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17号車Astemoが今季初勝利で一躍タイトル争いに名乗り。中盤には大クラッシュにより赤旗中断も|スーパーGT第6戦SUGO:決勝レポート

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17号車Astemoが今季初勝利で一躍タイトル争いに名乗り。中盤には大クラッシュにより赤旗中断も|スーパーGT第6戦SUGO:決勝レポート

 9月17日、スポーツランドSUGOでスーパーGT第6戦の決勝レースが行なわれた。GT500クラスは17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、GT300クラスは18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が優勝した。

 シリーズ第7戦のオートポリスではサクセスウエイトが半減、そして最終戦もてぎは全車追加ウエイトなしのレースとなるため、今回のSUGO戦はサクセスウエイトが通常通り加算される最後のレースとなる。ウエイトの軽いランキング下位のチームにとっては、ここで大量得点してタイトル争いに望みを繋げるチャンスだ。

■カーボンニュートラル燃料の導入を一時中断したスーパーGT・GT300クラス、CNF比率50%とした燃料の来季導入を目指しテストへ

 天候はレースウィークを通してスッキリしないものとなっているが、概ねドライコンディションで進行。13時30分スタートの決勝レースでも、上空は厚い雲に覆われた。グリッドレベルではごく弱い小雨が確認できたものの、本格的に降り出すことはなくドライ路面でレースがスタートした。周回数は84周、気温は28℃、路面温度は33℃だ。

■GT500クラス

 今回から全車が2基目のエンジンに突入したGT500クラス。ポールポジションは8号車ARTA MUGEN NSX-GTで、23号車MOTUL AUTECH Z、17号車Astemo NSX-GTがそれに続いた。ポイントリーダーでサクセスウエイト98kgの3号車Niterra MOTUL Zは8番グリッドからのスタートとなった。

 ポールの8号車を駆る野尻智紀は、序盤の10周で2番手以下に6秒のギャップを築くと、GT300のトラフィックを処理しながらトップを快走した。一方で前戦ウイナーの僚友16号車ARTA MUGEN NSX-GTは13番手からの追い上げを目指したが、トラブルか4周でルーティン外のピットイン。コース復帰は果たしたものの、早々にラップダウンとなった。

 レース距離3分の1である28周を消化し、ドライバー交代が可能となるタイミングを迎えると、まず真っ先に入ってきたのが中団の混戦の中で戦っていた100号車STANLEY NSX-GTと19号車WedsSport ADVAN GR Supra。その後も各車が続々とルーティンのピットストップを消化した。

 トップを走る8号車ARTAは、後続に十分なマージンを保ったまま、32周を終えてピットイン。野尻から大湯都史樹にバトンタッチし、先に入っていた23号車NISMOの前でコースに復帰した。しかし、その次の周にピットインした17号車Astemoは素早い作業でコースに戻り、8号車の前に立って事実上のトップに浮上した。

 そんな中で39周目に大きなクラッシュが発生。100号車STANLEYの山本のマシンがホームストレート上で大破しており、レースはセーフティカーが出されてほどなくして赤旗中断となった。どうやらGT300クラスの56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rと接触があったようだ。山本は意識があり、身体に痛みはあるものの手足は動かせる状態とのことで、ドクターヘリで病院に搬送された。

 レースは1時間近く中断された後、45周目に再開となった。この時点でルーティンストップを終えていなかった39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraと1号車MARELLI IMPUL Zがトップ2となっていたため、既にルーティンストップを終えていた多くの車両がラップダウンの状態で再開を迎える格好となった。上記2台と同一周回にいたのは、実質のトップ争いを繰り広げる8号車ARTA、17号車Astemo、23号車NISMOだった。

 17号車Astemoの塚越広大を攻め立てる8号車ARTA大湯は、52周目の1コーナーで17号車をオーバーテイク。全車がルーティンストップを終えたため、名実共にトップに返り咲いた。

 しかし、8号車ARTAの大湯は17号車Astemoの塚越、23号車NISMOの松田を引き離せない。後ろからプレッシャーをかけ続けられながらも首位をキープする8号車だったが、残り8周となるタイミングのホームストレートでついに首位陥落。17号車がレースリーダーとなった。

 17号車はそのまま首位でトップチェッカー。ここまで5レース全てでコンスタントにポイントを積み重ねていた17号車が、今季初勝利により一躍タイトル候補に浮上した。2位は23号車NISMOの猛攻を凌ぎ切った8号車ARTAだった。

 ポイントランキングは、1点を追加した3号車Niterraの千代勝正、高星明誠が50点で首位をキープ。17号車Astemoの塚越広大、松下信治組が1点差の49点で2番手、36号車au TOM'S GR Supraの坪井翔、宮田莉朋が48点で3番手と3メーカーのチームによる大激戦となった。

■GT300クラス

 GT300クラスのポールポジションは、96号車K-tunes RC F GT3。2番グリッドには20号車シェイドレーシング GR86 GTが続いた。ランキング上位につけてウエイト100kgを積む車両は4台いるが、その中でも56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rと18号車UPGARAGE NSX GT3は共にグリッド3列目に並んだ。なお公式練習のクラッシュで予選に出走できなかった31号車apr LC500h GT、48号車植毛ケーズフロンティア GT-Rは共に修復が完了し、グリッド最後列にマシンを並べた。

 序盤の10~15周はトップの96号車K-tunesの背後に20号車シェイドレーシングがつけ、少し間が空いて61号車SUBARU BRZ R&D SPORTと52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTが接近するという展開に。そんな中、ランキング5番手につける2号車muta Racing GR86 GTがスロー走行。ガレージにマシンを戻し、レースを終えることとなった。

 レースが動いたのは20周目。20号車シェイドレーシングの清水英志郎が96号車K-tunesの新田守男をオーバーテイクし、トップに浮上した。3番手争いは4台が絡む激しいバトルとなったが、52号車埼玉トヨペットが抜け出して前の2台を追った。

 そして23周を消化したタイミングで、早くも52号車埼玉トヨペットがピットイン。96号車K-tunesはその2周後にピットに入ったが、52号車の逆転を許した。

 その他の車両も続々とルーティンストップを終える中、39周目を迎えていたGT500クラスの100号車STANLEY NSX-GTが大クラッシュ。レースは赤旗中断となった。100号車は56号車リアライズと接触があったようで、56号車は100号車に対して危険なドライブ行為があったと判定され、ドライブスルーペナルティを科された。なお56号車は赤旗手順違反でもドライブスルーペナルティを受けた。

 レースが再開されたタイミングでは、ルーティンストップを終えていないチームが上位につけており、事実上のトップは4番手の52号車埼玉トヨペットだった。その後52号車は名実共にトップとなると、18号車UPGARAGE、20号車シェイドレーシングらによる大集団を引き連れていった。

 52号車埼玉トヨペットは独走状態に入ってファイナルラップに入ったが、ドライバーの吉田広樹はハザードランプを点滅させるシーンがあった。そして最終コーナーの上り坂に差し掛かった52号車は急激にスピードダウン。ガス欠なのか、マシンを左右に振りながらチェッカーを目指した52号車だったが、その横を18号車UPGARAGEがかすめていき、トップチェッカー。今季3勝目を挙げた。2位は最後の最後で勝利を逃した52号車、3位は20号車シェイドレーシングだった。

 これによりタイトル争いは、獲得ポイントを60とした18号車が大量リードで終盤戦に向かうこととなった。

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