この記事をまとめると
■スポーティなルックスで人気が高いのが2ドアクーペボディだ
【試乗】3000kmを走破! 速攻独占試乗に成功した日産GT-R「2020年モデル」の実力
■2ドアクーペ4ドアセダンに比べて往々にして後席が狭め
■そんなクーペのなかでも大人4乗が余裕なモデルを紹介する
2ドアクーペでもリヤシートを諦める必要なし!
スポーティなクルマが欲しいファミリーマンにとって悩みどころなのは、後席の実用性ではないだろうか。本格2座のスポーツカーは泣く泣く諦めるとしても、スポーティな2ドアクーペのルックスは譲れず、しかし後席に小柄な大人や子供が不満なく座れるパッケージング、使える後席は不可欠だろう。
そんな悩みに応えてくれるクルマは決して多くはないが、まったくないわけではない。
たとえば12代目スカイライン(V36型)のクーペがある。個人的にはフェアレディZの2by2の後継車ぐらいに思っていたほどで、スタイリッシュな2ドアクーペスタイルにして、全長、ホイールベースともにセダンより短くはなっていたものの、セダンとそう大きく違わない後席の広さ、居住性を備えていた。セダンベースのクーペならではのパッケージングというわけだ。
その流れでいくと、R33GT-Rは、R32、R34より室内長が長く、歴代GT-Rのなかでは後席に余裕がある1台と言っていい。
ちなみに最新のGT-Rは身長165cm以下、前席の乗員が前寄りのドライビングポジションなら、なんとか座れるイメージ。つま先が前席の下に入るのも、窮屈さを感じにくいポイントだろう。頭の真上はリヤウインドウですけど……。
後席の居住性を重視するなら、ある程度のボディサイズは不可欠で、なおかつ国民に長身長の人が多い欧米の2ドアクーペにアドバンテージがあるのは当然。
たとえばメルセデス・ベンツのEクラスクーペだ。ベースはもちろんEクラスであり、シートはこの種のクルマの例にたがわず2座だが、+2の域を超えている。と、言うのも身長172cmの筆者のドライビングポジションで設定した運転席背後に座っても、まったく窮屈さなし。
むしろパーソナル感ある豪華な居住感さえ得られたほどだ。メルセデス・ベンツの中上級クラスのクーペは、かつてのSクラス、Eクラス、Cクラスであっても、後席に失礼のないパッケージングが与えられていると言っていい。
一見、後席は狭そう……、と思えるBMW4シリーズ・グランクーペも「意外なほどきちんと座れる」後席の持ち主だ。ニースペースはそれほどでもないのだが、2座の豪華なシート座面が深く掘れているため、頭上方向には流麗なクーペらしからぬ、余裕あるスペースが確保されている。
なつかしの旧車クーペから実用的な後席をもつものを紹介!
と、ここまではスポーティなルックス、高性能なスペックを持つ”後席が意外に使える”2ドアスポーツクーペを紹介してきたが、”スポーツ”を外せば、後席がかなり実用的なクーペは数多く存在した。
たとえば、筆者の1台目の愛車、いすゞ117クーペ。実際、両親と彼女を乗せて、ロングドライブに何回も出かけた経験があり、筆者も後席でドライブを楽しんだこともあるのだが、後席はガラス面積が広く、解放感があり、ヘッドクリアランス、ニースペースともに、平均的な日本人の体形ならまったくもって不満なく乗っていられたのである。ちなみに、リヤシートの左右それぞれに灰皿が、またリヤ用のヒーターダクトも装備されていた。
上級パーソナルクーペとして一世を風靡したホンダ・レジェンドクーペ(2代目)の後席も広く、閉鎖感皆無。セダンベースのクーペの実用度の高さが発揮された1台と言っていい。
ところで、比較的手ごろな価格で買えたトヨタ86(ZN6型2012年~)の後席は、たしかに大人には窮屈すぎるスペースではあるものの、夫婦+小柄な人または小さな子どもひとりなら、不自由なく使える2ドアスポーツカーだった(子どもを抱っこしての乗降性はともかくとして)。そもそも、こうしたクルマに大人3~4名の乗車は、ぎゅうぎゅう詰め感があって、キャラクターに似合わないが……。
最後に、例えばレクサス SC430(トヨタ 4代目ソアラ)のように、大人がほぼ座れない後席がオマケのように付けられている理由を説明すると、たとえばSC430の主力市場でもある北米では、ふたり乗りと4人乗りでは保険料がまったく違う、というか、ふたり乗りだと倍以上高くなることの回避策のためだと考えていい。
つまり、レクサス SC430(ソアラ)は本来2シーターのクルマということだ。このほかにもこういったクルマはあるが、これらのパッケージの2ドアクーペは、後席に座れる、座れない以前に、乗降もまたアクロバティックな姿勢となり、大変であることも理解しておきたい。
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みんなのコメント
休みの日はこれに乗ってよく3人で出掛けたよね。
あれから25年、日本一狭いファミリカーは今でもまだ所有しているよ。