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予想外に最高 ランボルギーニ・ウラカン・ステラートに試乗 オンロードでも機能するシャシー

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予想外に最高 ランボルギーニ・ウラカン・ステラートに試乗 オンロードでも機能するシャシー

911 ダカールのハードルを上げるステラート

AUTOCARでは、まだポルシェ911 ダカールをグレートブリテン島で試していない。ランボルギーニ・ウラカン・ステラート以上の評価を得るには、相当に高次元の内容が求められそうだ。こんな体験を、筆者は想像していなかった。

【画像】予想外に最高 ランボルギーニ・ウラカン・ステラート 最大のライバル ポルシェ911 ダカールほか 全123枚

ランボルギーニは、素晴らしいエンジンサウンドを放つ。視覚的なドラマチックさでも事欠かない。しかし、もし筆者がどちらか一方を選ぶとしたら、ポルシェのステアリングホイールを握りたいと考えるのが、これまでだった。

ウラカン・テクニカを初めて運転すれば、恐らくどんなドライバーも驚くはず。しかし、911 GT3の能力を解き放った時に浸れるスリリングさは、それを凌駕する。コミュニケーション力に長け、シリアス。自在に操れる。

しかし、ウラカン・ステラートも出色だった。小さな方のランボルギーニをベースに、車高は44mm持ち上げてある。オフロードに対応するブリヂストン・デューラー・タイヤを履き、跳ね上がる砂利に備えアンダーボディを専用キットで武装している。

後輪操舵システムは装備されず、LDVI(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴィーコロ・インテグラータ)と呼ばれるシャシーの電子制御システムに、専用チューニングが施されている。どの程度のトルクをどのタイヤへ分配するべきか、最適化されたという。

最高出力は610psへ制限 1499台は完売

5.2Lの自然吸気V型10気筒エンジンは、610psへ最高出力が僅かに制限された。吸気用のシュノーケルがルーフの上部へ追加されているが、これは渡河水深を稼ぐためではなく、砂埃を吸い込まないようにするためだ。

それ以外の部分は、従来の四輪駆動のウラカンとほぼ同じ。英国価格は、23万2820ポンド(約4214万円)に設定された。

インパクトのある容姿に仕立て、生産数を制限することで市場の欲求を喚起。間もなくモデルライフを終える予定にあり、少々の在庫を抱えていたウラカンへ、再び脚光を浴びさせることへ成功したようだ。

全世界へ提供されるウラカン・ステラートは、1499台。フェラーリ296 GTBなど素晴らしいスーパーカーが選べる2023年にあって、早々に予定台数がすべて売れたという事実は、ランボルギーニの狙いが正しかったことを示している。

かくして、モデル末期に誕生したステラートは、過去最高のウラカンになっている。偶然なのかもしれないが。

近年の高性能スポーツカーで一般道を運転した時、ワイドなタイヤの接地面と平滑ではない路面が生み出す、絶え間ない揺れやノイズを想像する読者もいらっしゃるはず。しかし、強烈な見た目のウラカン・ステラートの場合、そんな心配はいらない。

見事にオンロードでも機能するシャシー

オフロードを前提にサスペンションはソフト側へ振られ、グリップ力は追求されていないタイヤと組み合わされている。5.2L V10エンジンへ本気のパワーを求めなくても、一体感の濃い、魅力的なドライビング体験を堪能できる。

最初は当惑するほど乗り心地はしなやかで、カーブへ侵入すれば穏やかなステアリングが正確に反応することへ唸る。通常のウラカンのようなアグレッシブさは弱められているが、シャシー自体は表現力が増している。

スロットルレスポンスと7速デュアルクラッチ・オートマティックは、従来どおりシャープ。これらが融合することで、特有のオールドスクールな楽しさを獲得している。

コーナーで強めにプッシュすると、タイヤが支えきれなくなり、フロント側が外へ流れ出す。だらしないアンダーステアを抑えるには、思い切りテールを振り回し一気にパワーを掛けるしかないが、それが痛快。

コーナーの入口でアクセルペダルを緩め、フロントノーズへ荷重を移し、出口へ向けて姿勢を整える。あとはパワーをかけて、テールを沈めながら加速すればいい。

何度も繰り返したくなるほど、すこぶる楽しい。グリップやトラクションを下げることで、純粋な喜びを得られるハードルも低くなる。ウラカン・ステラートのシャシーは、見事にオンロードでも機能する。

予想外に最高のランボルギーニ

こんな体験を影で支えているのが、ブリヂストンのタイヤ。オフロードを思い切り駆け回れるだけでなく、ミドシップのウラカンらしい、鋭い走りにも対応させている。ただし、荒れた路面を許容するかわりに、最高速度は260km/hへ制限される。

車高が持ち上げられたことで、通常のウラカンより乗降性は改善している。頭上へ伸びるシュノーケルのおかげで、後方視界は大きく犠牲になっている。といっても実用性や使い勝手は、このクルマの場合、二の次でいいだろう。

最高の笑顔を引き出す、これまでになかったスーパーカーだ。ウラカン・ステラートは、夢中になるほどエキサイティングで、予想外に最高のランボルギーニだといっていい。

ランボルギーニ・ウラカン・ステラート(英国仕様)のスペック

英国価格:23万2820ポンド(約4214万円)
全長:4525mm
全幅:1956mm
全高:1245mm
最高速度:260km/h
0-100km/h加速:3.4秒
燃費:−km/L
CO2排出量:337g/km
車両重量:1470kg
パワートレイン:V型10気筒5204cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:610ps/8000rpm
最大トルク:57.0kg-m/6500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)

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みんなのコメント

3件
  • これはこれで良いと思うな町乗りなら、線路横断、段差ある所とか腹すりにくいや、フロント下をぶつけにくいとかで。
  • 車止めを気にせず止められるのかな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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