鳴り物いりで登場した「マツダ 3」であるが、セダンモデルは街であまり見かけない。2019年5月24日の販売開始から3カ月たった今も、試乗車で都内を走っていたら、かなりジッと見られた。
私が2週間ほど乗ったのは、「マツダ 3セダン 20S L-Package」だ。マシーングレープレミアムメタリックというボディカラーは、セダンのコミュニケーション・カラーだ。落ち着いたボディ・カラーであるが、地味といえば地味である。
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【主要諸元(20S Lパッケージ)】全長×全幅×全高:4660mm×1795mm×1445mm、ホイールベース:2725mm、車両重量:1350kg、乗車定員:5名、エンジン:1997cc直列4気筒DOHC(156ps/6000rpm、199Nm/4000rpm)、トランスミッション:6AT、駆動方式:FF、タイヤサイズ:215/45R18、価格:270万3000円(OP含まず)。タイヤサイズは215/45R18。にもかかわらず、多くの人の視線を集めた理由はなにか? おそらく、「CX-5」や「CX-8」に通ずる、”かたまり感”のあるエクステリア・デザインがカッコよかったからだろう。
全長4460mmの比較的コンパクトなセダンは、多くの人がSUVやミニバンを買ういま、もっとも売るのが難しいボディかもしれない。とはいえ、マツダ 3 セダンの美しいデザインを見ると、筆者のような昔からのセダン好きは嬉しくなると思う。
懐かしいフィーリング搭載する1997cc直列4気筒ガソリン・エンジンは、「SKYACTIVE(スカイアクティブ)-G」とマツダが呼ぶものだ。昨今では珍しい、自然吸気型である。
走り出しはややトルクが薄い印象を受けるが、1500rpmあたりからきれいに吹け上がっていく。このエンジンフィールは、なつかしい。広範囲で最大トルクを発揮する過給エンジンとは異なるもので、そういえば一時代前の自然吸気エンジンはこんなかんじだった。
搭載するエンジンは1997cc直列4気筒DOHC(156ps/6000rpm、199Nm/4000rpm)。従来エンジンに対し、ピストンの上面とサイド部の形状を見直し、熱効率をさらに高めた結果、中低速域のトルクと実用燃費が向上したという。トランスミッションは6ATのみ。電動パーキングブレーキは標準。マツダ 3をはじめて運転したのはクローズドのテストコースでだった。そのときは、「もう少しパワーがあればいいなぁ」と、思ったものの、公道では必要にして十分だった。
試乗車が搭載する2.0リッターエンジンの場合、組み合わされるトランスミッションは6段オートマチックのみになる。欲をいえば、1.5リッターモデルでは選べる6速マニュアル・トランスミッションで乗ってみたい。199Nmの最大トルクが出る4000rpmあたりを中心に、エンジン回転を保持するような運転をするのが楽しそうだ。シフトフィールのいいマニュアル・トランスミッションも選べるのであれば、さらにドライバーズ・カーとして高得点をあげたい。
20S Lパッケージは、渋滞時追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)やLKA(レーン・キーピング・アシスト)などの運転支援装備が標準。意外とスポーティ今回、市街地でマツダ 3に乗ってみて感心したのは、ちょっとした動きがスムーズである点だ。たとえば、街中の小さな交差点を曲がるとき、ステアリング・ホイールを切ると、一瞬でボディが向きを変える。また、フロント外側のロールはやや抑えめで安定している。
ステアリング・ホイールの復元性はナチュラルだ。たとえば交差点で、あわててステアリング・ホイールを直進位置に戻す必要はない。適切なキャスター・アクションが与えられているので、スーッと戻る。カーブにおける一連の動きは、“超”がつくぐらいスムーズなのだ。
WLTCモード燃費は15.8km/L。なお、ディーゼル・エンジン搭載モデルのWLTCモード燃費は20.0km/L。20S Lパッケージのステアリングはヒーター付き。ステアリングやシフトレバーの触り心地に差が出ないよう工夫しているという。いっぽう、ダンピングはやや硬めだ。スポーティなコーナリング性能を重視した結果かもしれない。これは、多少のネガであると感じられた。高速域では安定しているものの、中~低速域では、路面が多少荒れると、とりわけリアが凹凸を拾い乗り心地が悪くなる。
なるほど、スポーティなキャラクターこそ、マツダ 3のガソリン仕様の持ち味なのだ。ゆえに、6速オートマチック・トランスミッションも“Dレンジ”にいれっぱなしでなく、シフトを手前に引いてシフトアップ、奥に押してシフトダウンとマニュアル操作し、トルクバンドを積極的に使いながら走ると、おもいのほか楽しい。
乾いたかんじの排気のミドルトーンが、加速とともに聞こえてくる。上手にチューニングされた音で、耳に心地よいスポーティさだ。マツダ 3のスポーティなキャラクターにぴったりである。
ドライバーのハンドル操作に応じ、エンジンの駆動トルクとブレーキを制御し、姿勢を安定化する「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)」は全車標準。メーターパネルは、中央の速度計がデジタル表示になる。また、速度計の中央にはフルカラーのインフォメーションディスプレイもある。居心地のよいインテリアクオリティの高いインテリアも魅力だ。また、水平ラインを強調したインテリアは、スウィッチ類を目立たないようにし、すっきりとした見た目を実現している。
レザーとメッキパーツを効果的に使ったインテリア。ドアライニングもさりげなくレザーとメッキパーツを使いクオリティを高める。なお、試乗車のオーディオは、オプションのBoseサウンドシステム(12スピーカー・7万5600円)だった。リアシートは身長175cmを超える男性ふたりに充分なスペースを持つ。難をいうと、ルーフラインが下がっているため、頭を引っ込めないで乗り込むと、ごつんっとぶつけてしまいがちな点である。もっとも、これは“慣れ”の問題で解決すると思う。
とはいえ、先代にあたる「アクセラ」よりリアシートの着座位置が高くなった結果、乗降性は格段に向上している。余裕あるリアシート空間と、奥行きがかなりある広大なラゲッジ・ルームというパッケージングは多くのユーザーが歓迎するはずだ。
20S Lパッケージの運転席は10Way電動調整機構&ドライビングポジションメモリー機能(シート位置/アクティブ・ドライビング・ディスプレイ/ドアミラー角度)およびシートヒーター付き。なお、シートヒーターは助手席にも備わる。リアシートはセンターアームレスト付き。なお、20S Lパッケージのシート表皮はレザー。セダンのラゲッジルームは、67Lのスーツケースを3個、9インチのゴルフバッグを2個積めるとのこと。また、リアシートのバックレストは40:60の分割可倒式。「マツダ3セダン 20S L-Package」の価格は264万9000円。3つあるセダン・ラインナップのなかで最も装備が充実しているのが特徴だ。なお、1756cc直列4気筒ディーゼルターボ・エンジン搭載モデルも選べる。ディーゼル・エンジンも魅力的ではあるが、ガソリン・エンジンより約27万円高価だ。筆者が記したように、ガソリン・エンジンも十分魅力的だから、きっとガソリンモデルを選んでも後悔しないはず、と、伝えたい。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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