現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なんとメーカー自ら名乗っていた! プジョーが「猫足」といわれ始めたタイミングとは

ここから本文です

なんとメーカー自ら名乗っていた! プジョーが「猫足」といわれ始めたタイミングとは

掲載 4
なんとメーカー自ら名乗っていた! プジョーが「猫足」といわれ始めたタイミングとは

「猫足」の起源をもとめて古カタログでタイムトラベル

 石畳、マロニエの葉、アルプスやピレネーの山岳道路……キタキタァ、である。じつは今回、とある理由(詳しくは後ほど)で手元にあるプジョーのカタログを見直す作業を行いつつ、いかにもフランス的な語彙が散りばめられたカタログの中の文面をちらちらと読みながら、フランス車であることを強調するため、当時のカタログ制作会社や担当者の苦労が偲ばれるなぁ……などと思ったのは余談。

電動車全盛で今買わないと本当に消える! たった100万円以下のスカッと快感MT車6選+α

 作業は日本版の古い……といっても、せいぜい西武自動車販売が手がけていた当時の「504ディーゼル」が最古だから、1970年代半ばあたりのカタログから現代に向かって時代を追いかけながら目を通していた。そんなに大量に所有してはいないが、昔のカタログは、ほとんどの輸入車がそうだったように、おそらく本国のものをベースに、日本語をあてがって作られたようなシンプルな体裁。それはそれで素朴な味わいのようなものがあり、眺めていてもホノボノとした気持ちになれる。

クルマ業界で当たり前に使われている決まり文句だが……

 ところで何でプジョーの古いカタログの点検を始めたのか? というと、編集部から「お題」をいただいたからにほかならない。

 プジョーの「猫足」について解説せよ、というのである。確かにプジョーの足まわりの表現で「猫足といいわれる……」はいわば常套句。いつの間にか、何の疑問も抱かずに自分でも使ってきたような気がする。さらにいつから使われ始めたのか? と問われたところで、自分のことではないから「それは高校3年の夏からです」などと明確にも答えられない。筆者自身の受け身の経験でいえば、いつかどこかのタイミングで、どれかの自動車雑誌でどなたかがレポートの中で使っているのを読んで知ったのが、「猫足」に触れた最初だったと思う。けれどそれがいつだったのかは、昨夜の夕食に何を食べたのか思い出せないのと同じくらい(違う?)、わからない。

 では、プジョー自身のカタログで「猫足」を使うようになったのは一体いつからだったのか? この際、愚直に調べてみようと思い、飼い犬に邪魔されながら床にカタログを広げ、半日かけて探してみた。

 すると、意外にもあっさりと見つかった。手元で確認できたのは、車種でいうと「205」、「306」、「106」のカタログ。表記を抜き出すと、「猫足と呼ばれるしなやかな乗り味」(205)、「205以来の伝統となった“猫足”と評される足回り」(106XSi)、「“猫足”と形容されるしなやかなサスペンション、ネコ足と評される足まわりの完成度」(306)など。

 さらに1997年10月発行の総合カタログの中では、「106 S16」と「306 S16」をまとめて紹介したページがあり、そこには「ストロークの長い粘りの効いた、いわゆる猫足」と書かれている。まさしく筆舌を尽くすまでもなく、端的に“猫足”がどういうものかをスパッと表現したのがこの一文。猫足とは、そういうものなのだ。

猫足を猫足たらしめる条件とは

 ちなみに「205」も確かに猫足だったが、それはベースグレードの話。「205 GTI」ともなると、「VWゴルフ」の対抗馬として市場に送り出されたクルマだっただけに、当時、試乗した筆者の印象では「かなりドイツ車っぽい」が印象だった。一方で前述の「106」と「306」の世代になると、「S16」でも足まわりをスウッ! と伸縮させつつ、とことんロードホールディングするフィーリングは、紛うことなく猫足だった。

