現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本メーカー発「街中最速」の“スーパーモト”待望の復活! スズキの新バイク「DR-Z4SM」はオンロード向けにつくり込まれたハンドリングが秀逸です

ここから本文です

日本メーカー発「街中最速」の“スーパーモト”待望の復活! スズキの新バイク「DR-Z4SM」はオンロード向けにつくり込まれたハンドリングが秀逸です

掲載 更新 35
日本メーカー発「街中最速」の“スーパーモト”待望の復活! スズキの新バイク「DR-Z4SM」はオンロード向けにつくり込まれたハンドリングが秀逸です

オンロード向けにつくり込まれた足回り

 2025年10月8日に国内販売がスタートしたスズキ「DR-Z4SM」。本格オフロードバイク「DR-Z4S」に17インチのオンロードタイヤを組み合わせたモデルです。車名の「SM」は“スーパーモト”を意味しており、過去には“スーパーモタード”や“モタード”とも呼ばれていたカテゴリーに属しています。

【画像】「えっ!…」スポーツライディングに打ってつけ! これがスズキの新“スーパーモト”「DR-Z4SM」です(30枚以上)

“スーパーモト”は、オンロードとオフロードの混じったコースで争われるレースにルーツを持ち、オフロード車にオンロードタイヤを履かせているのが特徴。軽い車体とトルクのあるエンジンの組み合わせから、街中やタイトなワインディングでは“最速”と呼ばれる高い運動性能が魅力です。

 スズキは2000年から、「DR-Z400SM」というモデルを同カテゴリーに投入。その性能の高さから、今も中古市場で高い人気を維持しています。国内向けは排ガス規制の影響で販売が終了していますが、北米では最近まで継続販売されていました。

 新しい「DR-Z4SM」は、そんな「DR-Z400SM」の後継モデル。400ccの単気筒エンジンは排ガス規制に対応すべくインジェクション化され、スロットルも電子制御式に。ABSはもちろんのこと、ライドモードの切り替え機能やトラクションコントロールといったイマドキの電子制御デバイスも搭載しています。

 エンジン内部も多くの部品が刷新されており、ヘッドはツインプラグ化。吸気ポートや燃焼室の形状も最適化されています。吸気側のバルブはチタン製、排気側はナトリウム封入の中空バルブを採用。排ガス規制がユーロ5+へと厳しくなっているにも関わらず、最高出力は先代モデル「DR-Z400SM」の40psから38psと最小限のダウンにとどめています。

 フレーム構造も一新されており、メインパイプは1本から2本に。スイングアームやシートレールも新設計とされています。サスペンションは前後ともKYB製で、倒立フォークとリンクタイプのリアショックを装備。どちらもフルアジャスタブルで、リアは低速側と高速側の厚側ダンピング調整が可能です。

「DR-Z4SM」の足回りは“スーパーモト”専用のセッティングが施されており、オフロード志向の「DR-Z4S」と比べてホイールトラベル量が約20mm短くなっています。フロントのアウターチューブの太さや、アクスルのオフセットも変更されており、オンロード向けのセッティングが煮詰められていることが分かります。

フロントからグイグイ曲がるハンドリング

「DR-Z4SM」のシート高は、「DR-Z4S」のそれと同じ890mmですが、“スーパーモト”とあってかスタンダードタイプの肉厚シートが装備されています。

 このシートは足を下ろしやすい形状ですが、サスペンションの沈み込みが少ないため、人によっては「DR-Z4SM」の方が足つき性が悪いと感じるかもしれません。

 試乗したのはクローズドコースのミニサーキットだったことから、「DR-Z4SM」のポテンシャルをリアルに感じられました。

 最もおだやかな「C」モードで走り始めたのですが、エンジンを高回転域まで回すとしっかりとパワーが出てきます。スロットル操作に対するレスポンスがおだやかになるだけなので、十分に実用的だと感じました。

 サーキットでの試乗だったことから、続いては最もレスポンスが鋭く、キビキビ走れる「A」モードを選択します。高回転域まできれいに回るエンジンの特性は非常に気持ちよく、排ガス規制でパワーが絞られているとは全く感じませんでした。

