新型レクサス「LX600」に設定された4人乗り仕様「“エグゼクティブ”」の、リアシートを体験したGQデジタル・エディターのイナガキの感想とは?
贅沢なインテリア
俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.12─トヨタ・セルシオ(初代)
新型レクサスLXは、トヨタの新型「ランドクルーザー」のレクサス版というべきモデルで、中身はラダーフレーム、パワートレインは基本的に同じだ。発売は来年初頭。価格を含めた詳細を知るには、しばらく待たねばならない。
フラッグシップSUVの14年ぶりの全面改良ということで、レクサスも力を入れているのだろう。メディア向けの撮影会がさる12月上旬に富士スピードウェイで開かれた。
実車は、なるほどレクサスにふさわしいゴージャスなつくりで、トヨタ版とは一線を画している。外装では巨大なグリルとメッキパーツの多用で、ひと目でレクサスだとわかるし、ウッドパネルと本革を使った内装はクオリティ感が高い。ランドクルーザーのウッドが“木目調”であるのに対し、LXのそれはホンモノだ。
インテリアで注目すべきは、新たに設定された4人乗りの豪華仕様の“エグゼクティブ”のリアシートだ。セパレートタイプのそれは、レクサスのフラッグシップセダン「LS」に劣らない快適さだった。
クオリティの高いレザーをたっぷり使ったシートは、身長170cmの筆者には大きすぎるぐらいゆったりしている。ヘッドクリアランスは十分以上だし、背後がラゲッジルームということもあって広々している。圧迫感は皆無。LSはセダンだし、Cピラーがかなり寝ているから、広さの面では圧倒的にLXの方が上だ。
独立した左右リアシートの間には、大型のセンターコンソールがある。そこに埋め込まれた液晶モニターでシート位置やエアコンなどを調整出来る。
センターコンソールにはほかに、蓋つきのカップホルダーや小物入れ、充電用USB端子などが備わる。
早速、左側のリアシートに座った筆者は、もっとも広いシート・ポジションに調整すべく、まずは助手席を最前方へ動かした。助手席位置も、液晶モニターで操作出来る。
助手席はほとんど無音で前方へスライド&リクライニングしていく。同時にヘッドレストも前方へ折りたたまれた。動きにまったく無駄がないのも素晴らしい。
“リラックス・ポジション”ともいうべき、表示を押すと、筆者の座るシートは自動でスライド&リクラニング。まるでゆりかごに乗っているような態勢で心地よい。助手席の後ろに格納されたオットマンを使うことも出来る。こちらも電動調整式だ。
本格的なリラクゼーション機能も搭載する。ようはマッサージ機能だ。マッサージといえないのは法律の問題らしい。早速、全身を癒すモードを試すと、これがなかなかの“圧”だった。家庭用のマッサージチェアよりちょっと劣るけど、車載用としては高レベルである。
リラクゼーション機能を作動させ、リアシート用モニターでテレビを見ていたら、まるで飛行機のビジネスクラスに座っているかのよう。実際に走らせたわけではないので、乗り心地や静粛性はわからないけれど、停車時は“極上空間”だった。
そういえば、ボルボ「XC90」にもエクセレンスという4人乗り仕様があった。こちらも、ごく少数ながら限定導入され、完売した。
メルセデス・マイバッハも「GL600 4マティック」という4人乗りSUVを販売しており、セールスは好調という。VIP向けのSUVの需要は中東に限らない。
LX600エグゼクティブを購入するのはどういう人なんだろう? と、考えていた矢先、同級生が購入した。コンサルティング会社を経営するS君は、今、仕事用に「LS500h」を使っている。こちらを下取りに出し、LX600エグゼクティブに乗り換えるそうだ。
もっとも、彼は自らステアリングを握るオーナードライバーで、リアシートに座る機会はほとんどない。
だったら、標準仕様でいいのでは? と、たずねたら、「買うなら1番高いのがいいじゃん」とのこと。
そういえば、彼のLS500hも後席重視の最上級仕様の“エグゼクティブ”だった。LX600エグゼクティブは、S君みたいに「買うなら1番高いの!」という人も含めて、大受けするに違いない。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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