 もちろん猫足といっても、ひと言で簡単に片づけられるわけではなく、サスペンションとスペックが釣り合ったタイヤや、サスペンションにしっかり仕事をさせるための剛性を確保したボディ、ステアリングのレシオや操舵フィール、それとドライバー自身が座っているシートのクッション硬度まで、すべての波長がバランスしてこそ初めて猫足と感じられるものでもある。塩梅などと簡単に片づけられることではなく、緻密なエンジニアリングが基礎にあってこそのこと。それを実現していたことになるのだから、プジョーという自動車メーカーの技術力とセンスは、多くのファンの心を掴んだだけのことはある、といえる。

最新プジョーにも「猫足」テイストは引き継がれる

 そういえばどれかの車種のカタログでも記されていたが、プジョーではダンパーも内製のものを使っていた。いわば秘伝のタレを使っていたからこそ、という訳だ。参考までに現行のプジョー車のダンパーは、今の4桁名義のSUVモデルあたりからその限りではないとも聞く。

 とはいえ、ならばプジョーらしくないのか? と言えばノーである。「四肢で路面をしっかり掴むようなロードホールディング性能は、プジョーが培ってきた伝統を受け継いだもの」(MY2020、208/e-208のカタログより)とある。実際のサスペンションフィールには多少、現代語訳的なところはあるにせよ、「らしさ」をキープしていることもまた確かだ。

 たとえ仰向けのまま高い場所からダイブさせられても、持ち前の身体能力の高さで空中でクルッ! と身を翻し、しなやかな関節と筋肉を使いショックを受け止め、最終的には肉球でしっかりと地面を捉えて着地する。まさしく比喩表現ながら、それ以外の何者でもないのがプジョーの「猫足」だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

