現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > モト・グッツィ「V7lllレーサー」 熟成し続け現代に至る縦置きV型2気筒モデル

ここから本文です

モト・グッツィ「V7lllレーサー」 熟成し続け現代に至る縦置きV型2気筒モデル

掲載 更新
モト・グッツィ「V7lllレーサー」 熟成し続け現代に至る縦置きV型2気筒モデル

■流行りのネオクラシックモデルとは一味違うモデル

 50年以上に渡り、一貫して空冷の縦置きV型2気筒エンジンとシャフトドライブにこだわってきたメーカーがイタリアのモト・グッツィです。その歴史を簡単に振り返りつつ、古き良き時代のテイストを今に伝える「V7lll Racer(レーサー)」を紹介していきます。

ホンダ ロードスポーツモデル「CB400 SUPER FOUR」と「CB400 SUPER BOL D’OR」に新色を追加し発売

 モト・グッツィの創設は1921年のことです。これは現存するイタリアのメーカーとしては最も古く、第一次世界大戦のさなかに出会った3人のイタリア空軍候補生に端を発します。

 それが機械を得意としていたカルロ・グッツィ、富豪一族の息子でもあったジョルジオ・パローディ、そしてレーサーとしてもパイロットとしても優れた資質を持っていたジョヴァンニ・ラベッリで、彼らはバイクの話題で意気投合。戦争が終われば自分たちのメーカーを興そうと誓ったのです。

 ところが、ラベッリは終戦直後に飛行機事故で他界してしまいます。その夢を叶えることはできませんでしたが、残されたグッツィとパローディはイタリア空軍のシンボルでもあった鷲の図柄を社のマークにも採用し、雄々しく羽ばたくその姿にラベッリの勇姿を重ね合わせたのでした。

「モト・グッツィは今でこそクラシカルなバイク造りで知られていますが、1957年までは世界グランプリに参戦し、250ccクラスや350ccクラスでいくつものタイトルを獲得しています。レース活動を終了した後はその技術力をV型の縦置きエンジンへ注ぎ、1967年にオリジナルのV7を送り出すと、その基本レイアウトを今日まで引き継いでいるのです」とモト・グッツィを取り扱うピアッジオ・グループジャパンの河野僚太さん。

 現行のV7シリーズは2008年に登場し、その後V7llへと進化。そして、2017年に登場したのが今回のV7lllというわけです。

 オリジナルと現行モデルには時代的に大きな隔たりがあります。そういう意味では、かつての名車をモチーフにしたネオクラシックモデルなのですが、特筆すべきは流行りに乗った単純な企画モノではないということでしょう。

 というのも、V7lllのエンジンの源流をさかのぼっていくと、1977年に登場したV35(346cc)とV50(490cc)にたどり着くからです。オリジナルV7の直系ではないものの、その兄弟モデルのエンジンを41年間に渡って改良し、熟成さながら今に至っているという点において、格好だけのネオクラシックモデルとは一線を画しているのです。

 そんなV7lllには現在4種のラインナップがあり、このV7lllレーサーには最もスポーティなキャラクターが与えられています。

■上質な乗り心地と、その気になるさせるライディングポジション

「V7lllのすべてのモデルに750ccの空冷縦置きV型2気筒エンジンが搭載され、ほどよいパワー感と鼓動感に高評価を頂いています。どんな速度域でも“流す”楽しみが味わえるという意味で貴重なモデルと言ってもいいでしょう。ただし、V7lllレーサーには他とは違うスポーティなポジションが与えられ、オーリンズ製のリヤショックや赤くペイントされたフレーム、ゼッケンプレートといった特別なアイテムを装備。それらを通して気分を盛り上げて頂きたいですね」と河野さん。

 事実、V7lllレーサーの雰囲気には凄みがあります。最も大きな違いはライディングポジションで、他のモデルがリラックスした姿勢で乗れるバーハンドルを備えているのに対し、やや低い位置にセットされたセパレートハンドルを採用。後退したステップの効果も手伝って、またがるだけで“その気”になれるはずです。

