現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > マツダDPiが2.7kmのトンネルを全開走行。最新鋭空力施設でのテスト風景をマルチマチックが公開

ここから本文です

マツダDPiが2.7kmのトンネルを全開走行。最新鋭空力施設でのテスト風景をマルチマチックが公開

掲載 2
マツダDPiが2.7kmのトンネルを全開走行。最新鋭空力施設でのテスト風景をマルチマチックが公開

 マルチマチック・モータースポーツは9月2日、新規にオープンしたARP(エアロ・リサーチ・パートナーズ)所有の空力試験施設『ケイツビー・トンネル』における初期空力評価試験を完了した、と発表した。このテストには、2021年までIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に投入されていたDPi車両、マツダRT24-Pが使用されている。

■全長2.7kmのコントロールされた空間「最初は奇妙に感じた」
 マルチマチックはDPiにおけるマツダのシャシーパートナーを務めていただけでなく、そのオペレーションにも関与していた。2021年限りでマツダのプログラムは終焉を迎えたが、来るLMDh時代に向けてマルチマチックは、すでにテストを開始しているポルシェ963のベースとなるLMP2シャシーを提供する。

4周遅れから“起死回生”IMSA撤退のマツダが有終の美。白熱のチャンピオン争いは最終ラップでの決着に

 イギリス・ノーザンプトンシャーの田舎町、ダヴェントリーから数マイルのところにあるケイツビー・トンネルは、ブラックリーのマルチマチック・モータースポーツ・イギリス本社からもほど近い位置にある。

 ケイツビーの施設はもともとは鉄道トンネルとして誕生し、1898年7月に最初の蒸気機関車が通過したものだ。全長2.7km、幅8.2m、高さ7.8mの巨大な断面を持つこのトンネルには、約3000万個のレンガが積み上げられ、蒸気機関車のすすの痕跡が残っている。

 このトンネルは1966年に閉鎖されていたが、このほど数百万ポンドをかけて最先端の空気力学的車両試験施設に生まれ変わった。この種の施設はイギリスでは初めてであり、世界でも2番目のものになるという。

 マルチマチック・モータースポーツのボスであるラリー・ホルトは、トンネルが完成する前にその利点を理解し、将来のレースカー、ロードカー、そしてマルチマチック・スペシャル・ビークル・オペレーションズによるトラックデー・カーの開発のために、この施設の使用時間を大幅に確保していた。

 今回のマツダRT-24Pを使ったテストは、40%スケールおよびフルサイズの風洞試験や、CFDの数値、そしてIMSA・DPiでの5年間の戦いから得られた包括的なデータと、比較するためのものだったという。 このテストでの結果は、既存の性能データと高い相関性を示したとのことだ。

 風などの外的要因に影響されない直線トンネル内での実走行試験は『ストレート・ライン・テスト』とも呼ばれ、ドラッグなどの空力性能を正確に測定するなどの目的で、古くからインディカーやNASCARなどの世界で行われてきた。

 ホルトはケイツビー・トンネルについて、従来の風洞試験の「常識を覆すもの」だと説明している。

「これは“リアル”であるため、従来の風洞よりも優れたものだ」とホルトは述べている。

「(従来の)ムービンググラウンド・プレーン風洞では、クルマは静止しており、巨大なファンとフローコンディショニングセットで風を送り込み、ベルトを配置してクルマの下を協調した速度で移動させるものだ。 非常に洗練された構成ではあるものの、クルマは止まっているため、完全にリアルとは言えない」

「ケイツビーが可能にしたのは、現実の世界を実際に動いているクルマの空力性能の測定だ。現実の世界を動くクルマは、突風や雨などの環境条件の変化、空気密度の影響など、現実の世界に伴うすべての変動要因にさらされる」

「ケイツビーは、天候に左右されない実世界を提供してくれる。動くクルマ、本物の路面、コントロールされた環境、そして季節を問わず24時間走り続けることができるんだ。2.7kmの完璧にコントロールされた環境。これこそが、漸進的な進歩を追い求める際に必要な一貫性なのだ」

 マルチマチックのドライバーであるアンディ・プリオールが、このテストでマツダRT24-Pのステアリングを握った。

「僕のように長い間レーシングドライバーをしていると、新しいことを経験することはあまりなくなってくる」とプリオール。

「これまで、純粋な空力テストといえば、エンジニアが風洞で静止したクルマのモデルを研究するものであり、ドライバーは関与しないというのが常識だった。レースカーに乗り込み、2.7kmのトンネルを全開で走るというのは、最初は少し奇妙に感じたが、チームは『(トンネルの)終わりはちゃんと分かるから』と断言してくれたんだ」

「ケイツビー・トンネルは素晴らしい施設であり、マルチマチック社がこの施設をいち早く採用し、主要なクライアントとなったことは、僕にとってはまったく驚くことではないね」

