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国内バン市場が過熱、日産も参戦 ルノー「カングー」を日産ブランドで 広がる商用車のOEM、そのメリットとは

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国内バン市場が過熱、日産も参戦 ルノー「カングー」を日産ブランドで 広がる商用車のOEM、そのメリットとは

■ルノーの稼ぎ頭「カングー」、日産ブランドに

 今年に入り、国内商用車市場が注目されています。5月にはスズキが大型キャビンを持つ「スーパーキャリィ」を皮切りに、ホンダも7月に「N-VAN」を市場投入し、人気となっています。トヨタも11月中にも人気の商用バンである「プロボックス/サクシード」にハイブリッドモデルを追加する予定です。

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 2018年11月8日(木)に、アライアンスを組むルノー、日産、三菱自動車の3社が、フランスにおいてバンの生産を拡大すると発表。モブージュおよびサンドヴィルの工場で、日産向け、三菱向けを含む新型バンを生産します。

 モブージュ工場はルノー「カングー」シリーズの生産拠点です。ルノーグループは同工場をさらに、EVモデルを含む次世代「カングー」シリーズの生産拠点としても位置づけ、今後5年間で「カングー」の生産に4億5千万ユーロ(約585億円)を投資、2019年には200名を新規雇用してバンの生産拡大をサポートするとしています。

 現在、モブージュ工場では「カングー」のOEM車としてメルセデス・ベンツのバン「シタン」も生産していますが、今回、現行型「カングー」のプラットフォームをベースにした日産の新型バン「NV250」も2019年半ばから生産を開始すると発表されました。

「カングー」は本国フランスでは1997(平成9)年に発売、日本には2002(平成14)年に登場しました。もともと、荷室を広く、高くした小型商用車として開発され、フランスでは郵便車として採用されるなど、欧州では商用利用が基本です。一方、日本ではファミリーカーとしての需要が高く、ルノー・ジャポンもそのような商品としてウェブサイトなどでPRしています。

 現在では「カングー」が日本におけるルノー車の販売台数の約3割を占めるほど。2018年5月に山中湖で開催されたファンイベント「ルノー カングージャンボリー2018」には、全国から1000台以上の「カングー」が集結したことなどからも、日本における根強い人気がうかがえます。ちなみに、現行型の「カングー ゼン」にはMTと、ATに近いフィーリングのEDC(エフィシエント デュアル クラッチ)が設定されていますが、欧州ではほとんどがMTの需要というなかで、EDCは日本側の働きかけによって誕生したものです。

■日産版「カングー」、商用だけじゃない?

「カングー」を商用車「NV250」としてラインアップすることについて、日産はどう考えているのでしょうか。

「『カングー』はそもそもが商用車。日本でも欧州と同じように、ビジネスで利用いただくことを想定しています」とのこと。ただ、「バン」と「ワゴン」の2タイプでラインアップするといい、このうち「ワゴン」は乗用の3ナンバー車とのこと。日本における「カングー」と同じような立ち位置になるかもしれません。

 そして今回さらに、サンドヴィル工場における三菱車の生産も発表されました。同工場はルノーの小型商用車「トラフィック」をはじめ、イタリアのフィアットや日産向け小型車両の生産拠点ですが、「トラフィック」のプラットフォームを採用した車両を、三菱がオーストラリアやニュージーランド向けに調達するそうです。

 日産が欧州で展開している「NV300」も、このルノー「トラフィック」のOEM(相手先ブランド)車。ほかにフィアット、ドイツのオペル、イギリスのボクスホールにもOEM供給されており、ここに三菱が加われば6メーカー展開の車種となります。

 このようなOEMは、供給する側にとっては自社の生産量を確保し、工場を安定的に稼働できる、供給を受ける側としては、自社開発が難しい車種を補完できるといったメリットがあります。たとえば日本でも、日産、三菱、マツダがスズキから、トヨタ、スバルがダイハツからそれぞれ軽バンなどのOEM供給を受けているほか、国内外で、企業グループの垣根を超えた供給も見られます。

 ルノー・日産・三菱アライアンスのカルロス・ゴーン会長は、「ルノーグループの有するグローバルなバンの専門知識は、アライアンスのシナジー創出を加速させる」とし、100%電気自動車と小型商用車をルノーグループにおける成長の2本柱と位置付けています。ルノーの供給を含め、グローバルなOEMの流れが今後さらに加速するかもしれません。

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