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気になるニューモデル最新動向2021-2022[スポーツカー/スーパーカー編]まだまだガソリンエンジン車は健在

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気になるニューモデル最新動向2021-2022[スポーツカー/スーパーカー編]まだまだガソリンエンジン車は健在

スポーツカー/スーパーカーの世界にも電動化の波は着実に押し寄せてきているが、 2021年はそれでもまだ魅力的なガソリンエンジン車が続々と投入されている。(Motor Magazine 2022年2月号より)

電動化モデルSFはフェラーリ史上最強に君臨
2021年のスポーツカー&スーパーカーシーンは、旧世代のエピローグと新世代のプロローグのはざまにあって、全般的に見ればブレークタイムのようだった。欧州勢、とりわけスーパーカーブランドがそうで、次世代を担う電動化もしくは電動化前提のニューモデル発表が相次ぐ一方、日本市場における実際のデリバリーに関していえば、旧世代の延長線上にあるモデルが多かった。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

その間隙を見事についたのがシボレー コルベットである。1954年の登場から年もの間守り続けてきた「FRのGTカー」というコンセプトを潔く捨て去り、ミッドシップの本格スポーツカーへの大転換をGMは決意した。

もとよりその背景には世紀的なエンジン付きスポーツカー界において世界のトップを極めるという悲願(歴代コルベットが常にフェラーリコンプレックスを抱えていたことはよく知られているし、黎明期には新興勢力のポルシェがライバルでもあった)を達成する最後のチャンスでもあったし、同時にそれはスポーツカーとしてのコルベットの生き残りを賭けた選択でもあった。フロントエンジン車よりもリアミッドシップ車の方が重いバッテリー搭載には向いているからだ。

果たしてポンティアック フィエロくらいしか量産経験のないミッドシップの、しかもV8エンジンを積んだスーパーカーカテゴリーに属するコルベットの生産をGMは決意した。

過去のしがらみがない分、純粋にエンジニアリング主義を貫けたに違いない。第8世代のコルベットは街乗りから長距離ドライブ、そしてサーキットまでを高いレベルでオールマイティにこなす素晴らしいミッドシップカーに仕上がっていた。

今後は新設計のV8 DOHC自然吸気エンジンを積むZ06や、さらにその先のPHEV、BEV仕様の追加など、まさに期待は膨らむばかりである。

一方、スーパーカー界の雄フェラーリはといえば、最強のビジネスモデルを一層堅牢に固め、未来への確実な足掛かりを得ていた。

F8シリーズやポルトフィーノMといったシリーズモデルの日本デリバリーが順調に進んだ一方で、近い将来のフラッグシップとなるべく3モーター+バッテリーを積んだ新世代のV8ミッドシップモデル、SFシリーズを精力的に納車している。

ポルトフィーノMと2020年に登場したローマという姉妹モデルは、よくできたFRのスポーツカーという以外に、今後のフェラーリデザインを占う試金石にもなった。

フェラーリのロードカーデザインは今後、よりシンプルな方向へと向かうことが予想されており、296GTBや先だって発表されたイコナ(ICONA)シリーズ第3弾のデイトナSP3のように、派手な空力デバイスをできるだけ使わない方向を目指す。

事実上、新たなフラッグシップと目されるSFシリーズのパフォーマンスはまさに異次元であった。もはや公道でその性能を知るなんてことは不可能だ。過去のフラッグシップである12気筒FRシリーズにおける限定車812コンペティチオーネも日本で購入者のみに披露されたが、最大の魅力である官能的なエンジン性能もまた公道で味わうことは事実上無理というものだろう。

フェラーリは今、クルマを買ったあと、仕舞い込むのではなく頻繁に乗るユーザーを大切にしている。一般の人にも見せるチャンスを増やそうという魂胆だ。ブランドビジネスの要諦は裾野を広げていくこと。そのために高性能モデルやトラック専用車を買って、サーキットで楽しむための機会も増やしつつある。

