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わずか2戦でレッドブルから降格……今改めて聞く、リアム・ローソンのスーパーフォーミュラ時代「本当にナイスガイで、とにかく真剣だった」

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わずか2戦でレッドブルから降格……今改めて聞く、リアム・ローソンのスーパーフォーミュラ時代「本当にナイスガイで、とにかく真剣だった」

鈴鹿サーキットで行なわれるF1第3戦日本GPを前に、レッドブルは電撃的な決断を下した。不振のリアム・ローソンをわずか2戦でシートから降ろし、代わって角田裕毅を昇格させたのだ。角田にとって念願のトップチーム昇格ということで、このニュースは世界的にも大々的に取り上げられたが、一方でローソンはレッドブルの非情な決断の餌食となった。

ローソンはF1でのフル参戦経験がなかったとはいえ、2023年、2024年のスポット参戦では姉妹チームのレーシングブルズ(当時の名称はアルファタウリ、RB)で入賞を記録するなど印象的なパフォーマンスを発揮していた。いくらピーキーと評判のレッドブルといえど、ローソンが開幕から全てのセッションで下位に沈んだことは驚きと言えた。DTMやスーパーフォーミュラなど、初めて乗るマシンでいきなり速さを見せる適応力は自他共に認めるところだっただけに尚更だ。

■なぜ角田裕毅は開幕当初からレッドブルF1で起用されなかった? チーム重鎮がローソン選んだ理由を明かす……しかし2戦で覆ることに

スーパーフォーミュラ時代にローソンの担当エンジニアを務め、彼のデビューウイン、そして年間ランキング2位に貢献した小池智彦氏も、ローソンがチームメイトのマックス・フェルスタッペンにこれほど大きな差をつけられたのは確かに驚きだと語る。ただ、メルボルン、上海と経験のないサーキットで、フリー走行での限られた時間で予選に向けてアジャストをするという意味では難しい面もあっただろうと続けた。

「フリー走行と予選ではパワーユニットのモードも違うでしょうし、ラップタイムが全然違いますよね。そういう意味では予選の速度域で走れるのは予選だけになってしまいます。その中でQ1の2発ないし3発のアタックで決め切らないといけないですからね……」

レッドブルのマシンについてよく言われるのは、フロントの回頭性に優れる一方でリヤが不安定なオーバーステア傾向のマシンで、フェルスタッペンしか扱えないほどにピーキーだということ。これについて小池エンジニアは実際のレッドブルRB21のことは分からないとしつつ、それでもローソンは「うまく乗ろうとしている」ように見えたという。

「レッドブルのマシンのことを知らないので、一概にオーバーステアだ、アンダーステアだということは言えません」

「常にオーバーステアが出るのなら対処しようがあると思いますが、例えば『この速度域ではオーバーステアがすごく出るけど、そこからほんの少しだけ抑えたらアンダーステアになる』というように、乗り方によって変わるという可能性もあります。速度域や荷重移動、クルマの動かし方など、色々な要素があると思います」

「ただ、側から見ただけなので合っているかは分かりませんが、リアムはチェコ(=ローソンの前任、セルジオ・ペレス)と比べるとうまく乗ろうとしていた印象です。ペレスはオンボードを見ると明らかに苦戦しているという印象を受けましたが、リアムは割と綺麗に乗ろうとしてたのかなと。その辺りのアジャストの幅も広いドライバーだと思いますから」

結果的にはレッドブルで散々な2レースを過ごし、降格の憂き目に遭ったローソン。しかし2023年のスーパーフォーミュラでは参戦1年目ながら当時2連覇中だったチームメイトの野尻智紀と互角の戦いを繰り広げ、宮田莉朋と最終戦までチャンピオン争いを繰り広げた男だ。この成功にはローソンの勤勉な姿勢も寄与したようだ。

ローソンは角田とレッドブル昇格を争ってきたライバルということもあり、その強気な言動がフィーチャーされ、ヒール的なイメージを持たれている節がある。ただ小池エンジニアはスーパーフォーミュラでの1年を通して、ナイスガイで真面目な印象を持ったと語る。

「そして彼はナイスガイという言葉が本当に当てはまるドライバーです」

「スーパーフォーミュラに乗るというのも、ある意味(F1を目指すレッドブル育成ドライバーにとっては)左遷のような形じゃないですか。日本に来るということで、『やってられねえよ』と思うドライバーもいると思います。ただ彼はスーパーフォーミュラにとにかく真剣に取り組んでいました。『SFgo(ドライバーのオンボード映像などが見られるアプリ)』でもちゃんと勉強していたり、結構早めに来日して調整したり……」

「日本にもすごく馴染んだし、こっちの食べ物も普通に食べていました。お寿司をレースウィークに食べたりもしていて、本人はそこに違和感を感じていないような感じで。そういう意味でも適応能力はすごくあるドライバーですね」

「そして常に自分のベストを尽くそうとして、逆境を乗り越えてきたドライバーです。常に角田選手と比較され、これまでは角田選手に先を越されてきたりと順風満帆だったわけではないので、逆境に強いメンタルを持っていますね。落ち着きもありますし」

ローソンは日本GPから、姉妹チームのドライバーとして再出発を図ることになる。小池エンジニアは、ローソンは好調のレーシングブルズで次のチャンスを掴めるはずだと語った。

「確かに角田選手との兼ね合いでヒール的な扱いを受けることもありますが、彼のファンは母国のニュージーランドの次に日本が多いと思います。チーム(TEAM MUGEN)としても卒業生なので頑張ってほしいですね」

「応援せずとも、ちゃんと結果を出して来れるドライバーだと思います。レーシングブルズで結果を出せれば、レッドブルかどうかは分かりませんが次のステップがあると思います。まだ若いですからね」

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