現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 横転クラッシュでも乗員を守るモータースポーツ車両の「ロールケージ」! 安全をアップする装備なら市販車に採用しないのか?

ここから本文です

横転クラッシュでも乗員を守るモータースポーツ車両の「ロールケージ」! 安全をアップする装備なら市販車に採用しないのか?

掲載 44
横転クラッシュでも乗員を守るモータースポーツ車両の「ロールケージ」! 安全をアップする装備なら市販車に採用しないのか?

 この記事をまとめると

■レーシングカーなどにはロールケージが装備されている

【試乗】「LSD」の変更と「サーキット用DSC」を採用! 大幅改良したロードスター「NR-A」の実力をサーキットで試した

■乗用車には基本的に装備されないがその分頑丈に作られている

■重量増加や居住性悪化などのデメリットもある

 ロールケージを標準装着しないわけ

 市販車をベースにモータースポーツに参戦しようと思うと、いろいろな改造(チューニング)が必要になる。そのなかでも安全性能を高めるパーツとして知られているのが「ロールケージ」だ。オープンカーでサーキット走行をする際や、ラリーのように転落の危険性が高いモータースポーツでは必須アイテムとされている。

 具体的には、車両が横転するなどのアクシデント時にキャビンの変形を抑え、乗員を守ってくれる機能が期待されるパーツだ。そのように安全になるのであれば、なぜ量産車にロールケージを標準装備しないのだろうか?

 まず知っておくべきなのは、ロールケージがついていないからといって横転時にキャビンを守る機能がゼロではないということだ。たとえオープンカーであってもAピラーを丈夫に設計するなどして横転しても乗員空間を守るような設計にはなっている。モータースポーツでロールケージが必須となるのは、量産車では想定していないような速度で横転する可能性が高くなるからだ。

 サーキット走行を考慮したロールケージではサイドバーを追加するなど側面衝突への強度を上げているのはいかにも安心感がある。しかしながら、量産車が側突を無視した設計になっているわけではない。

 最近の量産車ではサイドポールテストといって、側面から電柱にぶつかるような事故での安全性も確保するようになっているのは、ご存じのとおりだ。いい過ぎかもしれないが、最新の量産車というのは、ひと昔前のクルマにロールケージをつけたくらいピラー強度を上げるなどしてボディを頑丈に作っているともいえる。

 簡単にまとめると、公道走行を考慮したレベルであれば量産状態でも安全性を確保しているが、「モータースポーツでは量産車が想定している以上の速度でのアクシデントが起こりうるためのロールケージが求められている」と捉えることができる。

 そうはいっても「ロールケージを装着することで安全性が高まるのであれば量産車にも標準装備すべき」と考えたくなるもの。ただし、実際にロールケージ装着車に乗ればわかるが、ロールケージは快適性をかなりスポイルしてしまうものだ。前述したサイドバーをつけてしまえば乗降性は圧倒的に悪化するし、各部にバーがあることでキャビンは狭くなる。視界を遮ることもあり、そこはマイナスポイントだ。

 また、モータースポーツ用ロールケージというのはスチールパイプで作ることが定められている。その重量は20kg以上になることも珍しくない。余計に重くなる以上、これは燃費においてもマイナスだ。

 もっとも、スポーツドライビングを突き詰めていきたいのであれば、チューニングの主題としてロールケージを装着することはオススメできる。ここまでクラッシュ時の安全性に注目してきたが、それはロールケージのもつ一面であり、圧倒的なボディ剛性アップパーツとしての役割もある。

 建前としては安全パーツだが、モータースポーツやチューニングの本音としては、剛性アップを考えて設計・装着しているというのが、ロールケージの実態といえるかもしれない。

