トヨタが生産していたMR2。ミドシップといえばフェラーリやランボルギーニ、国産ならNSXなどかなりハイクラスなクルマたちが採用してきたエンジンレイアウト。
操縦性に優れるものの横展開が事実的に不可能な、まさにスーパーカーのためのエンジンレイアウトでもある。そんなミドシップを300万円ほどの、手の届く範囲で販売していたのがトヨタのMR2。
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初代MR2は1984年~1989年、二代目1989年~1999年、後継のMR-Sは1999年~2002年と後継のMR-Sも含めれば実に20年近くもお手頃ミドシップとして君臨したMR2。
そんなMR2が復活しそうだと関係者は語る。このスポーツカー受難の時代に、コンパクトな2シーターミドシップスポーツをトヨタが発売する…にわかには信じがたい話だ。
とはいえそういう情報が入ってきたのには根拠はある。MR2復活の真相はいかに!? いや、ここまできたら出してほしい!!
文/写真:ベストカー編集部
ベストカー2018年12月26日号
■「大・中・小」でスポーツカーを揃えたいトヨタ
国内でもプロトタイプのメディア向け試乗会が行われるなど、いよいよデビューが近づいてきたスープラ。
簡単におさらいしておくと、スープラはBMWと共同で開発される2シーターのFRスポーツカーで、新型BMW Z4の兄弟車。350ps以上を発生するBMW製の直6、3Lターボエンジンに8速ATを組み合わせる。
2019年1月のデトロイトショーで市販モデルが公開され、日本では来年4月頃のデビューが予定されている。
ベストカーを熱心に読んでくださっているクルマ好きなら、そのあたりはよくご存じのはず。新しく開発したハイテクLSDを装備することで圧倒的なニュートラルステアを実現していることや、遅れて4気筒の2Lターボが追加されることも何度か報じてきた。
期待が膨らむいっぽうのスープラだが、今回お届けしたい情報は、スープラにも少し関係するもののそれではない。トヨタが目論む86、スープラに続くスポーツカー戦略についてなのだ。
2018年9月、米国の有力自動車誌『ロード&トラック』電子版に、スープラのアシスタントチーフエンジニアである甲斐将行氏のインタビューが掲載された。
甲斐氏は東京大学出のドイツ語が堪能なエンジニアで、BMWとの共同開発で大いに手腕を発揮しているとされる人物だ。
同氏はこのインタビューで「86、スープラでFRスポーツは揃った。次はミドシップスポーツの復活を目指したい」と注目の発言をしているのだ。
トヨタのミドシップといえば、1984年から2007年まで販売されていたMR2~MR-Sが世界的に有名。その後、現在に至るまで11年間消えたままになっているが、86、スープラが同様の境遇から復活したことを考えると、その勢いに乗って「次はMR2」という流れになるのはおかしな話ではない。
また、86とスープラのチーフエンジニアである多田哲哉氏も、常々「トヨタに大、中、小のスポーツカーを揃えたい」と言っていて、その構想にも合致する。
■コストを抑えるために新型MR2も他社とコラボレーションか!?