 先代の「DR-Z400SM」は、レース向けのキャブレターを装着すると走りが激変することが知られていましたが、「A」モードはその状態とノーマルキャブのちょうど中間的なフィーリング。それでいて、スロットル開け始めの“ドンつき”と呼ばれるギクシャク感は完全に抑えられています。

 そんな「DR-Z4SM」で最も魅力的に感じたのはハンドリングです。専用セッティングが施されたサスペンションは特にフロントの信頼感が高く、思い切ってコーナーに入っていけます。大径化されたフロントブレーキを使い、しっかりとフロント側に荷重をかけると、グイグイ曲がっていく感覚を味わえました。

 ロードバイクのように腰をズラしたハングオンスタイルでも、オフロードマシンのように足を出したリーンアウトで乗っても、それぞれ受け入れてくれる懐の広さも持ち合わせています。

 今回走ったコースでは、高速コーナーはハングオンで、タイトなコーナーは足出しスタイルで走るのが気持ちよく感じました。

“スーパーモト”は一般的なロードバイクに比べてサスペンションのストロークが長く、サスペンションの動きを感じ取りやすいのが特徴。街中を走るような速度域でもサスペンションの動きを感じられるので、バイクを操る楽しみが濃密だといえます。

 この特性はサーキットを走っても同様で、小さめのサーキットでもスポーツライディングの楽しさを存分に味わえました。「DR-Z4SM」は特に足回りが相当なレベルまでつくり込まれているので、スポーツ走行を楽しむには打ってつけのバイクといえそうです。

●製品仕様
・価格(消費税込):119万9000円
・サイズ:全長2195×全幅885×全高1190mm
・シート高:890mm
・重量:154kg
・エンジン:水冷単気筒DOHC4バルブ
・総排気量:398cc
・最高出力:38ps/8000rpm
・最大トルク:37Nm/6500rpm(増谷茂樹)

