オーストリアのレッドブルリンクで行なわれた2020年のMotoGPスティリアGPで、ヤマハのマーベリック・ビニャーレスがブレーキトラブルによって大クラッシュに見舞われた。これによってレースは赤旗中断となりレースの展開に大きな影響を及ぼしたが、2021年シーズンはこうした問題を繰り返さないためにも、ブレンボが改善を施したブレーキを投入する予定であることが分かった。
レッドブルリンクは直線成分の多いコースで、ハードブレーキングが要求されるレイアウト。そのためブレーキには大きな負荷がかかる。昨年行なわれたレッドブルリングでの連戦のうち、前半のオーストリアGPの時点で多くのライダーがブレーキのオーバーヒートに苦しんでいた。
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ヤマハ側はこのクラッシュについて当初ブレーキの故障が原因だと主張。しかしビニャーレスはブレンボがレッドブルリンク用に準備し、使用を推奨していた放熱性能を改善したブレーキキャリパーを使用していなかったことが分かっている。またビニャーレスはこの時340mmではなく320mmのブレーキディスクを使用していた。
MotoGPは2021年シーズンも新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受け、レッドブルリンクでの2連戦を開催予定だ。ブレンボは昨シーズンのようなトラブルを繰り返さないためにも、より安全性を高めるためのブレーキシステム開発を行なっており、カタルニアテストで新型のテストを実施した。
新型は340mmのブレーキディスクを使用。小さな穴を空けることで、放熱性能を上げて温度上昇を防ぎ、カーボンブレーキの運用温度範囲の上限付近である700~800℃に保つ助けになることを狙っている。なおこの新型はレッドブルリンク戦だけではなく、今シーズン後半戦の日本GPやタイGP、マレーシアGPなどでも使用される予定だ。
バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は「負荷の大きいオーストリア戦に向けたブレーキを試したけど、フィーリングは良かったし気に入った。それを使うつもりだ」とコメントしている。
またあるトップMotoGPライダーのトラックエンジニアは、motorsport.comの取材に対し、改良されたブレーキについて次のように説明を行なっている。
「月曜(6月7日)に初めてこれらのブレーキをテストした。昨年の事故の後、我々は(ブレーキの)温度に余裕を保つ必要があった。彼らの提供しているものはパフォーマンスを向上させるものではなく、安全性の改善を目指したものだ」
「テスト後には新型のブレーキが(振動を始める)1000℃に達する前の安全マージンが得られることが分かった」
■MotoGPのブレーキ、2022年はさらに大型化?
またブレンボは高速化するMotoGPマシンへの対処として、2022年シーズンに向けてブレーキのさらなる改良を計画。ディスクを360mmへと大径化することを目指している。なお現在のMotoGPマシンでは360mmのディスクが最大限のサイズとなる。
「340mmディスクでは、MotoGPは限界に達してきている」
そう語るのは、ブレンボのカスタマーマネージャー兼エンジニアのアンドレア・ペッレグリーニだ。
「我々はベンチレーションを進化させ、ディスクの接触面積を大きくし、冷却のためのエアインテークもより大型化した。またディスクとパッドの形状にも取り組んでいる」
「オーストリアではハードブレーキングポイントがあり、ブレーキシステムが非常に高温にする。これらの新ディスクによって、より範囲内の低い温度によってパフォーマンスを提供できることを望んでいる」
「殆どのライダーがカタルニアテストで試していて、試していないのは2~3人のみだ。基本的にフィードバックは非常に良いものだった」
「現在では殆ど全てのチームが340mmのブレーキディスクを使用している。MotoGPはどんどんエアロダイナミクスの活用を進めているため、より強力なストッピングパワーが必要なのだ」
「来年に向け、我々はより大型の360mmのディスクの準備を進めており、ドルナとIRTAはこれを承認する事が必要になるだろう」
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みんなのコメント
納得のいかないレースだったなぁ~!