レトロデザインを採用する理由とは
ルノーは、今年10月に開催されたパリ・モーターショーにおいて、レトロデザインの次世代EVコンセプトを公開。ルノー4、5といったかつての銘板を蘇らせ、電動化に取り組んでいる。
【画像】レトロなデザインの最新モデル【ルノーの次世代EVの姿を写真で見る】 全36枚
アルピーヌもまた、水素燃焼エンジンのコンセプトカーを披露しながら、A110の後継となる電動スポーツカーの開発を進めている。ダチア(ルーマニアの自動車ブランド)はリーズナブルな価格帯を維持するべく、内燃機関と車体の軽量化に注力しつつ、ブランドイメージをモダンでレジャー色の強いものへ刷新した。
そんなルノー・グループをまとめるルカ・デ・メオCEOは、日産・三菱との難しい提携関係を守りながら、激動の時代の中で黒字化への転換を進めている。AUTOCARは彼にインタビューを行い、近況を聞いた。
――ルノー4や5といった新型車で、ノスタルジックな路線を選んだ理由とは?
「どんなビッグブランドにも、どんなセグメントにも伝統があります。ルノーには、4、5、5ターボなどがあります。わたし達はブランドのルーツを振り返り、誰もが期待していることをやっているだけです。ルノーはEVの新興企業ではなく、120年の歴史があり、これを強みとして活用しなければなりません」
「新型5には、昔のモデルと同じような符号があると言えるかもしれませんが、実際はオリジナルとは何の関係もないものです。わたし達は、ルノーのブランドを再構築しようとしています。ルノーは一時期、『魂』を失っていたと言われています。ブランドを取り戻さなければならないのです」
――4、5、5ターボ以外にも、その再構築を助けるようなアイデアはあるのでしょうか?
「アイデアはあるのですが、当面は資金が足りないと思います。ターボでも、(生産にこぎつけるための)資金が必要なんです。わたし達の懐は深くありません。クラウドファンディングをやってみましょうか? きっと人が集まってくれるでしょうね」
――十分な資金が工面できるのはいつ頃でしょうか? また、ルノーにとって成功とはどのようなものですか?
「ルノーに必要なのは、2つの良いサイクルです。ルノーが抱えている問題は、好調なサイクルと不調なサイクルがあること。通常は、ルノー・クリオや5のような小型車の成功に大きく結びついていました。課題は、次のサイクルでは、単に成功したモデルを発売することとは別の行動が必要になるかもしれないということです」
ソフトウェアでクルマを常に最先端に
――次は何を行うのでしょうか?
「ルノーは、伝統的な自動車メーカーの中でも、変化する世界により適応した組織となるよう、準備を進めています」
「これまで古典的なバリューチェーンに縛られていましたが、今では新しいモビリティ、EVバリュー、チェーンソフトウェア、循環型経済を手に入れました。これは、サッカーからオリンピックに移行するようなものです。どこもこのような組織化はしていません。それが、わたし達のやろうとしていることなのです」
「2年前、わたし達は破産寸前で、とても、とても病んでいました。重病の人がどうなるか知っていますか? 彼らは非常にバイタリティがあり、勇気があり、正しい優先順位を持つ傾向があります。ルノーでも同じことが起きています」
――今後、ソフトウェアの重要性は?
「非常に重要です。わたし達は長い挑戦の末、2025年からエレクトロニック・アーキテクチャを一元化し、2030年までの間にすべてのクルマに展開することを決定しました。スマートフォンが通信業界に与えたのと同じようなインパクトを与えることになるでしょう。アーキテクチャをより強力にし、クラウドに接続することで容量に余裕が生まれ、より多くのデータインテリジェンスを得られるようになるのです」
――何が違いを生むのでしょうか?
「まず、クルマはアップグレード可能なので、テスラと少し似ていて、常に最先端であることが挙げられます。テスラの残存価値はおそらく70%ですが、ルノーは45~50%です。2つ目は、この技術が安くなるタイミングが来るということです。3つ目は、クラウドを通じて簡単にクルマがつながることで、歴史上初めて、製品のライフサイクル全体を通じて接することができるようになることです」
「これらを組み合わせると、なぜ集中型のエレクトロニック・アーキテクチャを目指す必要があるのかがわかると思います。わたしは、インテリジェントカーが大好きです。自動運転よりもコネクテッドカーを信じます。自動運転では、自動車メーカーとしてのビジネス上のメリットを感じられないのです」
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ルカ・デ・メオCEOがフィアット500での成功体験をもう一度なぞろうとしているから。