現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【特別なロードスター ND編(7)】わずか110台の販売台数に1900人が殺到した「30周年記念車」

ここから本文です

【特別なロードスター ND編(7)】わずか110台の販売台数に1900人が殺到した「30周年記念車」

掲載 更新 5
【特別なロードスター ND編(7)】わずか110台の販売台数に1900人が殺到した「30周年記念車」

現行型ロードスター(ND)の特別・限定・追加モデルなどを紹介するこの企画の第7弾は、2019年2月に発表された「ロードスター30周年記念車」だ。

世界中のファンが熱狂した「レーシングオレンジ」ロードスター
2019年2月、マツダはロードスターの誕生30周年を記念した特別仕様車を「シカゴオートショー」にて世界初公開した。30年という長きにわたり、世界中のファンに愛され続けてきたロードスター(輸出名:MX-5)は、1989年に初代マツダユーノスロードスターが登場してから、現行モデルの4代目ロードスターにまで進化してきた。その結果、2011年には、ロードスターの累計生産台数が90万台を達成したことを受け、ギネス世界記録に認定された。さらに2016年には100万台を突破し、現在もその記録を更新し続けている。

【くるま問答】最近のクルマにテンパータイヤはない。パンク修理キットをどう使う? 最高速は?

そんなギネスホルダーでもあるロードスターは、2019年に生誕30周年を迎え、それを記念した特別仕様車を発表した。世界初公開の舞台に選ばれたのは、2019年2月の「シカゴオートショー」だった。心が沸き立ち、そして一日の始まりを予感させる、朝焼けのような鮮やかな特別色の「レーシングオレンジ」にペイントされた「MAZDA MX-5 Miata 30th Anniversary Edition」が登場し、日本でも速報として多くのマスメディアで紹介された。

この特別仕様は、ソフトトップモデルとリトラクタブルハードトップモデルが設定されたが、その生産台数は世界限定3000台(2台合わせて)という少数であることが判明するや否や、世界中で予約が殺到した。当然日本でも発売されることはアナウンスされていたが、販売台数や購入方法などはいっさい公表されなかった。

ソフトトップの特別仕様車に規定台数の17倍の申し込みが殺到
そしてシカゴオートショーから遅れること3週間、ついにマツダが同年4月に開催される「オートモビルカウンシル2019」にて、日本初公開することを発表した。しかし、購入を検討していたファンにとって一番知りたい「販売台数と予約方法」にはいっさい触れず、今や遅しとその発表を待ちわびていた。待ち焦がれた情報が公共されたのは3月末、日本初公開予定日の約10日前だった。

世界限定3000台のうち、日本への割り振りはいったい台数なのか。注目されていたその答えは、ソフトトップが110台、RFが40台と、想像以上に少なかった。そして購入希望者は、専用Webサイトで「商談」の申し込みをするというスタイルで、まずはソフトトップから商談予約を開始した。しかし、受付期間はたったの10日間、しかも台数は110台、本気で購入を考えているファンにとっては、迷っている暇なんてない短期決戦となった。

予約が開始されるや否や、「魅惑のオレンジロードスター」を求めて予約殺到。その倍率は規定台数の17倍、つまり1900件以上の申し込みがあったことになる。これだけ申し込みが殺到すれば、少なからず転売目的で申し込んだ人も含まれるだろう。マツダもそれを懸念して、当選者を慎重に選んだという。

この数字を見れば多くの申請者が落選したことになる。普通なら落胆して終わりだが、30周年記念車は、まだもう一台ある。そうロードスターRFの特別仕様車だ。これの受付開始日は、ソフトトップの締切日から40日もあとに行われた。つまりソフトトップの特別仕様車に落選した人の中で「RFでもいい!」という、熱狂的なファンが再挑戦できるチャンスを設けていたマツダの戦略がニクい!これもロードスターのファンを大切にするマツダの心意気なのだろう。

