純正のよさをさらに引き出すようなエクステリアに変身
日本の伝統的な美意識「引き算の美学」に基づき、不要な要素を削ぎ落としたシンプルかつ優雅なデザインが与えられた新型マツダ3。それをカスタマイズするということは、引き算されたものに足し算するようなもので、元の木阿弥になりかねない。しかも新型マツダ3は細部に至るまで、美しさのみならず扱いやすさや快適性をも高めるための技術が盛り込まれているため、かえってそれらを損なうリスクさえある。
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マツダの看板を掲げる純正アクセサリーで、それは当然許されることではない。では、マツダ3用純正アクセサリーには、どのようにして本来の美しさや機能を損なわず、さらには向上させる工夫が盛り込まれているのか。純正アクセサリーの商品企画を担当する、マツダカスタマーサービス本部リージョン商品推進部アシスタントマネージャーの藤井正志さんに、その好例を教えてもらった。
今年1月のオートサロンと2月のオートメッセで「カスタムスタイル」として展示され、車内に乗り込むことも可能だったポリメタルグレーメタリックのファストバックは、多くの読者にとって記憶に新しいことだろう。この中から、BBS製アルミ鍛造18インチホイールとエアロパッケージを抜粋しセットオプション化したのが、ファストバック専用の「シグネチャースタイル」だ。
「BBS社製鍛造アルミホイール(18×7.0J)」のデザインは、2017年の東京モーターショーに出品された「ビジョンクーペ」のものを踏襲しているが、これを実現するためにはとくに「必要な強度を確保しつつ、ハブまわりを小さくし、全体をより大径に見せるうえで、鍛造であることが必要不可欠だった(藤井さん)」とのこと。また機能面でもプラスに働いており、ノーマルに対し1本あたり約1.5kg軽くなっている。
そしてエアロパーツは、通常のモデルでも装着すれば後付け感が強くエクステリア全体の調和を崩しがちだが、新型マツダ3では「量産できないところを純正アクセサリーでカバーする」という考えのもと、アクセサリー専任のデザイナーを擁立して、車両本体のエクステリアデザイナーの協力を得ながら開発。ファストバックはフロント/サイド/リヤのアンダースカートとリヤルーフスポイラーで構成されるが、いずれを装着しても「これがノーマルです」と説明されたとしても違和感を覚えないほど一体感のある仕上がりとなっている。
ドライビングに関わるフロアマットやペダルにもこだわった
これは、「日本では装着率が70%を超える」という定番アイテム「アクリルバイザー」も変わらない。出っ張り高さは先代アクセラ用と共通ながら、バイザー内の折れ目をなくすことでフラッシュサーフェス化。メッキモールがドアガラス枠上部にも装着されるセダンにはさらに、バイザー上にもメッキモールを装着して、ボディと一体感のある美しいデザインを実現している。さらにはバイザーの外側前端部と内側に細い溝を設けることで、先代アクセラ用アクリルバイザーに対し風切り音の発生を約25%抑えたことも見逃せないポイントだ。
ほぼ100%に近い新車装着率となる「MAZDAフロアマット」は、毛足が短く踵を保持しやすい「スポーツ」と、毛足が長くソフトな触感が得られる「プレミアム」の2種類が用意されているが、いずれも表地と裏地の間に吸音層を設定。フロアからの騒音を低減する効果がプラスされているのも、純正アクセサリーならではのこだわりと言えよう。
また、走りにこだわるクルマ好きなら、上質なデザインと機能性を両立させた、アルミ製「スポーツペダルセット」も見逃せない。アクセルペダルとフットレストは、タッチ面を樹脂製としつつ縦のスリットを入れることで、縦方向に適度に滑りやすさを与えてコントロール性を向上。ブレーキおよびクラッチペダルのタッチ面はラバー製とし横方向のスリットを入れることで、踏み込んだ際には高いグリップ力をもたらしながらも、ブレーキペダルからアクセルペダル、クラッチペダルからフットレストに足を踏み換えるのを容易にしている。
新型マツダ3用純正アクセサリーは、マツダ3そのものの良さを損なわないばかりか、既存の純正アクセサリーの域を超え、装着したユーザーに確かな+αの効能をもたらすものとして開発されている。実際にマツダ3を購入する際は、懐具合と相談しながら、どれを装着すべきか真剣に楽しみながら迷うのは間違いない。
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