軽じゃない「ジムニーJ1」が凄かった! 6枚ドアの「ワイド&ロー」ボディדV6エンジン”搭載! NATSがカスタムした超シャコタンの「巨大ジムニー」とは?
軽じゃない「ジムニーJ1」が凄かった! 6枚ドアの「ワイド&ロー」ボディדV6エンジン”搭載! NATSがカスタムした超シャコタンの「巨大ジムニー」とは?
くるまのニュース
レッドブル&HRC密着:追われる側から追う側に。窮地を救ったフェルスタッペンが4連覇も、提携最終年は技術面の課題解決が不可欠
レッドブル&HRC密着:追われる側から追う側に。窮地を救ったフェルスタッペンが4連覇も、提携最終年は技術面の課題解決が不可欠
AUTOSPORT web
降雪地だと軽油が凍って走らなくなるってマジ!? それどころかウォッシャー液も冷却水も凍る可能性があった
降雪地だと軽油が凍って走らなくなるってマジ!? それどころかウォッシャー液も冷却水も凍る可能性があった
WEB CARTOP
[15秒でニュース]トヨタGAZOOレーシングが「ダカールラリー2025」参戦へ…8000km以上の過酷なラリー
[15秒でニュース]トヨタGAZOOレーシングが「ダカールラリー2025」参戦へ…8000km以上の過酷なラリー
レスポンス
角田裕毅擁するレーシングブルズ、2024年シーズン途中の”失速”は必要な躓きだった……メキーズ代表「現状に満足することを防いでくれた」
角田裕毅擁するレーシングブルズ、2024年シーズン途中の”失速”は必要な躓きだった……メキーズ代表「現状に満足することを防いでくれた」
motorsport.com 日本版
スバル「STI E-RA」が凄かった! 1000馬力超え「ヤマハ製ユニット」&“独自の4WD”採用! 薄型ボディに巨大GTウイング装備の「スーパーコンセプトカー」とは?
スバル「STI E-RA」が凄かった! 1000馬力超え「ヤマハ製ユニット」&“独自の4WD”採用! 薄型ボディに巨大GTウイング装備の「スーパーコンセプトカー」とは?
くるまのニュース
新規則『WRC27』を各チーム首脳が支持。多様なエンジンやボディを許容、参戦コストは大幅削減へ
新規則『WRC27』を各チーム首脳が支持。多様なエンジンやボディを許容、参戦コストは大幅削減へ
AUTOSPORT web
クルマ業界はどうなる? 2025年のニュースを大予言!(ウソ) F1、新型車、噂のあの人…
クルマ業界はどうなる? 2025年のニュースを大予言!(ウソ) F1、新型車、噂のあの人…
AUTOCAR JAPAN
今年4月から車検が「2か月前」から受けられるようになりますが、実際に何が変わるのでしょうか?
今年4月から車検が「2か月前」から受けられるようになりますが、実際に何が変わるのでしょうか?
Merkmal
日産が新旧「エクストレイル」のコンセプトカー発表! “エスプレッソ&レコード”を野外で楽しむ「“Chill”を感じられるカスタム」とは
日産が新旧「エクストレイル」のコンセプトカー発表! “エスプレッソ&レコード”を野外で楽しむ「“Chill”を感じられるカスタム」とは
VAGUE
後ろのワイパーから「謎のビニール袋」がブラブラ…何のため? 実は“おそろしい危険ブツ”の可能性も!? 迷惑与える運転行為 どう対策すべきなのか
後ろのワイパーから「謎のビニール袋」がブラブラ…何のため? 実は“おそろしい危険ブツ”の可能性も!? 迷惑与える運転行為 どう対策すべきなのか
くるまのニュース
〈御社の社食、いただきます!〉部品メーカーの最新社食トレンド 味や値段だけじゃない 多様性や環境に配慮したメニュー
〈御社の社食、いただきます!〉部品メーカーの最新社食トレンド 味や値段だけじゃない 多様性や環境に配慮したメニュー
日刊自動車新聞
ハイパワーハイブリッド搭載!トヨタ『タコマ』ニューモデルをチェック[詳細画像]
ハイパワーハイブリッド搭載!トヨタ『タコマ』ニューモデルをチェック[詳細画像]
レスポンス
101回目の「箱根駅伝」開催! サポートは14年連続で「トヨタ車」 誰が運転するの? 選定基準は? どんなクルマが走るの? 今年も「センチュリーSUV & GRMN」登場!
101回目の「箱根駅伝」開催! サポートは14年連続で「トヨタ車」 誰が運転するの? 選定基準は? どんなクルマが走るの? 今年も「センチュリーSUV & GRMN」登場!
くるまのニュース
一体なぜ? バイクには「運転代行」が存在しない理由とは
一体なぜ? バイクには「運転代行」が存在しない理由とは
バイクのニュース
走りの復活!「R32」スカイラインGT-R レース仕様車の技術開発
走りの復活!「R32」スカイラインGT-R レース仕様車の技術開発
レスポンス
菰田 潔が選ぶ今年の1台は「MINI クーパー」━━【若者はこれに乗れ! KURU KURAカー・オブ・ザ・イヤー2024-25】
菰田 潔が選ぶ今年の1台は「MINI クーパー」━━【若者はこれに乗れ! KURU KURAカー・オブ・ザ・イヤー2024-25】
くるくら
ヤマハ「Y-AMT」+MT-09 vs BMW「ASA」+R1300GSアドベンチャー【注目のクラッチレス機構を徹底比較・後編】
ヤマハ「Y-AMT」+MT-09 vs BMW「ASA」+R1300GSアドベンチャー【注目のクラッチレス機構を徹底比較・後編】
モーサイ

みんなのコメント

4件
  • えっ?
    このライター猫足って言葉をプジョーに最初に使った人を知らないの?
    車関係の記事書くの辞めた方がいいよ。
  • 車に関する比喩表現なら、三本さんでしょ。
    「羊の皮を被った狼」とか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

469.4512.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

148.0442.0万円

中古車を検索
e-208の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

469.4512.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

148.0442.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村