しかし、RFの30周年記念車の台数はソフトトップの110台より少ない、わずか40台……これでは申し込み前から諦めてしまうファンもいるだろう。そこでマツダは、予約が開始される前に増車を発表。その数は40台から139台へと大幅に増えた。つまり99台もプラスしたのだ。ソフトトップで落選し、落胆していたファンに一筋の光を与えてくれたマツダに感謝したのか、これまた応募が殺到。蓋を開けてみればソフトトップよりも申込者が増え、なんと2000人以上が応募したという。

シリアルナンバー入りオーナメントがプレミアム感を演出
ロードスターファンのみならず、クルマ好きをも魅了した「30周年記念車」とはいったいどのようなクルマなのか紹介しよう。まずソフトトップの特別仕様車は、スポーティな足回りとレカロシートなど、充実した装備を備えたトップグレードの「RS(6速MT)」をベースにしている。一方、RFは6速AT仕様と6速MT仕様が設定され、MT仕様は「RS」を、AT仕様は「VS」をベースにしている。

注目の特別装備は、やはり専用開発された特別塗装の「レーシングオレンジ」のボディカラーだろう。歴代モデルでは2代目ロードスターに明るいオレンジ系のメタリックボディカラーが設定されていたが、レーシングオレンジはソリッドの濃いオレンジが特徴だ。その他に「30TH ANNIVERSARY」の刻印が施されたRAYS製鍛造アルミホイールとオレンジ塗装されたブレンボ製フロントブレーキキャリパーだろう。

インテリアでは、オレンジをアクセントにしたカラーコーディネートをレカロシートやシフトノブ、ドアトリム、エアコンルーバーベゼルなどに施している。さらにアルカンターラをドアトリムやインパネ、シート表皮に採用することで、ひとクラス上のラグジュアリーなインテリアを演出している。

30周年記念車の車両価格は、ソフトトップが368万2800円、RFの6速MT仕様が430万3800円、6速AT仕様が426万600円と、気軽に購入できる価格ではないにもかかわらず、多くのファンが購入を希望した「憧れのレーシングオレンジ ロードスター」。奇跡という偶然で手に入れることができたオーナーもいれば、そして惜しくも落選してしまった人も世界中にいる。多くのロードスターファンを虜にした30周年記念車は、「オレンジ色のニクいヤツ!」として生涯語り継がれるだろう。

