■超絶魅力的なコンプリートカーを振り返る
かつて、クルマをチューニングする行為は、アウトローなイメージがありました。しかし、今では合法的なチューニングカーが数多く存在し、市民権を得ています。
「速いのは俺だ!」 最速は時速325キロ!? 速すぎる国産車3選
クルマの諸性能を向上させるチューンナップや見た目を自分好みに仕立てるドレスアップは、当初、チューニングショップや、一部のプライベーターがDIYでおこなっていました。
しかし、近年では自動車メーカーや関連会社がチューニングするケースも珍しくなく、完成車として販売されるコンプリートカーは高品質なことから人気を集めています。
そこで、特別に仕立てられた高性能かつアグレッシブなスタイリングのコンプリートカーを、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「86 GRMN」
トヨタのコンプリートカーというと、TOYOTA GAZOO Racingが監修・開発した「GR」シリーズが数多くラインナップされていますが、なかでもハードにチューニングされたモデルが「GRMN」シリーズです。
そのなかの1台で、2016年に発表されたコンプリートカー「86 GRMN」は、妥協るすことなく仕立てられたピュアスポーツカーでした。
86 GRMNは、ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦を通じて得られた知見を生かして開発され、エンジンでは吸排気系の変更に加え、エンジン内部パーツの低フリクション化により、アクセルに対する応答性を向上。
最高出力はベースの200馬力から219馬力へと向上し、エンジン型式も専用に「FA20-GR」と名付けられていました。
ボディはカーボン素材のボンネットとトランクリッド、ルーフパネルに加え、ポリカーボネイト製のリアウインドウとクォーターウインドウの採用などによって徹底的な軽量化と低重心化が図られ、カーボン製リアウイング、フロントスポイラー、バンパーサイドフィンなどの各エアロパーツが追加されながらも1230kgの車重がキープされました。
また、補強材の追加によるボディ剛性のアップとともに、専用セッティングされたサスペンション、前後異径タイヤの採用とブレーキの強化など、「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能向上を追求。
内装では2シーターとなっており、専用のレカロ製スポーツシート、小径ハンドルの採用など、まさにサーキットでのパフォーマンスを重視したストイックなモデルでした。
86 GRMNは100台限定で発売され、価格は648万円(消費税8%込)と高額ながら即完売しました。
●スバル「S209」
スバル車をベースにしたコンプリートカーを数多く手掛けてきたのが、スバルテクニカインターナショナル(以下、STI)です。
1998年には、STI初のコンプリートカーであり、今では伝説的なモデルとなった「インプレッサ 22B STiバージョン」が発売され、これまで数々の名車が誕生しました。
そのなかでもかなりアグレッシブなモデルだったのが、2019年に209台が限定販売された「S209」です。
S209は北米市場専用のモデルで、WRX STIをベースに外観ではカナード一体型フロントオーバーフェンダーとリアオーバーフェンダーが装着され、ボディサイズは全長4620mm×全幅1839mm×全高1475mmとベース車に対して全幅が44mmワイド化され、ローダウンした全高と相まって迫力あるフォルムを実現。
また、専用の前後アンダースポイラーとドライカーボン製の大型リアウイングが追加され、ハイスピードレンジにおける空力性能を向上させていました。
ほかにもカーボン製ルーフによる軽量化と低重心化、サスペンションにはビルシュタイン製ダンパーに強化されたコイルスプリングとブッシュを採用するなど、コーナリング性能が大幅に向上していました。
エンジンは北米仕様のWRX STIに搭載されていた2.5リッター水平対向4気筒ターボ「EJ25型」をベースに、大径ターボチャージャーと専用設計の低背圧マフラーの装着や、専用ECUによるチューンナップの結果、最高出力345馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは6速MTのみでした。
S209が発売されると争奪戦が繰り広げられ、即完売し、残念ながら日本では販売されませんでした。
●日産「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS」
2022年1月に国内仕様が発表された日産7代目「フェアレディZ」は、本年6月にはデリバリーが開始される予定で、すでに歴代のモデルと同じくモータースポーツのステージに起用されることが決まっています。
初代からモータースポーツに直結してきたフェアレディZですが、2007年にNISMOの手によって開発されたコンプリートカーの「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS」(以下、380RS)は、まさに公道を走るレーシングカーをコンセプトとしていました。
380RSは5代目(Z33型)のスーパー耐久参戦用ホモロゲーションモデル「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS-Competition」をベースに、公道仕様にモディファイされた限定車です。
外観は前後のバンパーとスポイラー、サイドシルプロテクター、フェンダーモール、大口径スポーツマフラー、エンブレムなどが専用装備となっていましたが、同じくNISMOが開発した「Version NISMO」と一見すると変わらない仕様でした。
一方、エンジンは380RS専用に仕立てられ、スタンダードモデルの3.5リッターV型6気筒「VQ35HR型」をベースに排気量を3.8リッターにアップし、高強度の鍛造ピストン、強化素材のコンロッドとクランクシャフト、専用プロフィールのカムシャフトなどが組み込まれ、最高出力は350馬力を発揮。
同時にシャシ剛性のアップと、スプリングやダンパー、スタビライザーが強化されたサスペンション、ブレーキは4輪ともブレンボ製アルミキャリパーが装着され、運動性能も大幅に向上していました。
380RSは300台限定で販売され、当時の価格は539万7000円(消費税5%込)とかなり高額でしたが、チューニングのメニューからすると妥当なプライスだったといえます。
ちなみに300台限定となったのは、エンジンの生産台数が300基と決まっていたからです。
※ ※ ※
2021年8月に新型「GR 86」が発売され、2022年には前出の新型フェアレディZに加えてホンダ新型「シビック タイプR」の正式発表も控えています。
近年のSUV人気の高まりや、電動化が加速しているなか、ピュアスポーツカーの火はまだまだ消えていません。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダ「“2列6人乗り”ミニバン」がスゴイ! 「前列に3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! めちゃ“クセ強”な「エディックス」とは?
MTあり! スズキの「斬新4輪モデル」がスゴい! 高性能「4WD」×めちゃタフデザインで超楽しそう! 鮮烈「スズキイエロー」も設定の「ATV」が“偉業”達成
新型「“R36”GT-R」まもなく登場!? 「4.1リッターV6」搭載で1000馬力発揮!? 旧車デザイン採用の「和製スーパーカー」生産状況を公開に「楽しみ!」と話題に
なぜ免許証とマイナカード「24年度末」までに一体化? 紛失したら運転できない? 国民にメリットあるのか
えっ!「車検」通らなくなる!? “2026年夏”から始まる「ロービーム検査」って何? “延命処置中“に考えたい対策とは
運転免許をもつ[日本人の8.1%]が75歳以上の高齢ドライバーってマジ!? その世代に向けての警察庁の[策]も気になる!
角田裕毅、FP1で痛恨のスピン。赤旗原因に……F1イギリスGP初日からつまずく
なぜ免許証とマイナカード「24年度末」までに一体化? 紛失したら運転できない? 国民にメリットあるのか
ホンダ「“2列6人乗り”ミニバン」がスゴイ! 「前列に3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! めちゃ“クセ強”な「エディックス」とは?
えっ!「車検」通らなくなる!? “2026年夏”から始まる「ロービーム検査」って何? “延命処置中“に考えたい対策とは
みんなのコメント