 改良されたシリンダーやピストン、ギヤレシオが見直されたトランスミッション、操作力が軽減されたクラッチなどのおかげで、エンジンに神経質な部分はありません。52hpの最高出力は213kgの車重に対してパワフルとは言わないまでも必要充分。スロットルを開ければ必要な加速力とトラクションをいつでも引き出すことができ、それが一定のレベルを超えた時はトラクションコントロールがアシストしてくれます。

 ハンドリングはクラシカルなスタイルに見合うおだやかなものです。車体をバンクさせるとフロントの舵角がゆっくりと追従。タイヤの接地感を感じながら急かされることなくコーナーを駆け抜けることができるでしょう。そこに力を発揮しているのがオーリンズ製リヤショックのしなやかな動きで、上質な乗り心地と安定性がもたらされています。

 アップタイプのマフラーを装備しているにもかかわらず、思いのほかバンク角が少ないことだけがウィークポイントですが、中高速コーナーが続くワインディングロードを悠々と走らせた時にすべてがしっくりとくるように仕立てられているのです。

■生まれながらのクラシックモデルは、デザインも魅力のイタリア製

 V7lllレーサーならではの装備がまだまだたくさんあります。サテン仕上げが施された燃料タンク、そこに備えられたレザーストラップ、シリアルナンバーが刻まれたトップブリッジ、シングルシート風のカバー(取り外せば2人乗りが可能)、ヘッドライト上のフェアリング、スポークホイール・・・・・・など、そのどれもがかつてのクラシックレーサーを彷彿とさせるもの。走りのみならず、ガレージに置いてあるだけでもオーナーの所有欲を満たしてくれるでしょう。

「イタリアならではのデザイン性を持つこのモデルは、よりアグレッシグで情熱的な嗜好を持っている方やファッションに対して高い意識をお持ちの方に選んで頂いているようです。シンプルさで言えばV7lllストーンですが、それとは異なるレーサーならではの世界観をぜひお楽しみください」(河野さん)

 名門ブランドの歴史を味わえる、生まれついてのクラシック。それがV7lllレーサーというモデルなのです。

「V7lllレーサー」の価格は、139万8000円(税込)です。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

