WRCファンの日本人にも遭遇
WEB CARTOPでもおなじみの自動車評論家、国沢光宏さんがドイツで開催されるWRC(世界ラリー選手権)第10戦ラリー・ドイツに挑戦中! 今回ラリー・ドイツ取材のチャンスを得た新人編集部員篠田は、ラリーについてはまったくの素人。そこで、渡航前の国沢さんにラリーの基礎などを聞き、知識を身につけたところで、ついにラリー・ドイツへとやってきた。
【国沢光宏がWRCに挑戦】もはや趣味の域を超越! それでも国沢光宏がラリーに挑むワケ
競技3日目となるDAY3は、午前中に丘を走り抜けるSS (スペシャルステージ)9と、午後にはドイツ名物の軍事演習場内で行われるパンツァープラッテを見ることに。午前は90度のほぼ直角に曲がるコーナリングが見えるところで待機していた。ラリー・ドイツはすべてターマック(舗装路)のコースなのだが、そのコーナー部分の右側には土が盛られていて、ショートカットする際は少しグラベル(未舗装路)のような動きが見られそうだと期待。
その場で腰を下ろして待っていると、スペクテイター(観客)用のタグをつけた人から「すみません」と日本語で話しかけられた。ついに取材班でない日本人に初めて出会うことができたので、待っている間にお話を伺った。
12年ほど前から海外のラリーも観戦しているという松浦淳一さん。ニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパ圏のラリーを観に行ったことがあるそうで、ドイツも4年前に1度観戦したことがあるという。今回も休みの合間を縫って年に1度のWRC観戦に訪れていた。どのチームのファンということではなく、WRC自体が好きという松浦さんに、ラリーの楽しみ方について聞くと「ラリーカーが目の前で見られることが一番の醍醐味」とのこと。
確かにブドウ畑では目の前で見ることができた。基本的にクルマが飛んでくる可能性のあるところにはいられないので、これは世界的に見ても珍しいそうだ。
早速、1台目がやってきた。リバースになっていて、WRカーのなかで1番遅いほうから順番に走っていく。必ずしも1位が最初に来るわけではないようだ。さすがWRカーはしっかりショートカットして土煙を上げながら走り抜けていった。ギャラリー側に風が流れてくるため、砂を吸い込んでしまい、カメラにも粉じんがくっついていた。これもラリーの面白さのひとつで、松浦さんは慣れた様子でカメラについた砂を取り払っていた。
近くにいたドイツ人にも声をかけられ、さっきのクルマがゴール付近を通過しているよ、と教えてもらった。確かに小粒のようなラリーカーが遠くの坂を駆け上がる姿が見えた。撮影していたポイントは丘のようになっているため、かなりひらけていて、遠くまで見渡せる。
国沢さんのフィエスタR2も砂煙を上げながら豪快に走り抜けていった。道幅の狭いところをとんでもない速度で走り去るラリーカーのすごさを改めて目の当たりした。
午後にはラリー・ドイツ名物のパンツァープラッテへ。昨年もラリー・ドイツの舞台となったが、今年は去年と逆ルート。SSの2カ所が交差する場所のため、会場を埋め尽くすほどの人が集まっていた。出店もかなり多く、この日も天気に恵まれていたため、アイスやビールを片手に観戦している人がたくさんいた。ステージも設けられ、始まる前からDJが登場し、会場のボルテージも徐々に高まっていく。
そしてついに1台目が登場すると、前方に群がって見る人と、中継で競技車両を映しだしてのんびりと椅子に座って観戦している人に分かれ、それぞれがラリーを楽しんでいた。何十メートルもの下り坂を一気に駆け下りる姿は一番盛り上がるポイントとなっている。また、ゴール付近は人が集まっているところからはよく見えないのだが、テレビ中継でその模様も映され、ゴール後にドライバーにインタビューも行われた。
国沢さんたちのフィエスタR2が下ってくるところを坂道で待つ。すると音を響かせながら勢いよく下ってきた。走行後の国沢さんに話を聞くと「パンツァープラッテは道が荒れていて、クルマが歪んでしまい、ドアが開かなくなるほど」だったという。
大きなトラブルもなく、無事にDAY3を終えた国沢さん。昨年、1回もリタイヤせずに完走した完走率はおよそ40%という厳しい環境のなかで、完走まで目前に迫った。次回もお楽しみに!
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