クルマのメーター位置には大きく2種類あります。主流なのは、ハンドルの奥に配置されるタイプで、軽自動車からスーパーカーなど多種多用なクルマに採用されています。
一方で、ダッシュボードの中央部に配置され、トヨタ「プリウス」などにも採用されているセンターメーターのタイプが存在します。一時期、センターメーター車が多く存在しましたが、なぜ最近は減っているのでしょうか。
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一時期見かける機会の多かったセンターメーター(日産・エスカルゴ) クルマのメーターとは、速度計やエンジン回転計、燃料計をまとめて配置してある部品です。最近では、先進安全機能の作動状況を確認する部分でもあります。
国内外のクルマでは、ほとんどがドライバーの目線移動が少ないハンドルの奥に配置されています。しかし、日本では、2000年から2010年くらいに登場した新型車では、ダッシュボードの中央部に配置されたセンターメーターがありました。
センターメーターは、古くは1959年にイギリスで発売されたBMC「ミニ」などに採用されていましたが、日本では1997年に発売されたトヨタの初代「プリウス」から急速に採用車が増えたといわれています。
トヨタは、初代プリウス以後の「ヴィッツ」「bB」「エスティマ」「イプサム」といったモデルにセンターメーターを採用してきました。トヨタは、センターメーターについて次のように話します。
「従来のメーター配置よりも遠い位置にあるセンターメーターは、上下左右の視線移動が少なくなる上にハンドル奥の視界を確保することができるほか、ハンドル形状を気にすることがなくなるため、メーターデザインの自由度が増えることがメリットです。
また、プリウスがセンターメーターを続ける理由については、初代プリウスからのコンセプト『時代の先駆けとしてふさわしい独創的なコックピット』というものがあり、初代から4代目の現行モデルまで続けて採用されています」
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また、別の大手自動車メーカーの広報スタッフは、「グローバルで展開するモデルであれば、右ハンドル/左ハンドルといった部品の共通化が可能なため、コストダウンにもつながります」と説明しています。
センターメーターのメリットあっても、廃止している車種も多い理由とは? しかし、最近ではフルモデルチェンジなどのタイミングで、従来のハンドル奥に配置を戻しているものもあります。日産のSUV「エクストレイル」は、初代モデルはセンターメーターを採用していましたが、2代目、3代目(現行モデル)では、従来のメーター配置に戻しています。
初代のエクストレイルについて、日産は「初代モデルは、インストルメントパネル中央にセンターメーターを配し、視認性も良く、車両情報を乗員全員で共有できる仕様になっています。しかし、2代目以降ではドライバーの高い視認性を優先するために、大型でシンプルなメーターに変更していました」と説明しています。
また、ダイハツの軽自動車「タント」は、2003年に登場した初代モデルから2代目(2007年)、3代目(2013年)までセンターメーターを採用していました。
ダイハツ「タント」のメーター配置(上:新型モデル、下:先代モデル) しかし、2019年7月に4代目へとフルモデルチェンジした際には、ダッシュボードの中央部に配置されていたメーターがドライバー寄りに延長された横長のデザインに変更されています。
新型タントのメーター配置について、ダイハツは次のように説明しています。
「メーター位置やステアリングなどのレイアウトを見直すことで、視線移動量を少なくし運転疲労が少なく安全、安心に運転できるドライビングポジションを実現しています」
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センターメーターについては、自動車メーカーやモデルごとに採用基準が異なりますが、どちらもドライバーの視認性や安全性に考慮されたうえで採用されているようです。
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