リアドアと広い荷室を得たスポーツバック
アウディの小さなハッチバック、A3。2代目へ、5ドアのスポーツバックが追加されてから、20年が過ぎた。リアドアと僅かに広い荷室が与えられ、一躍人気者となり、現行の4代目では通常の3ドアモデルがラインナップから削られるほど。
【画像】今でも輝かしい傑作 アウディA3 スポーツバック(3代目) S3とRS3 サルーンと現行型も 全129枚
今回振り返るのは、2012年に登場した3代目A3のスポーツバック。英国の中古車市場を観察すると、この世代でも3ドアと5ドアの比率は1:7で、支持率に圧倒的な開きがあったことがわかる。
3代目A3のプラットフォームは、フォルクスワーゲン・グループのMQB。スポーツバックでは、ホイールベースが3ドアより35mm伸ばされている。だが、リアシートの空間は、背の高い大人には少々不足気味ではあった。特に高さ方向で。
荷室容量は、3ドアより15L大きい380L。リアシートを倒せば、1220Lへ拡大できる。幅広いユーザーへ対応するとはいえないまでも、充分実用的なハッチバックだといえる。
エンジンの主力は、優れた4気筒ガソリン。英国仕様で馬力と燃費を両立させていたのが、150psの1.4TFSI。2016年のフェイスリフト以降は、1.5TFSIへバトンタッチした。他に前期で1.8L、後期で2.0Lの、ひと回り大きいユニットも選択できた。
高性能なS4には、300psを発揮する2.0L 4気筒ターボを搭載。頂点のRS3には、367psを繰り出す2.5L 5気筒ターボが載っていた。こちらは、また別の機会に取り上げることにしよう。
欧州仕様には、ディーゼルターボも存在。109psの1.6TDIと、150psか183psの2.0TDIから選ぶことができた。
同年代のゴルフと同等のお値段
トランスミッションは、Sトロニックと呼ばれる7速オートマティックが選ばれることが多かったが、英国仕様の標準はマニュアル。前輪駆動に加えて、四輪駆動のクワトロも指定可能だった。
サスペンションは、リア側にマルチリンク式を採用。ドライバーの狙い通り、正確で不安感のない操縦性を獲得している。
インテリアは、2013年当時のほぼ完璧。ダッシュボード中央へ、上下に動くモニターを内蔵する。ただし、驚きや喜びを与えるようなデザイン上の処理はない。
英国仕様の場合、トリムグレードはSEがベース。16インチのアルミホイールに、キセノン・ヘッドライト、MMIインフォテインメント・システムなどを装備する。その上に、SEテクニックが存在した。
スポーツ・グレードでは、17インチ・ホイールとデュアルゾーン・エアコンを獲得。
Sラインには、スポーツシートとスポーツサスペンション、18インチ・ホイールが装備される。乗り心地は犠牲になるが。
フェイスリフトは2016年。ヘッドライトとシングルフレーム・フロントグリルのデザインが新しくなり、先述の通りエンジンのラインナップが更新された。
コンパクトな高級車という位置づけにあったA3 スポーツバックだが、中古車は比較的お手頃。2019年式の1.5TFSIが、同時期のフォルクスワーゲン・ゴルフ1.5TSIと同等のお値段で売られている。
もちろん、ゴルフは素晴らしいハッチバックだ。しかし、ブランドイメージや上質な作りを考えると、A3 スポーツバックへ気持ちが流れても不思議ではない。
新車時代のAUTOCARの評価は
A3 スポーツバックのボディは、非常に高い剛性感を与える。舗装の剥がれた穴を通過しても、まったく動じないように思える。
このガッシリしたプラットフォームのおかげで、ソフトな足まわりを実現している。若干ホイールベースが伸ばされたこともあり、乗り心地は上質。遥かにボディサイズが大きい、高級車を連想させるほど。(2013年4月19日)
オーナーの意見を聞いてみる
リー・ガードナー氏
「2015年に1.4TFSIを買いました。走行距離は10万kmを超えましたが、一度も後悔したことはありません。最初の3回の整備は正規ディーラーへお願いしましたが、以降は独立系のショップで診てもらっています」
