■アメリカで愛され育まれた「Z」の記念車3台
日産を代表するスポーツカー「フェアレディZ」は2019年で発売50周年を迎えました。それを記念して4月17日に「フェアレディZ 50th Anniversary」を発表し、話題となっています。
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フェアレディZは日本よりもアメリカでブレークしたクルマです。1970年に北米に上陸し、優れたデザインと高い走行性能を備えながら、欧州のスポーツカーよりも安価で大ヒットします。
そこで、アメリカで愛されている「Z Car」の、過去に販売された北米記念車3台を紹介します。
●ダットサン「280ZX 10th Anniversary」
1978年、日産は2代目となる「S130型 フェアレディZ」を発売しました。北米での展開は1979年からで、車名は「DATSUN 280ZX」でした。
直列6気筒エンジンを収めるロングノーズとファストバックスタイルは初代を踏襲し、ボディサイズは全長4420mm×全幅1690mm×前高1295mm(日本仕様)と、伸びやかなフォルムになり、とくにアメリカ市場での人気を不動のものとしました。
1980年には、ルーフセンターを残しながらもオープンエア・ドライブが楽しめる、左右独立の脱着式グラスルーフを持つ「Tバールーフ」もラインナップされました。
アメリカ市場では、万が一の事故の際に乗員が車外放出される可能性が高いからと、オープンカーに否定的な意見が広まり、サンルーフが普及します。
ルーフ面積の小さな280ZXでは通常のサンルーフの装備が難しく、ルーフセンターが残る「Tバールーフ」とすることで、ユーザーニーズを満たしたものとなっていました。
Tバールーフが加わると同時に、北米のみで「280ZX 10th Anniversary」が発売されました。これは初代の「DATSUN 240Z」発売から10年を記念したモデルです。
カラーはブラックとゴールド、またはブラックとレッドの2タイプのツートーンカラーが選べ、内装も革張りのシートおよび、特別な装飾が施されていました。
「DATSUN 280ZX 10th Anniversary」は合計3000台が製造され、ブラック/ゴールドが2500台、ブラック/レッドが500台となっていました。
●日産「300ZX 50th Anniversary」
1983年に3代目となる「Z31型フェアレディZ」が発売されます。北米では1984年に「300ZX」という名で発売されました。
外観は初代、2代目のイメージを受け継ぎながら一新し、エンジンは従来の直列6気筒の「L型」から、新世代のV型6気筒「VG型」に進化します。
そして、1984年に日産自動車創立50周年を記念する「300ZX 50th Anniversary」が発売。カラーリングはシルバー/ブラックのツートーンで、2シーターの「300ZX TURBO」がベースでした。
300ZX TURBOには「Y30型セドリック/グロリア」に搭載されていた、3リッターV型6気筒ターボエンジン「VG30ET型」を搭載。
日本仕様よりもワイドなフロントフェンダーに、リアにはオーバーフェンダーが装着され、16インチホイールを標準装備し、運転席側フロントフェンダーには「50th Anniversary」のバッジが付けられていました。
内装は専用の刺繍入りのレザーシート、刺繍入りフロアマットが採用され、デジタルメーターやコンパス、ハンドルのオーディオコントローラー、ハイエンドオーディオなども装着されるなど、豪華装備に。
走りについては、当時の日産車に多く採用されていた、室内から減衰力をハード/ノーマル/ソフトの3段階に切り替えができるショックアブソーバーを採用し、市街地では乗り心地よく、ワインディングロードでは「しっかりグリップさせる」のような使い方も可能となっていました。
5MTと4ATが用意され、米国市場向けには約5000台が販売されたといいます。
●日産「370Z 40th Anniversary」
「370Z 40th Anniversary」は北米での初代「DATSUN 240Z」販売から40周年を記念し、2010年のシカゴオートショーで発表。
ベースになったのは現行の「370Z」クーペで、同年に北米専用で発売されました。
外観のカラーリングは「40th Anniversary Graphite」と呼ばれる専用カラーで、内装に赤いレザーシート、リアハッチとフロントストラットタワーバーに40周年記念バッジ、40周年記念の刺繍が入ったシートバックとフロマットを採用。
ほかにも赤いステッチのシフトブーツとハンドル、ブレーキキャリパーが赤に塗装されるなど、随所に赤いアクセントが入れられていました。
6MTが標準で、フロントスポイラー 、リアスポイラー、スポーツブレーキ、19インチRAYS鍛造アルミホイール、LSDなどを含むスポーツパッケージが装備され、走りも重視されていました。
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