希少性の高さも際立つモデルたち
人と同じクルマでは物足りない、という人が行なうことが多い自動車カスタマイズ。ホイールを交換するといったものから、ベース車がなんだったのか分からなくなるほど大幅な変更がなされたものまで、じつに幅は広い。
嗚呼、懐かしのクルマ文化「昭和に流行ったカスタム&スタイル」6選
そんな“気合いの入ったカスタムカー”のような車両が、実は自動車メーカーが発売したクルマだったらビックリしてしまうのではないだろうか。今回、そんなメーカー純正のカスタムカーを4台ピックアップしてみた。
トヨタ・コロナスーパールーミー
トヨタのミドルクラスセダン、コロナ。といっても2001年に消滅してしまっているため、若い世代には馴染みのない名前かもしれない。しかし1950年代から存在する歴史あるクルマであり、80年代には「カローラ<コロナ<マークII<クラウン」という、ステップアップや格付けの図式にも挙げられた。
そんなコロナの9世代目に存在していたのが、1990年に500台限定で販売された「コロナスーパールーミー」。ミドルセダンのコロナをまさかのリムジン化したモデルで、伸ばされたホイールベースは210mm。延長されたBピラー部にはエクストラウインドウまで装備されるという徹底ぶりだった。
三菱・デボネアAMG/ギャランAMG
一般的にステッカーチューンやエンブレムチューンを行なう時、他メーカーのワークスチューナーのものを使用するのはご法度だ(例:トヨタ車にNISMOのステッカー)。そういった意味では三菱車に「AMG」という組み合わせはNGというイメージなのだが、これもれっきとしたカタログモデルなのである。
1980年代後半の2代目デボネア及び6代目ギャランに設定されていたAMGは、現在の「メルセデスAMG」が手掛けたモデル。ただ、当時のAMGはメルセデス傘下ではなく、独立したチューナーという立場だったから実現したというワケなのだ。デボネアは内外装のカスタムが中心だったが、ギャランについてはエンジンやミッションもAMGの手が入ったチューニングモデルとなっていた。
トヨタ・クラシック
名のとおり、クラシックな雰囲気をまとった1台は、トヨタの市販車生産60周年記念車としてトヨタテクノクラフト(現:トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)が手掛け、限定100台で1996年に販売されたもの。
そのエクステリアのモチーフは、トヨタ初の量産乗用車として1936年に登場したトヨダAA型乗用車であり、クラシックはその特徴をよくとらえているといえる。しかし、驚くべきはピックアップトラックのハイラックスをベース車としたこと。果たして当時のトヨダAA型乗用車とどちらが乗り心地がいいのか気になるところである。
スバル・インプレッサ カサブランカ
インプレッサというとラリーのイメージが強いが、初代モデルのスポーツワゴンには、クラシカルなエクステリアを持った「カサブランカ」というグレードを用意。当時はスバルのクラシック風モデルのサンバークラシックやヴィヴィオビストロが人気を博しており、その勢いに乗って登場したモデルだった。
1997年の東京モーターショーに参考出展された同車は翌年末に5000台限定で販売され、翌年にはカタログモデルへと昇格。しかし、サンバーやヴィヴィオとは異なり、スポーティなモデルか実用的なワゴンが欲しいという両極端なユーザーには受け入れられなかったのか、残念ながら大ヒットモデルとはならなかった。
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