■巨大な水素タンクをボディ後部に搭載
米国に拠点を置くスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(Scuderia Cameron Glickenhaus:以下、SCG)は、長距離オフロードレース「バハ1000」参戦用の新しい燃料電池バギーの画像を、2022年1月18日に初公開しました。
【画像】ボディに対してタンクでかッ!? 迫力ボディのSCG新型バギーがカッコいい 画像で見る(10枚)
SCGは、大のクルマ好きとして知られる映画プロデューサーのジェームズ・グリッケンハウス氏が設立したスポーツカーメーカー/レーシングコンストラクターです。
前述のバハ1000や、ル・マン24時間レースに参戦するための車両も開発しており、2021年のル・マン24時間レースではチームから2台が参戦。総合4位と5位を獲得しました。
今回、SCGが発表した燃料電池バギーは、頑丈そうなパイプフレームに囲まれるようなかたちで、車両後部に水素タンクを搭載。
ボディ自体の大きさにも負けない巨大タンクを“背負っている”ような外観が特徴といえます。
フロントフェイスは、4輪装着されたオフロードタイヤのスペアタイヤ用と思われる、5つ目のタイヤが装備されており、ルーフのLEDライトバーと相まって、迫力ある顔つきとなっています。
搭載される燃料電池システムなどをはじめとした詳細は明らかにされていないものの、SCGは砂漠の真ん中でも給水素できる体制を確立すると説明。
ゼロ・エミッション車としてバハ1000を完走できるマシンや周辺インフラを整えることで、「世界を変える」(グリッケンハウス氏)と説明しています。
グリッケンハウス氏は、「私たちのバギーは、バハ1000を走破出来るクルマになります」としたうえで、燃料電池バギーの開発の狙いについて、次のように説明します。
「燃料電池にまつわる可能性の限界に挑戦することは、大きなチャレンジです。
オフロード水素車両の安全性に関するFIAの規制も、道路走行車の安全性に関するNHTSAの規制も十分になく、(燃料となる)極低温の水素でテストできる研究所も全米で4つほどしかありません。
我々のニーズを満たす既存の水素車載タンクも、燃料補給のインフラもなく、極低温水素の供給も、レースもまだできていないのです。
アメリカで極低温水素を燃料として使っているのは、主要大学となるふたつの学術研究所、ひとつの試験施設、ブルーオリジン(民間航空宇宙企業)、NASA、そして米軍だけのようです。
しかし、私たちはチャレンジを受け入れます。私たちは既存のものを作るのではなく、未来の輸送手段を作ります」
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みんなのコメント
外気温や振動で水素が気化するのをどうコントロールするか・・ですよね。
すると、その見えてる大きな箱は冷凍庫かな?
冷凍庫の電源はバッテリーと燃料電池なのかな?
圧縮方式と低温方式の双方の技術が進化して
適材適所で使えるようになったら良いですね。