日産から新型軽自動車「ルークス」が登場しました。いま日本の新車販売でもっとも売れているスーパーハイトワゴン軽自動車カテゴリーのニューモデルです。ご存知のように、このカテゴリーにはホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タントと強力なライバルが存在しています。
実際、2020年1月の販売実績を見ても、N-BOXは1万8953台、スペーシアは1万2411台、タントは1万2332台を売っています。日産デイズは1万4226台を売っていますが、ハイトワゴンの「デイズ」とスーパーハイトワゴンの「デイズルークス」の合計なので、いったん除外します。ちなみに、登録車の販売トップは1万0220台のトヨタ・ライズですから圧倒的に軽スーパーハイトワゴンのマーケットは大きいのです。
なぜ、軽スーパーハイトワゴンが売れまくっているのかといえば、コストパフォーマンスに優れたクルマが揃っているからです。ただ、このカテゴリーでは150万円以上の予算が必要ですから、コストパフォーマンスに優れているといっても反論したくなるかもしれませんが、ここでいうコストパフォーマンスとは価格以上の満足度があるという意味です。なにしろ売れているカテゴリーは期待される販売台数が多いですから、一台あたりで負担する開発費を小さくできます。逆にいえば、他のモデルより開発費を増やしてもペイできることになります。
N-BOX、スペーシア、タントの3台については、それぞれの開発責任者の方に話を聞いた経験がありますが、どれも売れ筋のモデルで強力なライバルが存在しているだけに予算をかけてチャレンジしていますし、ライバルを徹底的に研究している姿勢がありありと伝わってきました。王者N-BOXの完成度は誰もが認めるところでしょう。スペーシアは自転車を積みやすいように開口部にガイドがあったり、タントは助手席側Bピラーレスのミラクルオープンドアを活かすべく運転席の超ロングスライド機能を持たせたりと、それぞれ個性を磨いています。2019年にフルモデルチェンジしたタントがプラットフォーム、パワートレインとも一新したのは、そこまでやらなければライバルを超えることはできない、という強い意思があったからだと聞いています。
価格以上の満足度がなければライバルと戦えない
フルモデルチェンジした日産ルークスのストロングポイントとしては、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた高性能なADAS(先進運転支援システム)の「プロパイロット」があげられます。しかし、それだけでライバルと互角に戦えるほど甘いカテゴリーではありません。スペースユーティリティ、スライドドアの使い勝手、開口部の大きさなども重要ですし、取り回しの良さや高速での安定性などトータルでの走行性能も求められます。
軽自動車にそこまで求めるのは酷かとも思ってしまいますが、売れているカテゴリーですから、各メーカーは威信をかけてナンバーワンのパフォーマンスを得ようとしています。ライバルと戦うために価格以上の満足度を得られるようなクルマづくりが求められているのです。
結果として、どのモデルもユーザーの期待以上のプロダクトに仕上がり、コストパフォーマンスに優れたモデルをラインナップすることになっているのです。パッケージとして背の高さやスライドドアが不要とわかっているならば選択肢には入らないでしょうが、ファミリーカーを探している多くのユーザーが満足できる性能を持っているのが、軽スーパーハイトワゴンのモデルたちなのです。
しかも軽自動車というのは日本市場独自のカテゴリーです。グローバルモデルと異なり日本のユーザーだけを研究し尽くして生み出されています。各社が予算をかけて日本ベストのモデルとしてリリースしているのですから、買って損がないモデルに仕上がっているのは当然なのです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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自分の身の丈に合ったクルマを選ぶ人、あこがれやぜいたくを封印した人、現実主義者が増えたのか世の中が世知辛いのか、この流れは今だれも止められないだろうね。