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XC90やXC60などに搭載されるPHEVシステム「T8」シリーズを徹底解剖【ボルボのSUV特集】

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XC90やXC60などに搭載されるPHEVシステム「T8」シリーズを徹底解剖【ボルボのSUV特集】

世界中の自動車メーカーが本格的な電動化を表明する中、PHEVで時代を先取りしているのが、ボルボが誇る「T8」シリーズだ。最先端であり最上級のアイコンとしてのその魅力を、検証してみよう。(以下の記事は、Motor Magazine 2018年8月号より)

ボルボ「T8」のこだわり
PHEVが環境に優しいとされる理由は電気自動車(EV)と基本的に同じだ。外部電源で充電して走行するEVは走行時にCO2を排出しない。PHEVも同じように外部電源から充電して走行できるので、やはりCO2を排出しない。地球規模でCO2排出量の削減が叫ばれている現在、EVとPHEVが注目されている最大の理由は、ここにある。

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いっぽうで、PHEVはEVにない大きなメリットを備えている。それは、バッテリーに充電した電気を使い終わっても、車両に搭載されているエンジンが生み出すパワーで走り続けられる点にある。したがってPHEVであれば、EVのように1回の充電で走行できる航続距離を心配することなく、気軽に長距離ドライブに出かけられる。PHEVが「EVとエンジン車のいいとこ取りをしたクルマ」と評価されるゆえんだ。

PHEVのもうひとつの魅力が、パワフルな走りを楽しめる点。ガソリンなどを燃料とする通常のエンジンと電気モーターというふたつの動力源を有しているPHEVは、それらを協調して用いることで、エンジンだけ、もしくは電気モーターだけで走るよりもはるかに力強いドライビングを実現できる。しかも、エンジンと電気モーターの組み合わせ方を様々に変化させることで、電気モーター中心の走りも、エンジン中心の走りも可能で、さらにいえばエンジンの力で発電し、バッテリーを充電することさえできる。たとえバッテリーに充電した電力を使い切ったとしても、走行中にふたたびチャージできるのだ。

環境にやさしいクルマ作りの最先端を走るボルボの選択
スカンジナビアンデザインと優れた安全性で人気のボルボも、2016年に発表したフラッグシップSUVのXC90で初めてPHEVをラインナップして以来、この新時代の環境車を熱心に開発し、世に送り出している。常に「人」を中心としたクルマ作りを標榜するボルボが、環境を大切にする製品を生み出すのはある意味で当然のこと。第一作目のXC90に続いてフラッグシップ ステーションワゴンのV90、ミディアムサイズSUVのXC60にもPHEVを投入。ユーザーのライフスタイルに応じた幅広い選択肢を用意する。

そんなボルボ、実は2025年までにPHEVに代表される電動化自動車を累計で最大100万台販売するという壮大な目標を掲げている。これは、2017年の販売台数が57万台余りだったボルボにとってはかなり野心的な計画といえる。これを実現するため、2019年以降にボルボが発売するすべての新型車にはPHEV、EV、もしくは簡易式システムのマイルドハイブリッドのいずれかをラインナップすることを発表済み。ボルボの未来は電気エネルギーとともにある、といっても過言ではないのだ。

ところで、ボルボが現在、世に送り出しているPHEVには、いずれも「T8ツインエンジン」というグレード名が与えられている。このうち、最初の「T8」はボルボのエンジンラインナップ中、もっとも強力なパワープラントであることを意味する。

もともとかつては4気筒、5気筒、6気筒、8気筒と様々なタイプのエンジンを生産していたボルボだが、一定の範囲内であればシリンダーの数が少ないほうがエンジンの効率を高めるには有利との原則に基づき、現在はパフォーマンスとのバランスを 慮して4気筒に一本化。ターボチャージャーやスーパーチャージャーといった過給器との組み合わせ方で様々な用途に対応している。そういったエンジンパフォーマンスを表現するひとつの方法として、かつてシリンダー数に応じてT4、T5、T6、T8と呼んでいたグレード名を活用。ターボチャージャーとスーパーチャージャーに加え、プラグインハイブリッドという強力な動力源を備えたPHEVに、トップパフォーマーであるT8のグレード名を与えているのだ。

いっぽうの「ツインエンジン」は、PHEVの特徴である通常のエンジンと電気モーターというふたつの動力源を搭載していることを意味する。「電気モーターもエンジンの一種」という捉え方だ。

斬新性と安全性を両立した電動AWDのシステム
実際、欧州では自動車の動力源に用いる電気モーターのことを「エレクトリックモーター」と呼ぶことが一般化しているので、ボルボがPHEVのことをツインエンジンと名付けたのは、実にうまいネーミングだといえるだろう。

さて、そんなT8ツインエンジンには、 常のPHEVとはひと味異なる特徴が備わっている。それは前車軸をガソリンエンジンで、そして後車軸を電気モーターで駆動することにより、4WD=AWDを実現している点にある。冬の間は雪が降ることが珍しくないスウェーデン発の自動車メーカーらしいアイデアだ。

また「ふたつのエンジン」を前後に分けて搭載することで、居住スペースへの侵食を最小限に留めるいっぽう、重量物のバッテリーはセンタートンネル内に配置。重量バランスを最適化してハンドリングや乗り心地の改善に貢献させる。同時に、万一のアクシデントの際にもバッテリーがダメージを損わないようにすることで、火災などの二次災害の発生を防止している。これも安全性を重視するボルボならではの配慮といえる。

PHEVのもうひとつの魅力が、電気モーターだけで走行する際の優れた静粛性。深夜や早朝にクルマを動かす時、家族や周囲の住民に迷惑をかけなくて済むのは、大きなメリットと言えそうだ。(文:大谷達也/写真:永元秀和)

[ アルバム : ボルボのPHEV はオリジナルサイトでご覧ください ]

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