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「電動の後輪駆動」で一新 アウディA6 e-トロン・アバントへ試乗 380psに703km! 突出の洗練度

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「電動の後輪駆動」で一新 アウディA6 e-トロン・アバントへ試乗 380psに703km! 突出の洗練度

基礎骨格はマカン・エレクトリックと共通

アウディのステーションワゴンが、バッテリーEVの後輪駆動になって生まれ変わった。最高出力は、ベーシックな仕様でも326psある。そう、まったく新しいA6 e-トロンが誕生した。

【画像】電動の後輪駆動で一新 アウディA6 e-トロン 近似サイズの電動モデルたち 最新A5も 全117枚

基礎骨格とするのは、Q6 e-トロンやポルシェ・マカン・エレクトリックなども採用する、PPE EVという名のプラットフォーム。ボディスタイルは、ステーションワゴンのアバントと、ファストバックのスポーツバックが設定される。

電圧800Vの電動パワートレイン・システムは共通となり、エントリーグレードの駆動用バッテリーは75.8kWhで、急速充電能力は最高225kW。航続距離は、短くなるアバントでも580kmと不足はない。スポーツバックは616kmだ。

A6 e-トロン・パフォーマンスは、380psへ上昇。A6 e-トロン・クワトロでは、462psを得る。こちらは、どちらも駆動用バッテリーが94.9kWhへ増え、急速充電は270kWに対応。最短21分で、残量10%から80%へ回復できる。

航続距離は、前者のスポーツバックで745km。アバントでは703kmがうたわれる。ちなみに、BMW i5 ツーリングは同等の英国価格で553km。アウディの圧勝といっていい。

このエネルギー効率に貢献しているのが、滑らかなボディ。細部まで入念にデザインされ、空気抵抗を示すCd値はアバントで0.24とのこと。

驚くほどクリアなグラフィック 上質な車内

スタイリングは、筆者の目には魅力的に映る。試乗車はサイアム・ベージュというカラーで塗装され、一層オシャレに思えた。フォルムは、スポーツバックよりアバントの方が好み。読者の印象はいかがだろう。リアの4リングスは、標準で赤く灯る。

インテリアで目につくのは、ダッシュボード上で緩やかにカーブを描く、ワイドなモニターパネル。車載機能の殆どが集約され、グラフィックは驚くほどクリア。アイコンが大きく、走行中でも触れやすい。常時表示される、ショートカットキーも便利だ。

少し気になった部分は、タッチモニターの調光機能へ辿り着きにくいこと。運転支援システムの変更も、もう少し簡単な方が良いだろう。ステアリングホイール上のタッチセンサーは、反応が悪い時があった。

とはいえ、インテリアの雰囲気は上質。後席の空間も、前後・上下にゆとりがあり、きっと多くの人が気に入るだろう。

荷室容量は、アバントで502L。床面積的には広く、床下にも収納空間は用意されているのだが、傾斜したリアウインドウが容積を削っている。i5 ツーリングは、570Lとだいぶ大きい。フォルクスワーゲンID.7 ツアラーは、605Lもある。

そのかわり、小さなフランクがある。ボンネットを開く手間はあるが、充電ケーブルを片付けるのに丁度いい。

突出した洗練度 ダイレクトなステアリング

A6 e-トロン・アバントを発進させると、このクラスのアウディへ期待する通り、滑らかで心地良い。プレミアムブランドの中で考えても、突出して洗練された印象を受ける。操縦性のまとまりも高く、感動を覚えたほど。

試乗車にはエアサスペンションが組まれ、路面の不整を優しく均しつつ、落ち着いた姿勢制御を実現していた。しかし、選択される割合いが低いという理由で、英国仕様には設定されないようだ。

試乗車のパフォーマンス Sラインで特筆すべきは、ステアリング。切り込んでいくと、シームレスに手へ掛かる重さが変化し、グリップ状態も伝わってくる。反応は正確で、車線の中央を維持しやすい。

BMWやポルシェのステアリングフィールも素晴らしい。だが、ダイレクト感はA6 e-トロンの強みといえる。

動力性能は、380psと57.5kg-mの数字通り不満なし。滑らかなパワー感が、満たされた気持ちを生む。それでいて、全力時でもクルマ酔いするほど鋭いわけではない。後輪駆動ながら、落ち着きを乱すこともない。

高速道路への鋭い合流時には、どんな挙動を示すのだろうか。荒れた路面の、雨がちなグレートブリテン島で試すのが楽しみだ。

ブレーキペダルの感触は、制動力を引き出しやすく好ましい。ダイナミック・モードの効きを筆者は気に入った。

回生ブレーキは、ステアリングホイール裏のパドルで強さを2段階から選べる。状況に応じて変化するアダプティブ・モードと、コースティング・モードもある。どれも予測しやすい制御で、不安感はなかった。

クラストップの航続距離と急速充電で高支持?

カメラを利用した、バーチャルサイドミラーはオプション。ダッシュボード両サイドに備わるモニターの位置が高く、大幅に見やすくなった。それでも、これまでの鏡の方が、確認しやすいことは事実だ。

A6 e-トロン・アバントの英国価格は、6万4300ポンド(約1254万円)から。かなりお高いが、同等のライバル、i5 ツーリングやメルセデス・ベンツEQEなどと、大きく違うわけではない。

今回試乗した、パフォーマンス Sラインが英国では人気だと予想されるが、7万5200ポンド(約1466万円)へ上昇する。これに、パノラミックルーフやマット塗装を選ぶと、8万ポンド(約1560万円)を超えるはず。

クラストップの航続距離と急速充電能力、素晴らしく居心地良いインテリアを踏まえれば、価格価値は悪くない。荷室が狭いことは否めないが、デジタル技術的な水準は高い。内装の高級感や操縦性、積載量では、i5 ツーリングが有利ではあるとしても。

コイルスプリング・サスペンションのA6 e-トロンがどんな乗り心地なのか、期待は膨らむ。完成度が高いことは間違いなく、その快適性が顕著に低くない限り、英国では多くの支持を集めるのではないだろうか。

◯:動力性能と航続距離 ライバルと並ぶ価格 扱いやすく落ち着いた操縦性
△:エアサスペンションと四輪駆動はトップグレードのみ 広くないアバントの荷室

アウディA6 e-トロン・アバント・パフォーマンス Sライン(欧州仕様)のスペック

英国価格:7万5200ポンド(約1466万円)
全長:4928mm
全幅:1923mm
全高:1527mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:5.4秒
航続距離:703km
電費:6.6km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2185kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:94.9kWh
急速充電能力:270kW
最高出力:380ps
最大トルク:57.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

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みんなのコメント

4件
  • ***************
    GTっていうの?あっちのケツから見たんだけどタイヤ太すぎてなんかバランスが悪かったけどこっちはどうなん?
  • kaz********
    アウディの顔面は唯一無二に好きなんだけど、電気版は個人的にダメ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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