(最高出力も最大トルクも同一)が、静粛性と乗り心地を追求していて、こちらも独自のキャラクターを確立しているが、2車は明らかにに違う。
レヴォーグSTIスポーツEXは、レイバックほどウルトラ静かというわけではないが、全体のノイズがうまく丸めてあって、気になる音が聞こえてくることもなく、音に疲れるようなことはなさそう。
スタイリングがややアグレッシブすぎる、という感想をもつひともいるかもしれないけれど、こういうモデルがあってこそ、クルマは楽しい! あらためてそう思わせてくれた。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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