■軽自動車で参戦可能! 気軽に始められる「PVCドリフト」
軽自動車で気軽にドリフトが楽しめる「PVCドリフト」というモータースポーツをご存知でしょうか。イベントによっては、気軽にレンタルでも楽しめることができるといいます。いったい、どんな魅力があるのでしょうか。
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PVCとは、ポリ塩化ビニル(poly vinyl chloride)のことで「塩ビ」ともいわれます。
PVCドリフトはリング状(管状)になったPVCを使ったモータースポーツで、軽自動車の後輪タイヤにPVC塩ビ管をはめてタイヤをすべりやすく(=ドリフトしやすく)して、サーキット内のジムカーナ場など、クローズドで安全な場所でドリフト走行を楽しむクルマ遊びのひとつです。
使うクルマは後輪がドラムブレーキで12インチのタイヤを履いた軽自動車であればなんでもOK。特別な改造は不要です。
今、軽自動車をお持ちであればそのクルマでやってみるのも良いですし、数万円の安い中古軽自動車を買ってチャレンジしてみるのも良いでしょう。
ところで「ドリフト」と言えば漫画『頭文字D』に出てくるような、トヨタ「スプリンタートレノ/カローラレビン(AE86)」、マツダ「RX-7(FC/FD)」、日産「シルビア(S13/S14/S15)」などのFR車が思い浮かびますが、近年日本を含め海外でもこのようなFRスポーツカーが人気となり、中古車価格も高騰していることから「FRのドリ車を買ってドリフトを始める」ことが、ひと昔前に比べてハードルが高いものになっています。
そこで、まずは安価で始められるPVCドリフトでドリフトを体験してみたい、という人が増えているのです。
PVCドリフトの魅力や、どれくらいの費用で楽しめるのかといった点について、全日本PVCドリフト協会会長の三宅和人さんに伺いました。
三宅さんはPVCドリフトを楽しむ仲間たちと一緒に、つくばサーキット(ジムカーナ場)や富士スピードウェイ(ジムカーナ場やドリフトコース)などで定期的にPVCドリフトの走行会や体験会を開催しています。
――PVCドリフトの魅力はなんですか。
安価な予算(数千円から数万円)でドリフト走行が体験できることです。PVCタイヤを装着した状態はすべりやすく、誰でも簡単にドリフト状態に持っていけます。
その状態で基本的な操作を学ぶと、ドリフト走行やグリップ走行への応用が利くドライビングスキルが身に付きます。必要な作業は塩ビ管(PVC)をタイヤにはめるだけです。
組付けるときには、空気を少し抜いたタイヤをバール2本でスキマをつくりながら圧入します。また、路面にダメージを与える事がなく、タイヤも減りません。音も静かです。
――PVCドリフトに必要なものはなんでしょうか。
リアがドラムブレーキの軽自動車で12インチのホイールが付いたクルマなら大丈夫です。基本はFFの軽自動車で、MTでもATでもOKです。
外周が同じなら、違うタイヤサイズでも塩ビ管さえハマるえば大丈夫です。タイヤの価格や入手のしやすさから、145/70R12がメジャーですね。
あとはヘルメット、グローブ、長袖、長ズボンが必要になります。
■コースに水が撒かれる理由とは?
――今日走っている皆さんはとても上手な方々ばかりのように見えますが…初心者が付いていくのは大変ですよね。
はい。初心者の方は「単走」(単独走行)から始めます。だからぶつけたとしてもパイロンくらいですね。
追走はぶつけてもお互い恨みっこ無しの自己責任です。集団で走れるようになるまでは、区切られたスペースで1台ずつ、3分前後走行します。
――レンタルでも走れると聞きましたが…。
レンタル1日1万円というシステムは、私が主催する走行会のオリジナルです。参加費用、車両使用料などすべて含めて1万円です。1台のレンタル車両を2人から3人ほどで交代で使って走ります。
――ところで、散水車がコースに水を撒いていますが、なぜでしょうか?
水で路面を濡らすことでより滑りやすくできるのはもちろんですが、PVCは熱に弱く、乾いた路面では割れてしまうおそれがあります。路面にダメージを与えることにもなるので、水を撒くのは路面の温度を下げてPVCとジムカーナ場の路面を守ることが目的です。
※ ※ ※
ちなみに、集団追走のなかに入って走るには、それなりにテクニックを積んでから走ることが良さそうです。
軽自動車10台程度が集団で追走ドリフトをしているシーンは、なかなかの迫力があり、コロコロしていてカワイさもあり、といったところです。
一度ドリフトをやってみたい。簡単に安価にできればいうことなしなんだけど…という人は、走行会に参加してみてはいかがでしょうか。
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