こんな記事も読まれています

クルマ好きが言う走りなら「ミッドシップ」って本当? そんなにいいのに採用車が少ないのはナゼ
クルマ好きが言う走りなら「ミッドシップ」って本当? そんなにいいのに採用車が少ないのはナゼ
WEB CARTOP
ホンダ・シビック タイプRってどんなクルマ? 歴代モデルと最新6代目を詳しく解説!
ホンダ・シビック タイプRってどんなクルマ? 歴代モデルと最新6代目を詳しく解説!
WEB CARTOP
シングルカムは性能がイマイチ……ってわけでもない! クルマのエンジン「DOHC」と「SOHC」は何がどう違う?
シングルカムは性能がイマイチ……ってわけでもない! クルマのエンジン「DOHC」と「SOHC」は何がどう違う?
WEB CARTOP
【MC20がベース】 今季そのまま参戦のコンペティションモデル マセラティGT2にモデナで試乗
【MC20がベース】 今季そのまま参戦のコンペティションモデル マセラティGT2にモデナで試乗
AUTOCAR JAPAN
ホンダ「“2列6人乗り”ミニバン」がスゴイ! 「前列に3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! めちゃ“クセ強”な「エディックス」とは?
ホンダ「“2列6人乗り”ミニバン」がスゴイ! 「前列に3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! めちゃ“クセ強”な「エディックス」とは?
くるまのニュース
GT500は国産車だけど左ハンドル! 全日本ラリーに出る新井敏弘のWRX S4も左に変更! モータースポーツ車両のハンドル位置の謎
GT500は国産車だけど左ハンドル! 全日本ラリーに出る新井敏弘のWRX S4も左に変更! モータースポーツ車両のハンドル位置の謎
WEB CARTOP
スバル史上最速のラリー車か!? 名機EJ20をぶち込んだ「WRX ARA24」がアメリカを爆走!
スバル史上最速のラリー車か!? 名機EJ20をぶち込んだ「WRX ARA24」がアメリカを爆走!
WEB CARTOP
スズキ・スペーシアベースについて解説! 唯一無二の魅力をもつクロスオーバーは最強の遊びクルマだった
スズキ・スペーシアベースについて解説! 唯一無二の魅力をもつクロスオーバーは最強の遊びクルマだった
WEB CARTOP
誰もが知ってる「アイサイト」はほんの一角! SUBARUの安全追求への取り組みが圧巻の中身だった
誰もが知ってる「アイサイト」はほんの一角! SUBARUの安全追求への取り組みが圧巻の中身だった
WEB CARTOP
「スバルのクルマは雨に強い」というウワサは本当? 独自の4WDがポイント? その理由とは
「スバルのクルマは雨に強い」というウワサは本当? 独自の4WDがポイント? その理由とは
くるまのニュース
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
Auto Messe Web
いざ当事者になるとパニックになる人だらけ! クルマの「よくあるトラブル」3つと覚えておくべき対処法
いざ当事者になるとパニックになる人だらけ! クルマの「よくあるトラブル」3つと覚えておくべき対処法
WEB CARTOP
「ボンピン」に「キルスイッチ」など、箱車のレーシングカーの必須アイテムとは? どうして装備が義務付けられているのでしょうか
「ボンピン」に「キルスイッチ」など、箱車のレーシングカーの必須アイテムとは? どうして装備が義務付けられているのでしょうか
Auto Messe Web
E-クラッチに話題集中だけど「103万円で買える4気筒バイク」ホンダCB650Rって超貴重では?というお話
E-クラッチに話題集中だけど「103万円で買える4気筒バイク」ホンダCB650Rって超貴重では?というお話
モーサイ
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」
カー・アンド・ドライバー
7速MTだからこそ味わえる「スポーツカーの醍醐味」 ツウ好みのポルシェ「911カレラT」の魅力とは? 買うなら今がラストチャンスか!?
7速MTだからこそ味わえる「スポーツカーの醍醐味」 ツウ好みのポルシェ「911カレラT」の魅力とは? 買うなら今がラストチャンスか!?
VAGUE
非ハイブリッドの「欧州最速」仕様 ポルシェ・カイエン GTSへ試乗 コレぞ運転を楽しめる大型SUV!
非ハイブリッドの「欧州最速」仕様 ポルシェ・カイエン GTSへ試乗 コレぞ運転を楽しめる大型SUV!
AUTOCAR JAPAN
ラリー生まれの純血種としてさらに進化! トヨタが欧州市場で「GRヤリス」の2024年モデルを発表
ラリー生まれの純血種としてさらに進化! トヨタが欧州市場で「GRヤリス」の2024年モデルを発表
バイクのニュース

みんなのコメント

44件
  • うまー
    じーさんぱーさんが乗れないだろ、ヘルメット被らないとケージ未装着車より危ないぞ。
  • tan********
    >>圧倒的なボディ剛性アップパーツとしての役割もある

    内装を剥がしたピラーにガセットプレートを介して「溶接止め」しないと、剛性なんて一切上がらん
    競技に携わってる人間なら誰でも解る
    きちんと調べてから記事書いてくれよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村