「何か手を加えたい、と思う部分は殆どありません。最近、4本目のピレリ・タイヤを組みましたが、乗り心地と操縦性はバッチリです」
「残念なのが、ボディへ鳥が何度かぶつかっていること。塗装保護のフィルムを張っておくべきだったのかもしれませんが、安くありませんからね」
購入時に気をつけたいポイント
ボディ
ドアのエッジは、塗装が剥がれがち。下回りを除いて、凹みや修復痕がないか観察する。
インテリアと電気系統
エアコンは、2年毎にガス補充が必要。パーキングセンサーやクルーズコントロールなどが、正常に動くか確かめる。
インフォテインメント用モニターが上下する際、異音が出ないか確認する。通常は潤滑スプレーを吹けば治るが、一式の交換が必要な場合もゼロではない。
エンジン
アウディは3万km毎か2年毎のエンジンオイル交換を推奨しているが、毎年交換した方が安心だろう。ディーゼル・ターボエンジンはタイミングベルトで、5年毎か12万km毎の交換が必要。
1.4TFSIのガソリンターボでは、加速時に異音が生じる場合がある。ウエストゲート・アクチュエーターロッドの不調が、原因のようだ。
トランスミッションとブレーキ
当初デュアルクラッチ式だった、Sトロニックと呼ばれるオートマティックは、2016年から湿式クラッチへ変更。信頼性が大幅に向上した。
ブレーキフルードは、3年毎の交換が指定されている。電気機械式のサイドブレーキから、異音が出る場合がある。動作中はクルマが進まないか、効きを確かめたい。
サスペンション
路面の傷んだ区間を走行し、スプリングやダンパー、ブッシュからの異音へ耳を傾ける。Sラインを検討しているなら、通常のサスペンションと、乗り心地を比較した方が良いだろう。明確に硬い。
知っておくべきこと
3代目のA3 スポーツバックには、プラグイン・ハイブリッドが存在した。e-トロンを掲げた、初のアウディだった。
エンジンは150psの1.4TFSIユニットで、リアシートの下に102psの駆動用モーターと8.8kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載。システム総合の最高出力は、203psがうたわれた。AUTOCARの計測によると、車重は1645kgと軽くない。
エンジンと駆動用モーターを協調させるオート・モードでは、 23.1km/Lの燃費を得られる。アウディは49kmを電気の力だけで走行可能と主張したが、現実的には30km前後となる。
英国ではいくら払うべき?
3000ポンド(約56万円)~7999ポンド(約147万円)
英国では、走行距離の伸びたフェイスリフト前のA3 スポーツバックで、ディーゼルが売られている価格帯。
8000ポンド(約148万円)~1万1999ポンド(約222万円)
走行距離が短めのA3 スポーツバックをお探しなら、英国ではこの価格帯から。1.5Lガソリンや、後期の1.0Lガソリンが出てくる。
1万2000ポンド(約223万円)~1万6999ポンド(約315万円)
2019年式前後の、状態の悪くないA3 スポーツバックを英国では探せる価格帯。
1万7000ポンド(約316万円)~1万9999ポンド(約371万円)
正規ディーラーの認定中古車をお考えなら、この価格帯から。
2万ポンド(約372万円)以上
走行距離が非常に短い、極上のA3 スポーツバックを英国では選べる。
英国で掘り出し物を発見
アウディA3 スポーツバック 1.5TFSI SEテクニック 登録:2019年 走行距離:4万200km 価格:1万6950ポンド(約315万円)
整備記録がしっかり残った、状態の良いワンオーナー車。1.5LガソリンエンジンにATが組み合わされ、充分にパワフルでスムーズ。優れた燃費も得られるだろう。
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