[ アルバム : ロードスター 30周年記念車 はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

全長4.9m超え! 国内“最大級”の新型「ステーションワゴン」発表! めちゃデカい「荷室サイズ」がサイコー! 圧倒的な“快適性”実現した新型「パサート」とは
全長4.9m超え! 国内“最大級”の新型「ステーションワゴン」発表! めちゃデカい「荷室サイズ」がサイコー! 圧倒的な“快適性”実現した新型「パサート」とは
くるまのニュース
NIO、第3のブランド「ファイアフライ」で小型EV市場参入へ
NIO、第3のブランド「ファイアフライ」で小型EV市場参入へ
レスポンス
“惨事”で終えたタナク「滑りやすいのは予想外」「彼はチャンピオンにふさわしい」/ラリージャパン最終日コメント
“惨事”で終えたタナク「滑りやすいのは予想外」「彼はチャンピオンにふさわしい」/ラリージャパン最終日コメント
AUTOSPORT web
ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり
ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり
WEB CARTOP
フォードはいったいどこへ向かう!? 「ローンを滞納すると自動でディーラーに帰るクルマ」「ピザの自動配達」に続き「麻薬の運び屋防止装置」を開発していた
フォードはいったいどこへ向かう!? 「ローンを滞納すると自動でディーラーに帰るクルマ」「ピザの自動配達」に続き「麻薬の運び屋防止装置」を開発していた
WEB CARTOP
サンキューメルセデス! マクラーレン、コンストラクター争いのライバルフェラーリ抑えるラスベガスワンツーに感謝
サンキューメルセデス! マクラーレン、コンストラクター争いのライバルフェラーリ抑えるラスベガスワンツーに感謝
motorsport.com 日本版
トヨタ「“5人寝られる”ハイエース!?」公開! オシャな“レザー”&“ウッド”内装が超カッコイイ! 標準ボディ+2段ベッドの“車中泊”モデル「オーゼット グランドバケーション380」お台場で実車展示
トヨタ「“5人寝られる”ハイエース!?」公開! オシャな“レザー”&“ウッド”内装が超カッコイイ! 標準ボディ+2段ベッドの“車中泊”モデル「オーゼット グランドバケーション380」お台場で実車展示
くるまのニュース
普通のバイクのスタイリングが安心感を生む! カワサキの原付二種電動バイク『Ninja e-1』に試乗します~小野木里奈の○○○○○日和~
普通のバイクのスタイリングが安心感を生む! カワサキの原付二種電動バイク『Ninja e-1』に試乗します~小野木里奈の○○○○○日和~
バイクのニュース
ヒョンデのSUV『ツーソン』改良新型、ハイブリッドも設定…インドネシアで発表
ヒョンデのSUV『ツーソン』改良新型、ハイブリッドも設定…インドネシアで発表
レスポンス
ハミルトンが“すべての予測データを超える速さ”で10番手から2位「楽しかったけど、予選の失敗が悔やまれる」
ハミルトンが“すべての予測データを超える速さ”で10番手から2位「楽しかったけど、予選の失敗が悔やまれる」
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツは中国市場の「高級EV」で苦戦! EクラスやSクラスの顧客がファーウェイに奪われている
メルセデス・ベンツは中国市場の「高級EV」で苦戦! EクラスやSクラスの顧客がファーウェイに奪われている
THE EV TIMES
首都高の「激レア風景」12月消滅へ!? 箱崎JCTの「珍しい信号機」ついに撤去決定!「通行方法に変更があります」
首都高の「激レア風景」12月消滅へ!? 箱崎JCTの「珍しい信号機」ついに撤去決定!「通行方法に変更があります」
くるまのニュース
2024スーパーGT最終戦となる第5戦鈴鹿のエントリーリストが発表。一部車両を除きウエイトなし
2024スーパーGT最終戦となる第5戦鈴鹿のエントリーリストが発表。一部車両を除きウエイトなし
AUTOSPORT web
デザインスケッチを大量公開! アバルトの最新EV『600e』に息づく「伝統と革新」
デザインスケッチを大量公開! アバルトの最新EV『600e』に息づく「伝統と革新」
レスポンス
ボディタイプやパワートレイン、インフォテイメントなど、その時代を映す鏡となってきたラグジュアリーカーの今昔物語
ボディタイプやパワートレイン、インフォテイメントなど、その時代を映す鏡となってきたラグジュアリーカーの今昔物語
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「新型カクカクSUV」に反響多数! 全長4m以下のスクエアボディの5ドア仕様!? 正規販売待ち遠しい「ジムニー」に寄せられる声とは
スズキ「新型カクカクSUV」に反響多数! 全長4m以下のスクエアボディの5ドア仕様!? 正規販売待ち遠しい「ジムニー」に寄せられる声とは
くるまのニュース
ハセガワモビリティがYADEA最新モデル「K2」を表参道ショールームに展示! EICMA2024で公開された高性能電動バイクを日本で披露
ハセガワモビリティがYADEA最新モデル「K2」を表参道ショールームに展示! EICMA2024で公開された高性能電動バイクを日本で披露
バイクのニュース
カーナビ 自動車用板ガラス カーエアコン…… まだあるぞ 日本製が世界でトップシェアを誇っている分野8選【10年前の再録記事プレイバック】
カーナビ 自動車用板ガラス カーエアコン…… まだあるぞ 日本製が世界でトップシェアを誇っている分野8選【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb

みんなのコメント

5件
  • 幸運にもソフトトップ車に当選してロードスターオーナーとなることができました。
    本当に楽しいクルマです。オリジナルを守りながら免許返上まで長く乗り続けます。
  • レーシングオレンジいい色だな。
    mazda3のファストバックとかにも合いそう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8586.0万円

中古車を検索
ロードスターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8586.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村