『ハコスカ』『ケンメリ』『ベレG』、それに『ヨタハチ』などなど……。1960年代や1970年代の頃の日本車には、当時の若者たちを熱狂させたスポーツモデルを中心にニックネームが付けられたモデルがいろいろ存在したが、そういった名車と言われるようなスポーツカー以外にも、1980年代まではちょっと面白い愛称で呼ばれた日本車もあった。
というわけで、ここでは思わずニヤッとさせられるたり、ほっこりした気持ちにもなるようなユニークなニックネームを持つクルマたちを紹介していこう!
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文/永田恵一
写真/トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱
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■トヨタ 3代目コロナ 『電気カミソリ』
初期モデルのグリルのデザインが「電気カミソリ」に似ていることが由来。
本モデルは1963年から販売されたが、国産電気カミソリ普及は1950年代後半からと言われている。この愛称は見た目だけでなく、高い性能や先進的なイメージ繋がりで付けられたのかもしれない
3代目コロナが登場する前年の1963年には名神高速道路が開通し、日本の道路の最高制限速度が100km/hとなった。このような道路交通環境の変化もあって、3代目コロナは発表直後に「10万km連続高速走行公開テスト」を行い、トラブルなく58日間で完全走破。コロナの性能、信頼性と耐久性の高さのアピールに大きく貢献し、販売も絶好調だった。
■トヨタ 4代目クラウン 『クジラ』
3代目モデルまでのオーソドックスなエクステリアから一転した、スピンドルシェイプと呼ばれる当時のクルマとは異例に丸みを帯びたスタイルに由来したニックネーム。
スピンドルと言うとレクサスのグリルを思い起こすが、こちらは1971年発売
4代目クラウンは個性的過ぎたデザイン自体に加え、このデザインによるボディ先端の見切りの悪さからくる運転のしにくさ、クーリングの難による夏場のオーバーヒートの頻発といった問題も多く、販売面では日産 セドリック&グロリアに敗北するなど、クラウンの歴史に残る失敗作だった。
■トヨタ 初代セリカ 『ダルマ』
正面から見た際のスタイルが、当時のクルマとしては「ダルマ」のように丸くふくよかなルックスであることが由来。
初代セリカは、アメリカのフォード マスタングなどの影響を受けた日本車としては初期となるスペシャルティカーで、エンジン、トランスミッション、インテリアなどを自由に選べるフルチョイスシステムの導入もマスタングにならっていた。
なお、初代コロナも丸みを帯びたエクステリアからダルマコロナと呼ばれていた。
ちなみに写真の「1600GT」はフルチョイスシステムの対象外だった
■トヨタ 3代目マークII 『ブタ目』
ジャガーを思い出させるところもある丸形二灯ヘッドライトに由来したニックネーム。
マークIIは、2代目モデルあたりからスカイラインも意識し始めていたが、日産 スカイラインの牙城を崩すのはだいぶ先のことだった。
意識しているのは『XJ6』だろうか
■トヨタ 初代エスティマ 『ビッグエッグ』
シルエットが卵を思わせるところがあったのもあり「天才タマゴ」というキャッチコピーが使われたのに加え、初代エスティマが登場した1990年は東京ドームがまだ開業したばかりで、この東京ドームが「ビッグエッグ」という愛称が付いていたことも影響していると思われる。
助手席下にエンジンを押し込むというキャブオーバー車的なレイアウトを取り、意外なほどハンドリングがよかった
■日産 初代ブルーバード 『柿の種』
小型で縦長のテールランプの形状が「柿の種」を思わせるものだったことに由来したもの。初代ブルーバードは、当時日産がイギリスのオースチンと提携を結んでいたこともあり、イギリス車を手本にして開発された部分も多々あった。
世代を重ねる中で、さまざまな活躍をする『ブルーバード』だが、1歩目は欧州リスペクトから始まったようだ
■日産 2代目スカイラインGT 『羊の革を被った狼』
1965年の第二回日本グランプリに参戦したスカイラインGTが短時間ながら強敵ポルシェ904を抜き、グランドスタンドを先頭で通過した。この時に生まれたニックネームが「羊の皮を被った狼」で、これを考えたのは当時新聞記者だった自動車ジャーナリストの三本和彦氏。しかしながら、プリンス自動車からはひどく怒られたそうだ。
これは実用性と走りの性能を両立しつつ、それを主張しない大人なクルマ達を指して使われることの多い表現だが、当初作り手側の印象はよくなかったようだ
■日産 2代目ブルーバード 『銭ブル』
アニメ「ルパン三世」の映画「カリオストロの城」で、ルパン一味を追いかける銭形警部が2代目ブルーバードのパトカーに乗っていたことに由来する愛称。