0-100キロ加速2.9秒! SL史上初PHEVのメルセデスAMG「SL 63 S Eパフォーマンス」は3350万円…日本仕様車は左ハンドルのみです
0-100キロ加速2.9秒! SL史上初PHEVのメルセデスAMG「SL 63 S Eパフォーマンス」は3350万円…日本仕様車は左ハンドルのみです
Auto Messe Web
新人コラピントは素晴らしいドライバーだ! 僚友アルボンが称賛。シーズン終盤にクラッシュ連続も「F1に相応しい存在」
新人コラピントは素晴らしいドライバーだ! 僚友アルボンが称賛。シーズン終盤にクラッシュ連続も「F1に相応しい存在」
motorsport.com 日本版
技術も力もいらない簡単装着! 持ってて安心な新タイヤチェーン「バイアスロン・イージーフィット」が雪道ドライブの最強の味方だった
技術も力もいらない簡単装着! 持ってて安心な新タイヤチェーン「バイアスロン・イージーフィット」が雪道ドライブの最強の味方だった
WEB CARTOP
制限速度を守ってる自分を抜かしていったクルマにオービスが光らないって納得いかん! なんで自動速度取締機は大幅にマージンをとってるの?
制限速度を守ってる自分を抜かしていったクルマにオービスが光らないって納得いかん! なんで自動速度取締機は大幅にマージンをとってるの?
WEB CARTOP
ミズノの「歩ける」ドライビングシューズ、新登場の高級モデル『ベアクラッチL』を試してみた
ミズノの「歩ける」ドライビングシューズ、新登場の高級モデル『ベアクラッチL』を試してみた
レスポンス
ホンダの新型ハイブリッドがすごい! しかも新開発!! 今のハイブリッドより圧倒的に楽しかった!!!
ホンダの新型ハイブリッドがすごい! しかも新開発!! 今のハイブリッドより圧倒的に楽しかった!!!
ベストカーWeb
ダカール挑戦のダチア、前哨戦モロッコでワンツーフィニッシュも「参戦してすぐに勝てるという前提はない」
ダカール挑戦のダチア、前哨戦モロッコでワンツーフィニッシュも「参戦してすぐに勝てるという前提はない」
motorsport.com 日本版
名神IC直結の「彦根お城トンネル」今日開通! 市中心部へ一気にワープ 名前に込めた意図とは?
名神IC直結の「彦根お城トンネル」今日開通! 市中心部へ一気にワープ 名前に込めた意図とは?
乗りものニュース
首都高「地獄の“大渋滞シーズン”」到来! なぜ「今だけ」混む? “年に1度”の交通情報「ほぼ全線が混んでいます」状態に 「余裕をもった利用を」呼びかけ
首都高「地獄の“大渋滞シーズン”」到来! なぜ「今だけ」混む? “年に1度”の交通情報「ほぼ全線が混んでいます」状態に 「余裕をもった利用を」呼びかけ
くるまのニュース
24年ぶりに復活! ホンダ新型「プレリュード」はクルマとの一体感が格上! ハイブリッドでも走りを楽しめるスゴい「強心臓&足回り」を搭載
24年ぶりに復活! ホンダ新型「プレリュード」はクルマとの一体感が格上! ハイブリッドでも走りを楽しめるスゴい「強心臓&足回り」を搭載
VAGUE
サイクリングロードは続くよどこまでも! 走って観光して2度美味しい
サイクリングロードは続くよどこまでも! 走って観光して2度美味しい
バイクのニュース
レッドブルのホーナー代表、モータースポーツへの貢献が認められCBE勲章を授与される。2013年のOBEに続く栄誉
レッドブルのホーナー代表、モータースポーツへの貢献が認められCBE勲章を授与される。2013年のOBEに続く栄誉
AUTOSPORT web
アルピーヌ、パワーユニット開発中止だけでなく車両開発スタッフも200人リストラ……しかしその効果は絶大? オークス代表「スリム化は正しいと証明できた」
アルピーヌ、パワーユニット開発中止だけでなく車両開発スタッフも200人リストラ……しかしその効果は絶大? オークス代表「スリム化は正しいと証明できた」
motorsport.com 日本版
ホンダ日産統合で激変? ガチのライバル[アキュラ]と[インフィニティ]の未来はどうなる?
ホンダ日産統合で激変? ガチのライバル[アキュラ]と[インフィニティ]の未来はどうなる?
ベストカーWeb
うぉぉぉ!! 人間技じゃねえ トヨタ[ギネス世界記録] AIロボの超ロングシュートが凄すぎる
うぉぉぉ!! 人間技じゃねえ トヨタ[ギネス世界記録] AIロボの超ロングシュートが凄すぎる
ベストカーWeb
今年のフロントガラスの汚れは今年のうちに…プロ直伝のお手軽でお財布にも優しいクリーニング方法を伝授! きれいな視界で新年を迎えましょう!
今年のフロントガラスの汚れは今年のうちに…プロ直伝のお手軽でお財布にも優しいクリーニング方法を伝授! きれいな視界で新年を迎えましょう!
Auto Messe Web
イニシャルDに魅せられて手に入れたRX-7で25年を駆け抜けた! 80歳女性オーナーが極上のFD3Sをマツダへ譲渡
イニシャルDに魅せられて手に入れたRX-7で25年を駆け抜けた! 80歳女性オーナーが極上のFD3Sをマツダへ譲渡
WEB CARTOP
「BONNEVILLE BOBBER TFC」はメーカーカスタムの限定モデルで2,499,000円!完成度が高い!  
「BONNEVILLE BOBBER TFC」はメーカーカスタムの限定モデルで2,499,000円!完成度が高い!  
モーサイ

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

279.0399.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0168.0万円

中古車を検索
V50の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

279.0399.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0168.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村