米フィスカー・インクは3月18日、2021年後半の市場投入を目標に開発を進めている新しい電動駆動のSUVについて概要を発表した。
BMWやアストンマーティンで活躍したデザイナー、ヘンリック・フィスカー率いるフィスカー・インクは、カリフォルニアを拠点にEVの開発を行う新興企業。実は、ヘンリックが自身の名を冠したブランドを運営するのはこれが初めてではない。一時期テスラ「モデルS」のライバルとも評された「フィスカー・カルマ」を記憶している人は多いと思うが、このカルマを生み出したのが、自ら創設した「フィスカー・オートモーティブ」だったのだ。
革新的なテクノロジーと美しいデザインを持ちながらも、バッテリーに起因するトラブルでカルマは悲運を辿り、フィスカー・オートモーティブも人手に渡ったが、再起をかけたヘンリックはリベンジを果たすべく、フィスカー・インクで現在3つの量産車の投入を計画している。そして、記念すべき第1弾となるのが今回のSUVなのだ。
まだ車名も決まっていないこのSUVだが、公開されたスケッチによると、テスラ「モデルX」などとは異なるワイルドなテイストとなる模様。また、薄型ヘッドライトの目力の鋭いフロントマスクには、グラスエリアの背後に仕込まれたレーダーや、必要に応じてエアーを導入するローワーグリルなど多くの新機軸が盛り込まれているようだ。
駆動方式はフロントとリアの2モーターによるAWDで、80kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。航続距離は480km程度になるとのこと。開放的な雰囲気のインテリアには、モダンでハイクオリティな素材が用いられ、ヘッドアップディスプレイやユニークなインターフェイスが用意されるというからこちらも期待大だ。
こうした意欲的な内容にもかかわらず、ニューモデルの価格はオンラインによる直販形式を採ることで4万ドル(約440万円)以下に抑えられる見通し。走行可能なプロトタイプは本年末にも公開される予定なので、これからもフィスカー・インクの動向に注目していきたい。
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