しかし、GAZOOレーシングでスポーツ戦略に力を入れるトヨタでも、量販が見込めないスポーツモデルをこうも立て続けに開発することはできるのだろうか。
その点に関しては、インタビューで甲斐氏も認めている。
「一社でスポーツカーを開発するのは無理な時代。マツダはMX-5(ロードスター)を単独で作っているが、継続してきた30年間の歴史があるからだ。トヨタには真似できない」
弱気な発言に聞こえるが、トヨタはスバルと組んで86を作り、BMWと組んでスープラを開発した実績があるからこその言葉ともいえる。他社と共同でクルマを作るノウハウは知り尽くしているともいえるのだ。
86にしてもスープラにしても企画はトヨタで、開発と生産は他社(スバルとBMW)というかたち。そうすることで自社にはない水平対向エンジンや直列6気筒エンジンを使うことができ、魅力のあるクルマに仕上げられた。
開発能力だけでなく、技術的資源の面でも他社と組むのは有効な方法なのだ。では、トヨタが今、ミドシップスポーツを作ることにどんなメリットがあるのか。
日本では、ホンダがS660とNSXという大きさも価格も両極端なミドシップスポーツをラインナップしている。
海外ではフェラーリやランボルギーニなどの超高額モデルを除き、ポピュラーなのはポルシェケイマン/ボクスターとルノーアルピーヌA110。生産中止になってしまったが、アルファロメオ4Cも話題を呼んだクルマだった。
伝統のロータスは今も健在だが、ロータスはロードカーの枠を越えたスポーツカーのイメージだろうか。ミドシップスポーツは量販こそ望めないものの、メーカーのスポーツイメージを高めるのに有効なアイテムであることがよくわかる。
特に、23年ぶりに復活したルノーアルピーヌA110の高評価と人気はトヨタにも刺激を与えているのではないだろうか。
現代のミドシップスポーツは、ホンダS660を除きいずれも600万円以上が相場のクルマばかりだ。
ここにもし、トヨタが86並みの価格でMR2を復活させられるとしたら、世界のスポーツカーマーケットに与えるインパクトは相当なものがあるだろう。
86並みの価格は無理としても、400万~500万円の価格帯に抑えられれば、ミドシップスポーツとしては安さが際立つことになる。
とはいえ、トヨタ自身も認めているとおり、単独での開発は難しい。そこで急浮上してくるのがロータスの存在である。
■コラボ先としてロータスの存在感が増してきた理由とは?
ロータスはトヨタからエンジンの供給を受けている。主力モデルであるエリーゼ、エキシージ、エヴォーラはトヨタの4気筒、1.8LエンジンやV6、3.5Lエンジンを搭載しているのだ。その関係は10年以上続いている。
ロータスといえばミドシップスポーツカーのプロフェッショナル。伝統のバスタブフレームとFRP製のボディで超軽量なスポーツカーを送り出し続けている。
少量生産のロータスとトヨタではメーカーとしての性格が違いすぎるように思えるが、2010年のパリモーターショーに出展して話題を呼んだ次期エリーゼのプロトタイプモデルは、現代的に生まれ変わる次世代のロータスを予感させるものだった。
当時、2015年に市販化するとしていたが、その計画は流れ、今は別のモデルとして2020年の発売を目指して開発が進んでいる。
しかし、いずれにしても現代的なモデルになることは確実で、2017年、中国の吉利社に買収されてからロータスのクルマ作りは大きく舵を切ったように思われる。
次期エリーゼは米国の衝突安全基準をクリアし、米国市場にも投入。年間4000台レベルの販売を目指すとしており、個性は守りながらもマニアックすぎるクルマ作りからの脱皮を図る方向のようだ。
それならトヨタとの親和性も高まるだろう。
ロータスの軽量シャシーをベースにトヨタ独自のデザインとなるボディを載せて作るミドシップスポーツ。
もちろん、エンジンは長くロータスに供給しているトヨタ製でいける。直4、2L直噴ターボでもいいし、現在開発中の3気筒、1.6L直噴ターボでも面白い。
さらにいうならハイブリッドの可能性だってなくはない。なにしろ2010年のエリーゼプロトタイプモデルはアイドリングストップ付きの簡易型ハイブリッドと発表していたくらいなのだ。
需要が少なく、採算を取るのが難しいスポーツカーも、他メーカーと手を組むことで市販化させることができる。それはトヨタが86、スープラで証明してきたことだ。
第3のスポーツカーも、その手法を踏襲することで実現にこぎつけるのは不可能ではない。スープラ開発の中心人物が、メディアのインタビューで、あえて「MR2の復活を目指す」と言葉にしたのは、なんらかの具体的な動きがあり、最低限の勝算が見込めているからではないか。
GAZOOレーシングが正式な組織となって以来、トヨタのスポーツ戦略は目に見えるかたちで拡大している。FRの次はミドシップ。その勇気ある決断に大いに期待したいところだ。
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