■初代よりもヒットした2代目のクルマたち
日産「シーマ」や、ユーノス(マツダ)「ロードスター」のように、初代が大ヒットしたクルマが存在します。
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そして2代目になると、初代があまりにも凄すぎたために目立たなくなってしまうこともありました。
一方で、初代がパッとしなかったものの、2代目がヒットしたモデルが存在。そこで、2代目が大化けしてヒットした車を、5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「プリウス」
世界初の量産ハイブリッド車として1997年に登場したトヨタ初代「プリウス」は、ガソリンエンジンにモーターを組み合わせ、エンジンと電気モーターのふたつの動力源を使い分ける「THS(Toyota Hybrid System)」パワーユニットにより、当時としては驚異的な低燃費を実現。
初代プリウスは国内外で高く評価された革新的なクルマでしたが、当時はまだ環境意識が高まっていなかったことや、バッテリー寿命に対する懸念、高額な価格がネックとなって、販売台数はそれほど多くありませんでした。
しかし、2003年に発売された2代目では、世間の環境に対する意識が高まり、価格も抑えられたことで販売台数は増え始めます。
また、初代がコンパクトな4ドアセダンだったのに対し、海外市場を考慮してやや大型化されたミドルサイズ5ドアハッチバックとなった2代目は、室内空間も広くなって使い勝手が向上。
また進化した「THS II」によりパワーアップされながらも初代より低燃費化が進み、35.5km/L(10・15モード)を達成し、日本だけでなく北米市場や欧州市場でもヒット作となりました。
●ホンダ「プレリュード」
1978年に発売されたホンダ初代「プレリュード」は、「シビック」「アコード」という2枚看板から、さらに車種を拡充するために開発された2ドアクーペです。
最高出力90馬力と決してパワフルではない1.8リッター直列4気筒エンジンで前輪を駆動し、コーナーリング特性などは高く評価されていました。
しかし、シビックに似たフロントマスクはスペシャリティカーとしては弱く、人気車にはなりませんでした。
ところが1982年に登場した2代目では、外観のデザインを一新。低いボンネットの先端にリトラクタブルヘッドライトを配置し、全高1295mmのワイド&ローで流麗なフォルムや、充実した装備によって、女性からも人気の「デートカー」としても注目を集めました。
また、後に160馬力を誇る2リッター直列4気筒DOHCを搭載した「2.0Si」が追加されると、優れたスタイリングに加え、走行性能が向上したことで、さらに人気が高まります。
●三菱「パジェロ」
1982年にデビューした三菱初代「パジェロ」は、「ジープ」に匹敵する高い悪路走破性と信頼性がありながら、乗用車に近い使い勝手の良さから高く評価されます。
しかし、発売当初は小型貨物登録車のみしかラインナップされなかったことから、本格的なクロスカントリー4WDを必要とするユーザー以外には受け入れられませんでした。
ところが、乗用登録車の追加をはじめ、3列シート車の追加など改良を重ねていくうちに、世の中ではスキー/スノーボードなどのブームが起こり、徐々にパジェロの人気が高まります。
そして1991年に、悪路走破性をキープしたまま、走行性能や快適性、安全性を大きく向上させた2代目パジェロにモデルチェンジされました。
ボディバリエーションも、2ドアで後席がオープントップとなるアクティブな「Jトップ」、3ドアショートタイプのより走行性能を高めた「メタルトップ」、5ドアロングタイプのラグジュアリー性を兼ね備えた「ミッドルーフ」、後席がハイルーフとなる「キックアップルーフ」が設定され、5ナンバーのレギュラーサイズとワイドフェンダー装着のワイドをラインナップ。
エンジンのバリエーションもガソリンとディーゼルで複数設定されるなど、あらゆるニーズに応えたところ大ヒットし、俗にいう「RVブーム」をけん引する存在となりました。
■秀逸なCMで大ヒットした2代目とは!?
●いすゞ「ジェミニ」
1974年に発売されたいすゞ初代「ジェミニ」は、当時、提携していたGMのグローバルカー構想に基づき、オペル「カデット」をベースにしたクーペ/セダンです。
しかし、競合車がスペース効率に優れた前輪駆動に次々とスイッチし、旧態依然とした後輪駆動では戦えなくなったため、1985年に前輪駆動に刷新された2代目を発売。
「街の遊撃手」のキャッチコピーで、パリ市街などでの派手なカースタントシーンを使った衝撃的なCMが、大いに話題となります。
当初、FFジェミニはコンパクト化したボディに、オーソドックスな1.5リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載したクルマで、性能的なアドバンテージはありませんでした。
そこで、1986年にインタークーラー付きターボエンジンを搭載した「ジェミニ イルムシャー」を追加ラインナップ。ドイツのチューナーであるイルムシャーが監修したモデルで、大ヒットを記録。
さらにイギリスのスポーツカーメーカーであるロータスが監修した「ZZハンドリング・バイ・ロータス」が登場するなど、一気に若者の心を掴み、1.6リッタークラスの人気車となりました。
●トヨタ「シエンタ」
初代トヨタ「シエンタ」は非常に珍しい再販措置が取られたクルマです。最初の発売は2003年で、3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンとして誕生しました。
子育てママを中心に人気がありましたが、ダイハツのOEM車の「パッソセッテ/ブーンルミナス」を次期型としたため、シエンタは2010年に販売を終了。
しかし、パッソセッテ/ブーンルミナスの販売が低迷し、2011年に異例とのいえる再販が決定されました。ただし、すでに商品力は他車と比較しても落ちており、2014年に完全に販売を終了します。
そして、2015年に全面的に刷新された新型シエンタを発売。ユニークな外観のデザインとカラーリングが採用され、初のハイブリッド車もラインナップし、大ヒットを記録。
発売最初の1か月で、4万9000台もの受注を獲得し、2016年の販売台数は12万5832台で、登録車ではプリウス、アクアに続くランキング3位となり、ミニバントップのセールスとなりました。
その後、2列シート車をラインナップするなどラインナップを拡充し、現在もコンパクトミニバンのトップセラーに君臨しています。
※ ※ ※
冒頭にあるとおり、初代がヒットすると2代目が厳しい状況を招くケースが多い印象です。
なぜなら、ヒットしたクルマの次代は、キープコンセプトとされるのが一般的で、メーカーとしては当然の処置ですが、ユーザーからすると変わった感が希薄に思えてしまいます。
しかし、ホンダ「N-BOX」のようにキープコンセプトとしながらも初代、2代目と大ヒットすることもありますから、ヒットするかしないかは、神のみぞ知るところなのかもしれません。
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みんなのコメント
アレはアレで良い車だったと思いますよ。