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BEVよりPHEVでいいのか!? 三菱のPHEV戦略の現状と今後の行方

 脱炭素社会の構築が国際的な目標となり、がぜん注目されるのがバッテリーのみで走行するBEV。

 しかし2021年冬に投入予定の三菱 新型アウトランダーはPHEVとして登場する予定だ。三菱が今プラグインハイブリッドを投入する理由とは!?

将来的なHV搭載に含み!? 新型86/BRZに電動化はあるか

文/佐藤篤司、写真/MITSUBISHI、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】BEV=絶対正義ではない!! 二刀流の強みを活かす三菱のSUV 現行型アウトランダーPHEVを見る

■脱炭素社会構築で注目!! バッテリーのみで走行するBEV

バッテリーのみで走行するBEVが主流になると、「給油」という言葉は死語になり、「給電」「充電」と言い表すことになるのだろうか

 もはや小学生だって知っているSDGs(持続可能な開発目標)。地域の別なく地球規模で、この17に及ぶ目標を達成に向かって進まなければ、明るい未来はないというわけであり、それが広く知れ渡ることになんの異論もない。

 さらに言えば17の目標の内、少なくとも13が直接的に環境に関連する項目であり、残りの4つも間接的に環境に関連するとなれば、差し迫った環境問題、脱炭素社会の構築には不可欠な目標といえる。

 そこで注目度が以前にも増して上昇しているのがバッテリーだけで走行するEV(以下BEV)の存在。

 欧州勢の急激なるEVシフトや、日本においても昨年末の菅総理や、小池百合子都知事といった政治家たちの口から「2030年代後半のガソリン車禁止を検討中」という方針を聞くと、いよいよ来たかという気持ちである。

 断っておくが日本政府の方針には「ハイブリッドは許容」するという断りは付くが、それでもBEV化一直線の風潮は強まっている。

■BEVが注目される中、三菱は……

現行型三菱 アウトランダーPHEV。2021年冬に投入予定の新型もPHEVとして登場予定だ

 そんな状況下で三菱自動車(以下三菱)が、新型アウトランダーPHEVをこの冬、日本で、さらには22年の後半、米国市場で投入すると発表した。旧型が登場以来8年ぶりの新型登場である。

 ところが一部から「BEVではないのか?」という声が聞こえてきた。これはある意味当然かもしれない。昨年9月に三菱は、10年前に世界初の量産型BEVとして生産してきた『i-MiEV(アイミーブ)』の生産を20年度中に終了するというニュースが報じられたからだ。

 これまで日産とともに量産BEVのパイオニア的存在であり続けてきたのに、なぜいまさらPHEVなのか? という事かもしれない。

 だが少し冷静になって、現在のあまりに性急なBEV化を俯瞰して欲しい。確かにBEVは今後の車社会が目指すひとつの理想である。一方でBEVが抱える諸問題も数多くある。

 何よりもPHEVやHVは今もってエミッションにおいて優れた性能を見せている。たとえばエクリプスクロスPHEVは18.6km/L(JC08モード)、現行のアウトランダーは16.4km/L(WLTCモード)という、SUVとして十分に評価できるエミッションを実現している。

 まだ詳細がはっきりしていないが当然のように新型のアウトランダーは、モーター出力の向上やバッテリー容量の増大によって、走行性能ばかりか環境性能まで進化させてくる。

 さらに実用面で見ても新開発プラットフォームとコンポーネントの一体化、さらにはレイアウトを見直して3列シートの7名乗りを可能にする、としている。一見、無関係のように見える利便性の向上も立派な環境性能の進化であり、PHEVをより魅力的に見せてくれる要素である。

■注目のBEVが抱えるいくつかの大きな懸念

三菱が新型アウトランダーをあえてPHEVとして投入するということは、BEVに懸念を抱いているということに他ならない

 そして今回、三菱がPHEVを開発し、投入している事にはBEVが抱えるいくつかの懸念事項が解決されていないからである。

 まず発電インフラについてであるが、火力発電が主流である日本においては、CO2の排出がクルマ本体からか、発電所からか、の違いだけともいえる。当然事ながらBEVは「CO2を一切出さないで走れる」ということにはならない。

 今後は再生可能エネルギーの技術的開発が進むことによって、火力に頼る発電割合は減ることも確かだ。

 しかし、今世界中が当面の目標としてあげている「アジェンタ2030」までに火力に取って代わることは、まず考えられない。再生可能エネルギーの不安定さやコスト面での高さなど、通常の生活のすべてをまかせるところまで至っていないというのが現状だろう。もちろん原発問題はつねに付いて回ることになる。

 さらに充電インフラについてもBEVには問題がある。最大の問題点は充電時間であり、1充電あたり30分というルールの急速充電器では、BEVを満充電とすることは出来ない。

 さらに充電現場でのマナーの問題によるユーザー同士の軋轢は、実際に経験したこともあるが、現状のインフラでは、そう簡単には解決できないかもしれない。

■内燃機関+バッテリーの強み

内燃機関とバッテリーを併用するPHEVは、どちらか片方が使えない状況に陥った時に絶大な強さを発揮する

 その点、PHEVという選択は現状に即した物だと思う。最近、冬期間に起こる雪道での立ち往生などで、BEVの充電切れによる無力化などが問題になったことも記憶に新しい。そうした点からもガス欠になってもガソリン車同様にジェリ缶から給油するだけで息を吹き返すのだから、ある種の頼もしさを感じる。

 BEV至上主義の方は反論もあるだろうが、現在、もっとも良識的な選択はどこにあるかを冷静に考えれば「BEV=絶対正義」というロジックにはならないはずである。

 単純にEVを増やせばいいということではなく、発電を含めたトータルでの政策を切に願っている。言い訳と取られてもいいがBEVを否定しているわけではないのだ。

 出来ることなら発電や充電、さらにはバッテリーの廃棄問題やソーラーパネルの耐用年数問題などなど、あらゆるネガティブ要素が少しでも解決されることを願っている。

 さらに言えば、アウトランダーPHEVを製造していく三菱だってBEVを諦めたわけではない。アライアンスを組む日産との共同開発によって22年には、ガソリン車に近い価格帯の軽自動車規格のEVを市場投入するという報道もある。

 1充電あたりの航続距離を200km程度に抑えることでバッテリーの重量を減らし、コストを出来る限り圧縮したという。「日本はBEVの世界でもガラパゴス化する」という懸念の声も聞こえてくるが、それほど日本車メーカーは弱体化しているとは思えない。

 日本は「機を見るに敏(きをみるにびん)」に長けているし、大きなうねりに対応するだけの技術的蓄積もある、と信じたい。

 私たちはこれまで色々と目撃してきた。中国で補助金目当ての消費されたEVが用済みとなって新たな環境問題を引き起こしていること。クリーンディーゼルの失敗から一気にEV化へと猪突邁進しているかのような欧州勢への懸念などなど。

 そんな状況をじっくり探りながら“最善の今と最良の近未来”に向かって歩んでいる日本車勢を、取りあえずは見守りたいのである。その先にはさらなる鷹来目標の「2050年のカーボンニュートラル」が待っているからこそ、今一度冷静なる議論をして欲しいと思っている。

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