こんな記事も読まれています

[SUV]もカッコいいけど[センチュリー]はなんでか[セダン]に乗りたくなる
[SUV]もカッコいいけど[センチュリー]はなんでか[セダン]に乗りたくなる
ベストカーWeb
ハンドル近くにあればなんでもOKってマジか! ウインカーはレバーでもボタンでも右でも左でも問題なしと結構アバウトな規定だった
ハンドル近くにあればなんでもOKってマジか! ウインカーはレバーでもボタンでも右でも左でも問題なしと結構アバウトな規定だった
WEB CARTOP
斧も鉈も必要なし!厚さわずか2cmのスマート薪割り「薪割りクサビ」が VASTLAND から12/7発売
斧も鉈も必要なし!厚さわずか2cmのスマート薪割り「薪割りクサビ」が VASTLAND から12/7発売
バイクブロス
欧州の老舗二輪車メーカーKTMが破産 欧州の販売低迷で ブランド存続へ法的再建目指す
欧州の老舗二輪車メーカーKTMが破産 欧州の販売低迷で ブランド存続へ法的再建目指す
日刊自動車新聞
KTM、自主管理による破産手続きを開始へ…90日以内の完了めざす
KTM、自主管理による破産手続きを開始へ…90日以内の完了めざす
レスポンス
インディアンの新型「クルーザー」登場! 「伝説のエンジン」を搭載!? 「極太トルク」で“グングン”走る! 「最新技術」搭載の古き佳きアメリカンバイクとは
インディアンの新型「クルーザー」登場! 「伝説のエンジン」を搭載!? 「極太トルク」で“グングン”走る! 「最新技術」搭載の古き佳きアメリカンバイクとは
くるまのニュース
ディズニーデザインの限定キャンピングカー第4弾は「ライオンキング」! 発売は1月31日
ディズニーデザインの限定キャンピングカー第4弾は「ライオンキング」! 発売は1月31日
レスポンス
レクサス新型「スポーティSUV」に大反響!「デザイン凄いな」「“100万円以上”値下げはオトク」「運転面白い」の声! メーカー初の“画期的システム”専用車の「RZ」25年モデル米国で登場!
レクサス新型「スポーティSUV」に大反響!「デザイン凄いな」「“100万円以上”値下げはオトク」「運転面白い」の声! メーカー初の“画期的システム”専用車の「RZ」25年モデル米国で登場!
くるまのニュース
若手育成向けレーサーマシンも続々登場! 日本とヨーロッパの若手育成環境の違いとは レーシングライダー大久保光のEICMAレポート
若手育成向けレーサーマシンも続々登場! 日本とヨーロッパの若手育成環境の違いとは レーシングライダー大久保光のEICMAレポート
バイクのニュース
「すごい衝突事故…」 常磐道が一時「通行止め」! 「大型トラックが衝突、大破」し上下線ふさぐ 現場は1車線区間 福島~宮城県境は迂回必要に
「すごい衝突事故…」 常磐道が一時「通行止め」! 「大型トラックが衝突、大破」し上下線ふさぐ 現場は1車線区間 福島~宮城県境は迂回必要に
くるまのニュース
国沢親方がメッタ斬り!! 直也さん、ナベさん、サクラが2位は評価が高すぎるのでは!?
国沢親方がメッタ斬り!! 直也さん、ナベさん、サクラが2位は評価が高すぎるのでは!?
ベストカーWeb
F1デビューで環境激変。一躍有名人となったコラピント、SNSから距離を置く「アレは有害だから……」
F1デビューで環境激変。一躍有名人となったコラピント、SNSから距離を置く「アレは有害だから……」
motorsport.com 日本版
6000万円超え! いすゞ新型「超スゴい“精悍”モデル」登場! 70人乗りで画期的な「段差ゼロ」&340馬力の“静音ユニット”搭載! 新型「エルガEV」がラインオフ
6000万円超え! いすゞ新型「超スゴい“精悍”モデル」登場! 70人乗りで画期的な「段差ゼロ」&340馬力の“静音ユニット”搭載! 新型「エルガEV」がラインオフ
くるまのニュース
まさかの復活! JR武蔵野線に沿う深夜急行バス 東武「ミッドナイトアロー」12月の金曜日から
まさかの復活! JR武蔵野線に沿う深夜急行バス 東武「ミッドナイトアロー」12月の金曜日から
乗りものニュース
さすがフランスの燃料メーカー! トタルのバイオ燃料は「ワイン製造の絞りカス」から作られていた
さすがフランスの燃料メーカー! トタルのバイオ燃料は「ワイン製造の絞りカス」から作られていた
WEB CARTOP
“世界最古のバイクメーカー”発「ヴィンテージ感のあるレトロバイク」が2025年モデルへ進化! 最新の「クラシック350」は快適な先進機能が充実
“世界最古のバイクメーカー”発「ヴィンテージ感のあるレトロバイク」が2025年モデルへ進化! 最新の「クラシック350」は快適な先進機能が充実
VAGUE
日産『リーフ』次期型はAWDクロスオーバーに進化! 初のデュアルモーター搭載も
日産『リーフ』次期型はAWDクロスオーバーに進化! 初のデュアルモーター搭載も
レスポンス
セルジオ・ペレス、F1引退後の”インディカー参戦”には興味なし「怪我などせずにキャリアを終えたい」
セルジオ・ペレス、F1引退後の”インディカー参戦”には興味なし「怪我などせずにキャリアを終えたい」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

2件
  • マルチマチックがマツダと組んでた時のマシンを使っただけで、マツダは関与してないんだな
  • ロータリービジョンをEV車にしてうればいい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村