文:VAGUE 増谷茂樹
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

オトナの余裕を感じるよね! 快適に、ゆったりトコトコ走れるミドルクラスのネオ「レトロバイク」3選
オトナの余裕を感じるよね! 快適に、ゆったりトコトコ走れるミドルクラスのネオ「レトロバイク」3選
VAGUE
50万円台で新車購入できる 安くたって“それなり”じゃない!軽量ボディでコーナリングが楽しい「国内メーカーのバイク」3選
50万円台で新車購入できる 安くたって“それなり”じゃない!軽量ボディでコーナリングが楽しい「国内メーカーのバイク」3選
VAGUE
ツーリングも、スポーツ走行だって楽しめる“万能”さが際立つよね! 国産ミドルクラス「スポーツツアラー」3選
ツーリングも、スポーツ走行だって楽しめる“万能”さが際立つよね! 国産ミドルクラス「スポーツツアラー」3選
VAGUE
創業70周年を記念した赤白の特別カラーがカッコいい! ヤマハのスーパースポーツ「YZF-R1」2026年モデルが米国で発表 ネットでの反響とは
創業70周年を記念した赤白の特別カラーがカッコいい! ヤマハのスーパースポーツ「YZF-R1」2026年モデルが米国で発表 ネットでの反響とは
VAGUE
日本限定は95台! レース直系の走りを堪能できるトライアンフ発「スペシャルバイク」の魅力とは? 精緻な“カーボンパーツ”で軽さとスポーティさを両立
日本限定は95台! レース直系の走りを堪能できるトライアンフ発「スペシャルバイク」の魅力とは? 精緻な“カーボンパーツ”で軽さとスポーティさを両立
VAGUE
ヤマハの“万能スポーツバイク”「YZF-R7」の2026年モデルが登場 何が変わった? ネットでは「実質フルモデルチェンジ!」といった声も
ヤマハの“万能スポーツバイク”「YZF-R7」の2026年モデルが登場 何が変わった? ネットでは「実質フルモデルチェンジ!」といった声も
VAGUE
【新車試乗】ホンダ(HONDA)CRF250ラリーは「遊び倒したくなるツーリングマシン」
【新車試乗】ホンダ(HONDA)CRF250ラリーは「遊び倒したくなるツーリングマシン」
WEBヤングマシン
カワサキの新“ハイパフォーマンスネイキッド”「Z1100」のディテールとは?“凄み”を増したルックスが精悍すぎる! 高度な電子制御で走りにも期待大
カワサキの新“ハイパフォーマンスネイキッド”「Z1100」のディテールとは?“凄み”を増したルックスが精悍すぎる! 高度な電子制御で走りにも期待大
VAGUE
【新型試乗】カワサキ KLX230シェルパSは「軽く小さく初心者にも優しい」。レーシング女子・岡崎静夏の軽アドベンチャー&オフロード一気試乗
【新型試乗】カワサキ KLX230シェルパSは「軽く小さく初心者にも優しい」。レーシング女子・岡崎静夏の軽アドベンチャー&オフロード一気試乗
WEBヤングマシン
【新型試乗】スズキ(SUZUKI)Vストローム250SXは「オンロードメインで楽しむ扱いやすいツアラーモデル」!
【新型試乗】スズキ(SUZUKI)Vストローム250SXは「オンロードメインで楽しむ扱いやすいツアラーモデル」!
WEBヤングマシン
メルセデス・ベンツ新型「GLB」世界初公開! 全長4.7mに進化した3列7人乗りの大人気“コンパクトSUV” まずEVモデルが登場
メルセデス・ベンツ新型「GLB」世界初公開! 全長4.7mに進化した3列7人乗りの大人気“コンパクトSUV” まずEVモデルが登場
VAGUE
システム出力は711馬力! ポルシェ新型「911ターボS」の走りは鳥肌が立つほど刺激的!! ハイブリッド化を果たした最新の「ターボ」は速さも快適性もケタ違い
システム出力は711馬力! ポルシェ新型「911ターボS」の走りは鳥肌が立つほど刺激的!! ハイブリッド化を果たした最新の「ターボ」は速さも快適性もケタ違い
VAGUE
【スズキDR-Z4S試乗】国産唯一の400ccオンオフモデルをワンデイツーリングで試す!
【スズキDR-Z4S試乗】国産唯一の400ccオンオフモデルをワンデイツーリングで試す!
モーサイ
ホンダ「NS400R」(1985年)【80年代に登場したホンダのバイク図鑑】
ホンダ「NS400R」(1985年)【80年代に登場したホンダのバイク図鑑】
webオートバイ
価格約100万円!? ホンダ「“新”原付二種ネイキッド」登場! “台形デザイン”と“本格的な足回り”で「バイク本来の乗る楽しさ」を提供 「CB125R」26年モデルを欧州で発表
価格約100万円!? ホンダ「“新”原付二種ネイキッド」登場! “台形デザイン”と“本格的な足回り”で「バイク本来の乗る楽しさ」を提供 「CB125R」26年モデルを欧州で発表
くるまのニュース
【欧州新車】ホンダ「X-ADV スペシャルエディション」次はトリコロールだ! アフリカツインみが高まるアドベンチャースクーター
【欧州新車】ホンダ「X-ADV スペシャルエディション」次はトリコロールだ! アフリカツインみが高まるアドベンチャースクーター
WEBヤングマシン
まもなく発売! 三菱の“オールラウンドミニバン”新型「デリカD:5」は何が進化した? スタイリングはより力強く! ハイテク搭載で向上した走破性も注目です
まもなく発売! 三菱の“オールラウンドミニバン”新型「デリカD:5」は何が進化した? スタイリングはより力強く! ハイテク搭載で向上した走破性も注目です
VAGUE
見ているだけでワクワクする最新ハーレーカスタムパーツ〈スズキ&アソシエイツ〉
見ているだけでワクワクする最新ハーレーカスタムパーツ〈スズキ&アソシエイツ〉
WEBヤングマシン

みんなのコメント

35件
  • *****
    新車も高いんだけど、だからと言って中古で旧型を....なんて思っても中古も割高かあからさまなプレ値。
    何でこんなふうになっちゃったんでしょうねぇ〜コロナ以降。
  • ma0********
    さすがススギさん!!
    このご時世に良くぞ出してくださいました。
    他社も黙って見てはないと思うけど、
    嬉しいニュースです🎵
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村