わずか50台のみのスペシャルマシン
マセラティは、久しぶりのレース専用マシンとなる、GT2クラス向けのプロトタイプをシェイクダウンし、サーキットでテスト走行を行った。2023年6月末に開催される、FANATEC GT2ヨーロッパシリーズ第4戦 スパ・フランコルシャン24時間における正式発表に向けての序章となるとのことだ。
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空力性能などを徹底的に追求している
GT2カテゴリーは、ジェントルマンドライバーのために創設され、その名が復活している。まだカモフラージュが施されたマシンが走行したが、名車「MC12」を彷彿とさせるダイナミックなスタイリングが特徴となっている。
このGT2はマセラティのエンジニアとチェントロ・スティーレ・マセラティが共同で企画とデザインを担当。レーシングカーでありながら、マセラティらしい審美的な品質基準を満たしている。
車内はアルカンターラで縁取られたカーボンファイバー製ダッシュボードに、10インチダッシュボードディスプレイをセット。上質感と近未来感を両立したパッケージとなっている。
パワートレインはMC20に搭載した630psのV6エンジンを継承
そして、注目はなんといってもパフォーマンス性能だろう。F1エンジンをベースに特許を取得したマセラティ・ツイン・コンバスチョン技術や、超軽量カーボンファイバー製セントラルモノコックや軽量コンポジットボディワークを採用した。さらに、空力特性を極限まで追求し、垂直荷重を向上させつつ空気抵抗低減も実現している。加えてフロントスプリッターや調整可能なリアウイングとの相乗効果を高めるため、新たにフロアパネルを開発。高いねじれ剛性と曲げ剛性を持たせている。
パワーユニットは、マセラティMC20の630psを発揮するNettuno V6エンジンを進化させて搭載。ドライビングアシスタンスは全自動となっており、足まわりは前後とも緻密に調整できるショックアブソーバーと、アンチロールバーが装備される予定だ。トランスミッションは6速シーケンシャルレーシングギアボックスに電動ロータリーギアシフトアクチュエーター付きパドルシフトを採用している。
この新世代のレーシングカーであるGT2は、前衛的なデザインとスタイルの相乗効果が生んだ賜物。走るステージが一般公道からサーキットに変わっても、マセラティとしてのラグジュアリーな魅力が失われることはない、としている。この魅力的なレーシングマシンは、ジェントルマンドライバーのために50台が生産される。
GT1世界選手権でマセラティとともに4つのタイトルを獲得した、ドライバーのアンドレア・ベルトリーニは、GT2について以下のようにコメントしている。
「素晴らしい1台とともに、またレースに戻るところです。幾度となくテストドライブを行い、とてもいい感触を得ました。GTカーのステアリングを握るのはとてもエキサイティングなことであり、関係者全員が非常に熱心でモチベーションが高いということがよくわかりました。競合他社に負けないだけでなく、ハンドリング性能や快適性、パフォーマンスなどジェントルマンドライバーにとって理想的な製品となるよう開発を進めています。このGT2で、ユニークな感覚を味わってもらいたいのです」
6月末の正式発表を控え、さらなる開発を続けて進化していくマセラティGT2。どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、期待したい。
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