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【ライバル比較】SGPを採用するスバル「XV」と「インプレッサ」を比較試乗

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【ライバル比較】SGPを採用するスバル「XV」と「インプレッサ」を比較試乗

林道を閉鎖したコースで2リッターモデルを比べた

2017年4月1日、それまでの「富士重工業」から「SUBARU」へと社名が変わった。その改名後に初めて発表されたフルモデルチェンジが「SUBARU XV」であることは偶然ではないだろう。国内でのラインアップを一覧すればわかるように、このアーバンSUVの名称は「XV」ではなく、あくまでも「SUBARU XV」。まさに新生SUBARUのスタートにふさわしいニューモデルである。

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さて、新型SUBARU XV(以下、XV)は全車AWD(四輪駆動)の設定で、エンジンは1.6リッターポート噴射ガソリンと2リッター直噴ガソリンの2種類を用意する。トランスミッションはいずれも同じ変速比幅のリニアトロニック(チェーン式CVT)となっている。このパワートレインは、2016-2017年日本カー・オブ・ザ・イヤーでイヤーカーに選ばれた同社のインプレッサと同じもの。いや、それだけではない。ボディも「スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)」と名付けられた新世代シャーシに支えられたものとなっている。

今回、新型XVの発売(5月24日予定)を前に、軽井沢のレジャー施設に設けられたクローズドコースで試乗することができた。その会場には、インプレッサも用意されており、せっかくの機会ということで乗り比べをすることを許されたので、さっそく報告したい。

試乗したのは舗装林道を閉鎖したといえるコース。一部の舗装は荒れているし、数カ所のギャップもある。けっして整えられたテストコースではないからこそ、見えてくる部分に期待してコクピットに収まった。

まず、ステアリングを握ったのはインプレッサスポーツ(5ドア)。2リッターエンジンで18インチタイヤを履いたグレードだ。すでにさまざまなシチュエーションで試乗したことのあるインプレッサで先に同じコースを走って、ベンチマークにしようという算段だ。とはいえ、林道的なクローズドコースでは出せる速度にも制限がある。あくまでも日常的な走りにおける違いを感じることができれば、という前提だ。

それにしても、インプレッサに採用されたSGPの乗り味は、こうしたコースで存分に感じることができる。とくに後輪の接地感は抜群。整備された路面でなくとも、表面のザラザラ感を吸収しつつ、さらにタイトなコーナーの旋回時に四輪で曲がっていくのは安心感につながるし、ドライバーの気持ちよさも盛り上げてくれる。

40扁平タイヤを巧みに使い、しっとりと吸い付くようなフィーリングが味わえるのだ。ただし、しなやかさの関係なのか、意外にもロールは大きく感じた。伸び・縮みとも足はしっかりと動いている。

車高の高いXVのほうがロールが少なく感じられる

では、最低地上高が200mmと高くなっているXVは、インプレッサスポーツ以上にロールして感じるのかといえば、答えはノー。たしかに重心高は高いのだろうが、ロールの中心軸(ロールセンター)が重心位置に近づいているようで、ロールそのものが大きいという印象はない。

むしろ、同じ18インチとはいえ55扁平となったタイヤが受け止める領域もあり、旋回時のロールは少ないようにさえ感じるのだ。だからといってサスペンションが硬く締め上げられているわけではない。前述したようにいくつかのギャップではサスペンションがしっかりと伸び縮みして衝撃を受け止めていることも確認できた。どちらが優れるかというのは難問で、インプレッサは40扁平タイヤながらマイルドに仕上げているのは見事であるし、一方でクロスオーバーSUVスタイルのXVでは車高を感じさせないナチュラルなハンドリングを実現しているのも見事。

そして、新世代プラットフォームのSGPが、こうした正反対ともといえそうなキャラクターを、いずれも実現できるというのは、二台を乗り比べての発見だった。

さて、乗り比べたXVとインプレッサは、同じ2リッター直噴ガソリンエンジン(もちろん、水平対向4気筒だ)を積んでいたが、こちらは意外なことにアクセル操作へのツキはXVのほうが優位に感じられた。

スペックを見比べると、最終減速比(ファイナルギヤ)が異なっている。インプレッサの3.700に対してXVは3.900と低めなのだ。基本的には異なるタイヤ外径でも同等の発進加速を実現するための違いだろうが、こうしたローギヤード振りのセットアップが、ちょっとしたフィーリングの差につながっているのではないだろうか。

というわけで、クロスオーバーSUVのXVは、重心の高さにより走りにネガがあるということはなかった。もちろん、物理的にも、ドライバーの視点からもインプレッサのほうが有利なのは間違いないだろうが、それぞれ味付けの方向が異なることで、同じベクトルでは比較できないと感じたのだった。

それにしても、SGPのポテンシャルは高い。これからSUBARUがどのようなブランドに育っていくのかは想像するほかないが、クロスオーバーSUVのエントリーといえる「SUBARU XV」の仕上がりを考えると、右肩上がりの好調は、まだまだ続きそうだ。

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