現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「セリカXX」の共同開発から始まった! 40年続くトヨタとロータスのディープな関係とは

ここから本文です

「セリカXX」の共同開発から始まった! 40年続くトヨタとロータスのディープな関係とは

掲載 16
「セリカXX」の共同開発から始まった! 40年続くトヨタとロータスのディープな関係とは

エンジン供給だけじゃない両社の関係

 世界中の運転好きを魅了しているイギリスのスポーツカーメーカー「ロータス」。近年のロータス車の心臓部にはトヨタ製エンジンが搭載されていますが、その流れは21世紀に入り、「エリーゼ」がフェイズ2になってしばらくした頃から始まりました。そのため、両社の関係はエリーゼから始まったと思う人もいるかもしれませんが、じつはもっと昔から関係があったのです。

「エヴァイヤ」や「エレトレ」などEVで盛りあがるロータス、でもやっぱり「エリーゼ」がいい! というあなたへ贈るELISEヒストリー

じつはロータスの株式を所有していたトヨタ

 両社の関係が本格的に始まったのは1980年代。1981年に2代目へとフルモデルチェンジした「セリカXX」で、ロータスがサスペンションを中心に開発協力を行っており、ロータスの創業者でもあるコーリン・チャップマンがカタログやCMにも登場しています。以降、技術面で協力関係を築いていくことになります。

 1982年の終わりにはトヨタとロータスの初の共同作品とも言える2+2のFRスポーツ、ロータス「エクセル」が登場します。このエクセルにはトランスミッションやブレーキ、ドアハンドルなどといった多くのトヨタ製パーツが使われており、先代モデルとなる「エクラ」に比べて信頼性が大きく向上したと言われています。

 1983年にはトヨタがロータスに資本参加。これはロータスからの要請があったとされていて、トヨタがロータスの株式の16.5%を取得しました。その後トヨタはロータスの株式シェアを21.5%にまで増やしますが、1986年にGMがロータスを買収したことにより、ロータスの株は100%GMのものとなります。

 しかし、ロータスとトヨタの関係性がまったくなくなったというわけではなく、ロータスはトヨタ車の外装パーツを流用採用するなど、トヨタがロータス車のコストダウンにひと役買っていました。

エリーゼでふたたび関係性が親密に

 そして2004年、ふたたびトヨタとロータスの関係性が深まるときがやってきます。エリーゼに新たに追加されたスポーツバージョン、「111R」にトヨタ製1.8Lエンジンの2ZZ-GEが搭載されたのです。

 そして2006年にはエリーゼのベーシックバージョンにも、1.8Lの1ZZ-FEエンジンが搭載されます。それまでエリーゼはローバー製エンジンを搭載していましたが、ローバーの破綻により安定したエンジン供給先としてトヨタ製エンジンが採用されることになったのです。モデルライフの途中からスーパーチャージャーを搭載したハイパワーバージョンなども追加され、そのバリエーションを増やしていきます。

 2009年からエリーゼよりも上級に位置するモデルとして販売された「エヴォーラ」には、3.5L V6の2GR-FEエンジンが搭載されました。2012年からフルモデルチェンジして販売された「エキシージ」には、この3.5L V6エンジンをスーパーチャージャーで武装したユニットを搭載。

 以後、スーパーチャージャーによるラインアップ変更やエリーゼのエンジン変更(1ZR-FEや2ZR-FEの搭載)など細かな変更はあったものの、2021年にエリーゼ/エキシージ/エヴォーラが生産を終了するまで、ロータスはフルラインアップでトヨタ製のエンジンを採用していました。

ロータスから豊田章男社長へエリーゼのプレゼント

 ロータスとトヨタの関係が良好で、そこにお互いへの尊敬があったと感じさせるエピソードが、ロータスからのエリーゼ贈呈です。2010年に長年エリーゼを支えたスポーツエンジンである2ZZ-GEが生産を終了するにあたり、ロータスは2ZZ-GEを搭載する最後のエリーゼRを豊田章男社長にプレゼントしました。

 このエリーゼRは日本のイギリス大使館で贈呈式が行われました。豊田章男社長は当時、「このエリーゼRを社内に開放し、役員全員が走りを体験できるようにする」とコメントしたそうです。プレゼントという粋な計らいも、役員が全員走りを体験できるようにというコメントも、お互いを尊敬しあっていると感じさせます。

これからも親密ならば今後も関係が続くかも?

 2022年、エリーゼ/エキシージ/エヴォーラなきあとのロータスから、最後のガソリンエンジンモデルとして「エミーラ」が登場します。エミーラにはエヴォーラやエキシージで親しまれた2GRユニットが搭載されており、電動化を迎えた未来でもロータスとトヨタの関係が続いていくことを示唆しているのではと感じさせます。

 このエミーラを最後に、純内燃機関のモデルはロータスからは登場しないと言われています。時代の流れからそれは仕方がないことかもしれませんが、寂しいと感じてしまうのがクルマ好きとしての正直な意見といったところ。

 ロータスとトヨタの関係性を振り返り、この関係性が今後も親密ならば、水素エンジンやバイオ燃料を使った、内燃機関の操る楽しみがある軽量なロータスがまた登場するのも夢ではないのでは? と思ってしまいます。そんな夢ある未来もありうるかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
AUTOCAR JAPAN
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
Auto Messe Web
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
VAGUE
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
motorsport.com 日本版
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
VAGUE
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
くるまのニュース
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
WEB CARTOP
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
motorsport.com 日本版
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
乗りものニュース
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
乗りものニュース
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
くるまのニュース
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
Webモーターマガジン

みんなのコメント

16件
  • エスプリのテールランプが86のテールランプを流用していたのにびっくりしたのはイイ思い出です。
  • ロータスやポルシェって車両が売れず、技術を他のメーカーに売って糊口を凌いでいた時代があったんです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

662.0777.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

265.01100.0万円

中古車を検索
エリーゼの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

662.0777.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

265.01100.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村