一方でフェラーリ流のSUVやBEVの発表も間近に迫ってきた。ロードカーとサーキット専用車、マラネッロのビジネスは今後いっそう二極化することだろう。

BMWはMブランドを活用しスポーツカーの未来を模索
ジャーマン御三家のように、もはやフルラインナップブランドと化したメーカーは、その開発投資のカテゴリーが広がりすぎて苦労しているに違いない。

たとえばBMWは他ブランドと同様に新たなBEVシリーズで電化の地平を切り拓こうとする一方で、M3/M4のような伝統的エンジンスポーツモデルも進化させなければならなかった。

そういう意味では、3シリーズおよび4シリーズという基本ポテンシャルの高いスタンダードモデルを足がかりに、期待を上回る「M」を出してくれたことで、ファンならずとも安堵したに違いない。新型M3およびM4は箱型スポーツカーの原点に立ち戻ったかと思うほど、硬派でスリリングなマシンに仕上がっていた。

そしてBMWは、先日の日本カー・オブ・ザ・イヤーで「デザイン・カーオブザイヤー」を受賞した4シリーズのバリエーション拡大にも力を注いでいる。走行性能を高めたMパフォーマンスモデルとなるM440i xDriveカブリオレのデリバリーを開始する一方、7月には同仕様のグランクーペを発表するなど。大型キドニーグリルを持つ4シリーズでその存在感をアピールする。

ポルシェは2021年、「ひと段落」ついた年まわりだった。992シリーズとタイカンの派生モデルを精力的に上陸させている。

国によってはタイカンの人気が凄まじいが、やはりポルシェを代表するモデルといえる911シリーズの人気もまたとどまるところを知らない。タルガなど人気の集中したグレードではなかなか納車も進まなかったようだが、ターボSやターボのデリバリーも始まり、ここにきてようやくユーザーの手元に届きつつある。さらにGT3やGTSといった人気グレードの予約も開始されており、こちらは2022年早々にも日本上陸を果たしそうだ。

911ターボに乗って面白いと思ったことは、普通に乗っている限り純然たるグランツーリスモで、そういう意味ではスタンダードな911の延長線上にあるキャラクターの持ち主だったけれど、ひとたび乗り手が本気モードになれば、一気にスポーツカーの顔を出す。このメリハリがとても愉快。

翻って992型のGT3はというと乗った瞬間からキレッキレのステアリングフィールが印象的で、逆に攻め込んでいった時の安定感がこれまでにないレベルだった。キャラクターの演出を二層で企むあたり、ポルシェの911に対する入れ込みは我々が想像する以上に奥深い。

ランボルギーニもいよいよ電動化に向け歩み出す
最後にランボルギーニについて触れておこう。2021年末になってウラカンの高性能仕様STOをリリースした。サーキットでは汗をかかずとも速く走れてしまうモデルである。ランボルギーニのロードカー史上、もっともサーキットに近い存在だ。

SUVであるウルスの販売も相変わらず好調な一方で、超高額モデルのシアンも順調にデリバリーされている。シアンロードスターにも試乗することができたが、アヴェンタドールのネガ、たとえばISRの変速フィールを面白いように消していたという点で、確かな進化を実感した。同じメカニズムをもつカウンタックLPI800-4にも期待が持てそうだ。

フラッグシップのアヴェンタドールはウルティメという限定車を設定し、その生産をもっていよいよ11年に及んだモデルライフを終えることになる。アヴェンタドールは歴史上、もっとも成功した12気筒ミッドシップカーとなった。

今後、ランボルギーニは各レンジにおいてプラグインハイブリッド化を進める。V12気筒エンジンの継続開発も発表しており、ということはつまりアヴェンタドール後継の次世代フラッグシップはV12のPHEVとなるようだ。(文:西川 淳)

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みんなのコメント

2件
  • ガソリンエンジンのラストにコルベットもアリかな?と最近思ってしまう。
    一度はスーパーカー(風?)乗りたいよ
  • アメリカ価格で、コルベットに乗りたい。アメリカって、車安いよな〜ガソリンも安いし車検ないし羨ましい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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