ルパン三世は、主人公のルパンが乗る、ベンツ SSKやフィアット500、ミニクーパーなど、クルマの存在感もそれなりに強い作品だった。
3代目でドラマ 西部警察に出演したことが有名だが、実は2代目ですでに映画デビューしていた
■日産 4代目ブルーバード 『サメブル』
6気筒エンジン搭載車のフロント周りのデザインが「サメ」を思い出させるところがあったことに由来する。
4代目ブルーバードは、力作だった3代目ブルーバードに比べると想定より販売が振るわなかった影響もあり、6気筒エンジンの搭載をはじめ、妙に上級志向となった。ブルーバードは、次の5代目モデルもいまひとつ振るわず、低迷がしばらく続いた。
同じ4代目『ブルーバード』の中でも、写真の「2000GT-X」は特にラグジュアリーな外観をしている
■日産 2代目ローレル2ドアハードトップ 『ブタケツ』『棺桶』
「ブタケツ」はリア周りのエクステリアデザイン、「棺桶」は2ドアハードトップのリアシートに座った際の強い閉所感に由来したニックネーム。ローレルはこの2代目モデルからスカイラインの兄弟車(2代目ローレルの時は4代目スカイライン)となった。
ちなみにセダンは、特徴的なフロントマスクから『ガメラ』とも呼ばれた
■日産 GT-R 『ゴジラ』(海外でのニックネーム)
現行型GT-Rが登場する以前の、スカイラインGT-Rとして最後のGT-RであるR34型あたりから海外では「ゴジラ」と呼ばれていた。これは4人が乗れる武骨なスタイルながら速くて、強いことに由来したもの。GT-Rのコンセプトのひとつである「速いハコ」を実にうまく表現したニックネームだ。
クルマの愛称は見た目が由来で付けられることが多いが、『GT-R』の系譜となるとその限りではない。「羊の皮を被った狼」もそうだが、その存在にそのものに魅力があるのだろう
■ホンダ 初代Z 『水中メガネ』
ハッチバックのリアウインドウ周りに付けられた黒い縁取りが、「水中メガネ」のようにも見えるデザインであることに由来。ホンダの初代ZはN360をスペシャリティな雰囲気としたモデルだった。
シュノーケリングできそうなリアウインドウが特徴的
■ホンダ アクティ 『農道のNSX』
アクティは歴代モデルで、スーパースポーツのNSXと同様にミッドシップレイアウトを採用していることが由来のニックネーム。
これに近いニックネームとして、スバル製のサンバーがリアエンジンを採用していたことによる「農道のポルシェ」がある。
2021年の4月でその歴史に幕を閉じる『アクティ』
■マツダ 5代目ルーチェ 『広島のベンツ』
スタイルが全体的にどことなく当時のベンツ「Sクラス」を思わせるものだったことに由来。なお、5代目ルーチェはドライバーズカーとしての資質が高いこともベンツに通じるところがあった。
初代はジウジアーロの挑戦的なデザインで登場したが、5代目では一転、保守的なデザインに
■三菱 初代デボネア 『走るシーラカンス』
1964年の登場以来、1986年までの22年間もフルモデルチェンジされなかったことで、生きる化石と呼ばれる「シーラカンス」のようなクルマという意味から由来するニックネーム。
その意味では1997年の登場以来、20年間フルモデルチェンジされなかった2代目センチュリーも近い面があるともいえる。
一見すると3ナンバーサイズに見えるが、しっかり5ナンバーサイズに収まっている
■スバル 360 『てんとう虫』
「てんとう虫」のように、小さく愛らしいスタイルであることに由来する。なお、VWのタイプI、いわゆる空冷ビートルが「カブト虫」の愛称で呼ばれていたこととの対比もある。
スバル360は軽量化のためモノコックボディやバックウインドウをアクリル製とした点などの技術レベルの高さ以上に、当時の大衆に移動の自由を与えたという点も偉大だった。
大衆車ではあるが、当時としては新しかったモノコックボディを採用したりと抜かりのない設計だ
【番外編 F1マシンのニックネーム】
■ルノー RS01 『イエローティーポット』
ルノーワークスチーム初のF1マシンで、F1初のターボエンジンを搭載したルノーRS01。カラーリングがイエローであり、ターボエンジンがよくブローし白煙をまき散らしていたことで、「イエローティーポット」と揶揄されていた。
しかしその後、ルノーはF1でターボエンジンをものにし、1980年代中盤からF1は「ターボエンジンでないと勝てない時代」となった。
黄色くて白煙がもくもくしているから「イエローティーポット」。モータースポーツ界ならではの容赦のなさだ
■ベネトンB192 『バナナノーズ』
上に持ち上げたフロントノーズの形状に加え、カラーリングがイエローだったため、その見た目が「バナナ」を思わせることに由来。数年後、F1のノーズはベネトンB192の影響を受けた鼻先を持ち上げた形状のものばかりとなった。
この独特なノーズはフロントウイングとの距離を広げ、相互の空力影響を低減するために採用された
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